MONTHLY RECOMMEND [2003, December] Home

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Artist(s) … GOING UNDERGROUND
Title … ハートビート
Number
01.トワイライト / 02.リバーズエッジ / 03.ハートビート / 04.かいき / 05.さえないブルー
06.月曜日雨のメロディー / 07.虹ヶ丘 / 08.ビターズ / 09.ダイアリー / 10.銀河行き / 11.波

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埼玉県は桶川市出身の(余計な枕詞)5人組、GOING UNDERGROUND(ゴーイング・アンダーグラウンド)。メンバーは松本素生(まつもと・そう:Vo/G)、中澤寛規(なかざわ・ひろき:G/Vo)、石原聡(いしはら・さとし:B)、伊藤洋一(いとう・よういち:Key)、河野丈博(こうの・たけひろ:Dr)。98年にインディーレーベルより初の音源リリース。その後2001年にメジャーデビューし、これまでにインディーで1枚、メジャーで2枚のフル・アルバムをリリース。今作は2003年に発表された3枚目のアルバム。

僕が持っているゴーイングの音源は、メジャー1stアルバム『かよわきエナジー』だけだ。あのアルバムも良いが、このアルバムはもっと良い。Voの松本さんは、「このアルバムからゴーイングを知ってもらっても構わない」と、NHK-FMの「ライブ・ビート」出演時に言っていた。それくらい自分たちも満足している作品ということだろう。新しくも懐かしい不思議なテイスト。思春期を切り取ったようなセンチメンタルな歌詞(何気ない毎日を 小説のヒーローに / かさね合わせて 安心してる / 本当はいつだって かざらない声で / 恋や未来を 話してみたい)。一回聴いたらすぐに後を追えるような人懐っこいメロディ。かといって、よくある「ギターポップ」とか言われる音楽みたいにサラサラしているわけではなくて、あくまで音は骨太だ。だけどどこかあったかい。不思議な味を持っている。しっかり存在感を放ってるキーボードも、その不思議な感覚に関係あるのだろう。

前に、NHKの「みんなのうた」でかかるような楽曲を作りたい、そう言っていたインタビューも読んだことがあったけれど、僕はゴーイングの持っている童謡的なテイストが少し苦手だった。本作ではそれが軽減されている。そこが僕にはまた良かったのかもしれない。1st収録の“グラフィティ”や“センチメント・エクスプレス”のような、ギターに疾走感のある楽曲はなくなったけれど、曲中での凝った演出は相変わらず光っているし、良い意味で楽曲が「軽」くなった気がする。シャープ。また、1stと比べると、松本さんの声が表情豊かになった気がする。もともと真っ直ぐだった歌声が、より真摯になった気もする。曲自体がどんなにはっちゃけててもゴーイングの音源に対するイメージが浮ついたものにならないのは、松本さんの声に依るところが大きいと思う。

ライヴではまた少し違うのだろうけど、この作品には「心が洗われる」、そんな言葉がしっくりくる。表情豊かな11曲は「小粒でもピリリと辛い」。素敵な作品。ちなみに、僕が好きなのは、M-3の“ハートビート”およびM-8“ビターズ”。



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