MONTHLY RECOMMEND [2008, November] Home

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Artist(s) … SILENT ALLIANCE
Title … THE SPIRITS OF AN AGE TO COME
Number
01. degrees of separation / 02.hollow talk / 03.brighter days / 04.permafrost
05.sundown / 06.detachment / 07.whispers / 08.the edge of town / 09.cities on fire
10.december eyes

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SILENT ALLIANCE(サイレント・アライアンス)は、前身バンドMicaを経て、2006年にイギリスで結成されたバンド。メンバーは、Philip Ybring(フィリップ・イーブリング[Vo/Synths])、Arexandra Brettel(アレクサンドラ・ブレッテル[B])、Lewis Kirkham(ルイス・カークハム[G/Piano])、Tom Kirkham(トム・カークハム[G/Backing Vo])、Giles Taylor(ジャイルス・テイラー[Dr])の5人。ちなみにトムとルイスは兄弟。本作が1stアルバムで、2008年リリース。

キラメキ・ギターポップとでも言えそうな音楽性を持ったバンドって、たまにポコッと表に出てくるなあと、私は勝手に思っているのですが。このサイレント・アライアンスは、ポップと言うよりもロック。その印象は、きっとフィリップが今作について言う、「孤立、不安定な自己愛について根底に歌われていて、ロンドンのような大都会に住む若者のハイ・アンド・ロウな一日を描いている」(解説文より)という言葉から来るのだと思う。音は凄くPOPなのだけど。スミスやニュー・オーダー、デペッシュ・モードなどが引き合いに出されているけれど、私はニュー・オーダーくらいしか聴いていないので、深く言及は出来ないが、瑞々しいギターサウンド、そしてキーボードの旋律が放つ、不思議なほどのキラメキ、ダンスフロアを意識した直線的なビート、どこかに漂う耽美的な空気、これらが先のバンドたちと比較される要因かと思う。

でもそういうバンドさんは、しばしば、表に出てくると思うんだけど、私が彼らサイレント・アライアンスに惹かれたのは、そのPOPさがずば抜けていたから。MySpace“Cities on Fire”を聴いて、一瞬で持っていかれてしまった。アルバムも、全曲シングルカットしてもおかしくないくらいのPOPさを持っていて、キーボードに比重を置いたサウンド作りが、また私の琴線を刺激してやまない。ギターの音も確かに鳴っているのに、聴き終わった後に耳に残るのは、キーボードの旋律。ちょっとバランス変えれば、ガラリと彼らについての印象は変わると思う。この不思議なくらいドPOPな旋律について、フィリップは言う、「ロンドンのバンドの殆どはメロディよりも角の立ったギター・リフやパンキッシュなリズムに重点を置いているよね? メロディは二の次なんだ。そんなサウンドも悪くは思わないけど、サイレント・アライアンスにはメロディは最も重要で、そのメロディを最大限に引き立てるために、シンセやギターのアレンジメントを重ねていくんだ」(同上)と。おお、なんと頼もしい(笑)。きっとフィリップの出身がスウェーデンであることも、彼らの感傷的なメロディ作りに何がしかの影響を与えているのではないかと、私は密かに思っている。ということで、久々に好きになった、UKのバンドさん。キラキラで、トンがってて、踊れる感じで、少しノスタルジックで。M-3,6,8,9あたり、ヤバイですね。ちょっとEditorsを思い出したりしました。




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