MONTHLY RECOMMEND [2003, August] Home

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Artist(s) … MOGA THE \5 / NAHT
Title … A STRANGE STROKE OF FATE
Number
[MOGA THE \5]
1.蒼白イナニカ… / 2.乾きゆく想ひに / 3.夕空のエレジー / 4.遠くで汽笛を聞きながら

[NAHT]
5.ムクロノオエツヨ / 6.feelings can change the same view / 7.yours truly, 2095
Comment
インディーズで活動中のMOGA THE \5(モガ・ザ・ファイブ・エン)と 2000年からメジャーに進出し始めたNAHT(ナート)のスプリット盤。2001年リリース。 初回限定パッケージ仕様(って今頃書いても意味ないか)

漢気(おとこぎ)溢れるって言うんですか、インディー志向って言うんですか、 「孤高」とか「荒野」とか、そういう言葉が似合うバンドさんたちがいますよね(←表現下手)。 たとえばブラッド・サースティ・ブッチャーズだったりイースタン・ユースだったり、 解散したナンバーガールだったり、これまた解散したカウパァズだったり…etc…etc…。 エモって一言でくくりたくないけど、エモって言葉で表したくなる音楽性/精神性を持ってるバンド。 このモガやナートも僕の中ではそんな漢気溢れるバンドとして括られています。

モガは95年結成の3ピース(エスカルゴ[ESCARGOT]さん【Vo/G】、サカグチさん【B】、ニシタニさん【Dr】)。 99年に1stアルバム『ハ・ル・カ・カ・ナ・タ』、01年に2nd『未完全論』をリリースしています。 僕は今までに1回しかモガの音源を聴いたことなかったんだけど、こうやって改めて聴いてみると、いやーカッコイイ。 直線的な厚いギターに、つんのめるように駆け回るドラム、それをグイグイひっぱるベース。それに負けずに熱を帯びたヴォーカル。 何か若くもなく年食ってもいないようなこの声。そんな青年期な声が歌うのは現代社会の憂いというか、 そんな時代を生きるもどかしさ。“ニュースは突然に不幸を映し出して/ありふれた出来事に/驚かない二人だから”、 “なんとなく ただひからびた世界が/からみつく非日常/あきらめてしまう事も正しいなら/それが恨めしい だから”、 “必要なものだけを抱いて大人になる訳を/動機が不純だと言って見かねた光景を/まるで僕等迷子のように 何かを探してる/大切なことが何かって考えてる”。M-4はカヴァーなんだけど、作詞がSHINJI TANIMURA、作曲がTAKAO HORIUCHI…って これはひょっとしてアリスですか!?熱さ加減がモガの音とピッタリあってます。

ナートもこれまた95年結成のバンド、99年に1stアルバム『narrow ways』、00年に2nd『the spelling of my solution』をリリース。 わりとメンバーチェンジが激しいようなので現在はどうか分りませんが、この作品リリース時のメンバーはSEIKIさん(Vo/G)、 TAKAHIROさん(Dr)、TSUYOSHIさん(B)、GEORGE(G)、YASUKOさん(Violin)の5人。何か僕がどうこう言うのもはばかられるような 怪物的バンドだと思うんですが、特徴的なのは多用される変拍子と、それに絡みつく迷宮的なギターとベース。すごいアンサンブルっす。 しかも1st以降はそこにYASUKOさんのヴァイオリンが入るようになったんだから、さらにスゲー(しかもなよっちい使い方ではない)。 そしてSEIKIさんのハイトーンなヴォーカルと、極めつけはその歌詞(作詞はSEIKIさん)!自問自答をするような、自戒をしているような、 自己を冷静に分析しているようで、その一方ではしっかり感情が宿っている。ストイックとは微妙に違う気がするんだけど、 この「孤高」を目指すような歌詞、僕は大好きなんです。“Leave the box of thoughts on the side of your bed. To find what we see is everything. The coldness of rainy wind that hits on your cheek is everything.【「思慮の箱」は寝床の脇へ 置いていこう。「見える物が全てだ」と確認する為に。自分の頬にあたる風の冷たさこそ全てだ。】 ”。 “What i need is not a sign!(it's not even reached feeling you can't see.) To feel now you are living is everything.【必要なのは「標識」じゃ無くて、全ては今を生きる実感こそ。】”。 今作ではストリングスの音があまり聴けないのが少し残念ではありますが、日本語詞に挑戦しているM-5はやばすぎです。かっこよすぎです。 他に言えることないです(笑)。


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