MONTHLY RECOMMEND [2006, March] Home

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Artist(s) … LET GO
Title … LET GO
Number
01.illuminati / 02.spotlights / 03.bombs away / 04.louise / 05.run & hide
06.no drugs, no alcohol / 07.120 B.P.M. / 08.almost, always, maybe / 09.paper-cuts
10.somewhere / 11.resistance is futile / 12.bright eyes, no brains / 13.keep it straight
※13曲目は、日本盤のみのボーナストラック。

Comment
僕も密かに、というわけではないが何気にファンだったTHE STEREO(ザ・ステレオ)。彼らはもともと二人組みで、そのあとバンドになって、メンバーが去って、またバンドになって、けれど今度は解散して、 みたいな紆余曲折があり、結果として3枚のアルバムを残した。僕は勝手にステレオの音をパワフルポップと呼んでいたが(今で云うとエモな感じもありますよね)、2nd、3rdと時を経るにつれて音はどんどんメロウになったように思う。1stが1番好きだったなあー。そのステレオの中心にいつもいたのがJamie Woolford(G/Vo)だった。彼がPOLLENのChris Serafini(B)と元GLORITONE(未聴)のScott Hessel(Dr)らと新たに作ったバンドが、このLET GO。1stアルバム。2006年リリース。ちなみにステレオの元ドラマーはその後アテンションというバンドにて活動。

んーとは云っても音はステレオ時代とほとんど変わってないから、曲作りの中心にいるのはやはりジェイミーなんだろう。ギターポップ、パワーポップ、エモ、なんて呼んでもいいけれど、やっぱり僕はパワフルポップって呼びたくなるな。ロックというにはサウンドやボーカルから立ち上る空気が甘い。いい意味で。だけどゴリッとした部分があるから、パワフルなポップなのである。ライナーにもあるけれど、WEEZERなんかに近しい空気かもしれない。もちっと男臭いけれど(笑)。ステレオ時代と比べてどうかって話だけど、ホントにほとんど変わりがない。触感は2ndに一番近いと思う。シンセやエフェクトなんかも取り入れているんだけど、基本にあるのはバンドサウンドで。突進力やスピード感はやや弱いけれど、メロディの甘さやサウンドのカラリと乾いた感じ、男臭くも気張らないジェイミーのボーカル。ステレオ名義でもまったく問題ないくらい。それは別にいいんだけど。

聴いてて思ったのは、僕はこの人の声がどっか好きなんだろなーってこと。メロディも確かに昔からどれもフックがあって、よくこれだけ一定水準で書き続けてこれたなあって思うのも確かだけど、正直飛び抜けてはいないし、「天才」というレッテルを貼るレベルではない。でも聴いてしまうのは、声が好きだからってとこも大きい気がするな。歌詞はちょっと内省的になったように思うけど、抽象的な部分も多くて、特にビビッとくることはない。だからメロディと声っていう要素がでかいんだと思う。あとアレだ、ジェイミーは音をきっちり作りすぎるなぁ。ステレオの1stにあったゴリゴリ感、未整理感は、プロデューサのJ.ロビンスが持ち込んだのか、当時の相方が持ち込んだ要素なのか、ああいった「焦燥感」じみたものがもう少しあると、僕にはジャストフィットかもしれないな。このゆったり・どっしり感は確かに心地よくもあるんだけれど。M-6のリズム遊びなんかは面白いけれど。この手のサウンドであまりピッチリやるのは僕の好みではない。って自己中心的ですまんです。

ちなみにこのLET GOは、MAE(メイ)やCOPELAND、WAKEING ASHLANDといった、ピアノエモとして日本でも人気を博しているバンドが多数所属するTHE MILITIA GROUPに所属している。 当然LET GOはもう若手バンドではないけれど、培ってきた経験を武器に(ってのも変な表現だが)これからも頑張って欲しいです。応援しますから。このアルバム発売直後に、イベントで来日したそうだが、僕はもちろん行けてません・・・。CDにはエンハンスド仕様で各種データが収録されており、閲覧できますが、例によって例のごとく、それらも僕のポンコツPCでは見れてません・・・。あとこの作品、ジャケットがクマの着ぐるみ(裏)と、その頭部を脱いだ誰かさんの後姿(表)なんだけれど、どんなメッセージを込めているのかな。もう見世物はやめだぜ・・・みたいな? なんてな。




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