MONTHLY RECOMMEND [2006, February] Home

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Artist(s) … LOSTAGE
Title … PLAY WITH ISOLATION
Number
01.television city / 02.人間ロボット / 03.inside/outside / 04.routine / 05.tokage / 06.butterfly
07.channel 11 / 08.○か×か / 09.種蒔く人々 / 10.2:50 / 11.下がった体温 / 12.街

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2001年に五味岳久(ごみ・たかひさ:B/Vo)、五味拓人(ごみ・たくと:G)の五味兄弟を中心に、清水雅也(しみず・まさや:G)、岩城智和(いわき・ともかず:Dr)らの4人で結成。これ以前にもテープやデモCDなどのリリースはあるようですが、れっきとしたCDリリースとしては2004年の『P.S. I miss you』が最初。そしてライヴ活動を経て着実に評価を高めながら、満を持して発表されたのが、この1stフルアルバム。2006年リリース。

名前だけはチラチラ聞いていたものの、音をまったく聴いたことがなかった僕。初見はTVのPV番組であった。そこで流れていたのが“television city”。やさぐれたような、切羽詰ったような、ヒリヒリしたサウンドに乗る不思議にクールな歌声。散文的な歌詞(“愛情/使えそう/冗談にきりがない/心臓/止まりそう/成功が気に入らない”)もまた意味不明ながら、僕の心をどこか見ぬ場所に向けて駆り立てた。 そしてCDを聴いたわけであるが、1曲目、まさにその“television city”で久々にぶっ飛んだ。あのバンドのあの曲以来のビリビリ具合だったかもしれない。

ブリブリのベースにぶっとくて鋭いディスト―ションギター、一気に走り出すアップテンポのリズム。この音だけでもヤバイのに、岳久氏のこの歌声はなんだろう・・・熱いくせにクール、あきらめようとしても、なお怒ってしまうとでもいうような、奇妙なヒリヒリ感が宿っている。 焦燥感。それを感じてやまない。続く2曲目もすごいすごい。ゾクゾクした。タイトルからして“人間ロボット”だ。この呆けたような歌い方・声(エフェクトか)と、意味をぶった切るかのごとく妙な区切り方で飛び出す曖昧な歌詞が、どこかグロテスクなイメージを感じさせるが、それはもちろん魅力的なグロテスクさだ。何かをえぐっているグロテスクさ。えぐった先にあるのは喜びか悲しみか。けれど耳をひきつけて止まない。曲の構造はストレートなものもあれば、ためやブレーキを散りばめたクセのあるものもあり、一気に展開するような不思議な構造のものもあり、とにかく聴いていると心にひっかかって仕様がない。以前はもっと音が抽象的だったらしいが、僕にはきっとこちらの方が好ましいと思う。

各所ですでに評価は高まってきておりますが、僕としても要注目のバンドさんです。オーガ・ユー・アスホールなんかに通じる部分もあるんだろうか。ないか。PV観てたときにはNAHT(ナート)を感じる部分もあったりしたんだけど、それもないか(笑)。ちなみにタイトルには「孤独と戯れろ」というような意味があるそうだ(まんまだけど)。あとこのCD、エンハンスド仕様で何かデータが入っているようであるが、わがポンコツPCではウンともスンとも反応せぬ(涙)。



Artist(s) … VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
Title … WAITING FOR MY FOOD
Number
01.principle of machine / 02.a communication refusal desire / 03.concour
04.NAGERI TO KASUPPA / 05.夢判断 / 06.fatal incident(please take my breath away)
07.song of ruin

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ナンバーガールからザゼンボーイズと、ロック界で唯一無二の存在感を放った(ている)バンドのドラマーを勤めたアヒト・イナザワ氏が結成したバンドがついにリリースした初音原(ミニアルバム)。これまでライヴ活動の方が先行していたこともあって、まさにファン待望。2006年リリース。ちなみにメンバーはアヒトさん(Vo/G/録音においては一部Drも)を筆頭に、ベースに有江嘉典(ありえ・よしのり)さん、ギターに青木裕(あおき・ゆたか)さん、ドラムには中畑大樹(なかはた・だいき)さんを迎えている。他にバンドを持っていたりする方が多い(アヒトさん自身もそうだ)が、活動をどうやって分けていくのか、気にしてしまったりする。

で、僕自身もライヴ(ワンマンではないが)を観る機会に何度か恵まれたが、観るたびに何か演奏がどえらいことになっていたので、果たして音源ではどうなるのかと期待と緊張をもって迎えたわけですが、雑誌で言われていたように、予想外に歌がど真ん中にきていて聴きやすいし、正直そこら辺は意外だった。ライヴだと演奏(音)の方に関心が行ってしまいがちで、どちらかというとメロディが添え物的なイメージがあったんですが、このCDだと見事に「歌」を聞くことができる。だからといって、もちろん一筋縄でなくて、特にM-1なんかこのギター2本が絶妙に絡むイントロは・・・たまらなくビビッとくる。ちょっと機械的なイメージがあるのはなんであるけれど、でもやっぱりカッコいい(タイトルも“principle of machine”だし、まあいいか)。

ニューウェーブという言葉がよく使われるし、実際僕もよく分からないながら、ライヴレポートではそういった言葉を使ったが、実際に何回も聴いていると、そういったイメージはやがてどうでもよくなってくる。ライヴではアヒトさんの粘着的なヴォーカルのせいもあるんだろか、それともいろんなギターリフが頭に残ったせいだろうか、「ヘンテコ」な印象が強かったが、上にも書いたように歌が中心にくると、えらく聴きやすいし、リズムは踊れるものが多いので、(確かに好き嫌いは分かれるかもしれないけれど)すごく幅広い人たちに届くと思うし、実際気になる人も多いと思う。

でもまだライヴの方がやっぱり素敵に熱いと思うし、ライヴで演奏されていながらここに入っていない曲たちもあったりして、やっぱりまだ「謎」な部分を残しているというか、なかなか枠にはまらないバンドさんだ。まだまだ変わりそう(?)。ちなみに歌詞カードは付されておらず、バンドのHPにて閲覧可能。ファンとのつながりを求めているってことなのかな。




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