MONTHLY RECOMMEND [2003, January] Home

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□Artist(s) … AUTECHRE
□Title … INCUNABULA
□Number …
1.kalpol introl / 2.bike / 3.autriche / 4.bronchus 2 / 5.basscadet
6.eggshell / 7.doctrine / 8.maetl / 9.windwind / 10.lowride / 11.444

□Comment …
テクノ界の住人でありながらも洋楽ロックファンの間ではエイフェクス・ツインと並んで有名なAutechre(オウテカ)。これはそのオウテカの記念すべき1stアルバム。93年発表。

何か名前は読みにくいし意味も良く分からないんでミステリアスなイメージがありますが、オウテカの実体はSean Booth(ショーン・ブース)とRob Brown(ロブ・ブラウン)の2人組み。彼らの作る音楽が果たして「ダンスミュージック」としての「テクノ」なのかと言うと、僕は「NO」だと思うんですが、これはどうなんでしょうね、でかいフロアで聴けば踊れてしまうのかもしれない。7作目のアルバム『Confield』のライナーノーツに彼らがインタビューで語った言葉が掲載されているけれど、『ぼくたちは、クラブ・ミュージックで成長したんだ』そうな。『しかし、ぼくたちはクラブでそれを聴かなかったんだ。自宅や、あるいはウォークマンで聴いていた。ぼくたちがダンス・エクスペリエンスへとギアを入れなかった大きな原因はそのことかもしれない』そうな。この言葉から、自分たちの音はフロアで鳴らすような音ではないと、少なからず意識しているようにも思えます。まあ、聴く側が好きに受け取ればいいと思うんですけどね(笑)。踊りたきゃ踊ればいいんだし。

このアルバムを聴いてると僕の頭の中には海中(それも夜)のイメージが浮かびます。 波間を漂うプランクトンのような微細なビートに、静かで緩やかな波のようなエレクトロな音色。後に見せることになるインダストリアルなバキバキしたリズムもあるんですが、 それ以上に耳を惹かれるのが電子的な音色なんです。もーこれが美しいんですよ。M-10なんか途中で鍵盤の音色なんかが入ってきたりして、もうたまらんです。エイフェックス・ツインの作品で聴けるようなあのメランコリアに近いものがココにあると、僕はそう思います。ハッキリ言うとアンビエント色がかなり強いんで、ビートが前面に押し出された オウテカ作品を聴いて僕のように頭の中が「?」でイッパイになった人はこの作品を聴いてみてください。かなり聴きやすいと思いますので。もちろん、聴きやすいだけでなく、良い作品でもあります。



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