2008.05.11‐「NINE SPICES presents **For Music Lovers, But Not For...** in 新宿 NINE SPICES」

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2008.05.11‐「“For Music Lovers, But Not For...” in 新宿 NINE SPICES」 Home

今回、The Hills観戦に赴いたのは、
新宿はNine Spices(ナイン・スパイス)というライヴハウス。
なんでも下北沢ERA(エラ)の姉妹店と言う。
まー僕は行ったことないから、
特に・・・触れることもないんだけど。

新宿は東口、伊勢丹方面、花園神社を越えて、
和平飯店の地下一階なのでありますが。
2007年秋からオープンと言うだけあって、
めちゃめちゃ綺麗でしたね。
トイレなんて、ホテルかいやってくらいにクリーン。
そこは入った瞬間、ライヴハウスってことを忘れますね。
フロアは禁煙らしくて、手前が喫煙スペースなんですが、
そんな喫煙スペースもモクモクしてるわけでもなく、
やっぱりさっぱり、綺麗きれい。
まあその脇の扉を開けて中へ入ると―



―こんな感じで(picture from http://9spices.rinky.info/index.html)
雰囲気映画館みてーな。ほへ。
キャパシティ200人くらいらしいですね。
綺麗な上に、なんか僕の気にしてるバンド“ハイスイノナサ”とか、
ちらほら出演してるみたいで、好印象です。

で、で、で、
今回もまたThe Hillsさんを僕は応援に行った訳ですが、
総勢5組のバンドさんが出演しましたのでご紹介。
おっとちなみに、Nine Spices presentsのこのイベント名は、
“For Music Lovers, But Not For...”
出演したバンドさんは、登場順に、

SHOWERwhere is my mind?
The HillsオトループFrom Blind Starter

うーん、すいませんが、まったく存じませんでした…。
あーThe Hills以外で名前をうかがったことがあったのは、
where is my mind?さんくらいでしたね。
ってか由来はピクシーズですかね。
開演前はステージ前に白い幕というかシャワーカーテンの大判みたいのが、
シャワーっと引かれていて、そこにはRIZE?なのかな、
DVDなのか分からないけれどライヴ映像が流されていた。
薄くってよく見えなかったけれど。
ちなみにドリンクバーのドリンクも薄かったです…。
ビール飲めばよかった。


■■■ SHOWER ■■■

ということで、
トップバッターはSHOWERさん。
僕はまったく未聴。
フォーピースのロックバンド(と言っていいですか)。
なんか近しい雰囲気でいいですね。
服装も雰囲気もカジュアルだし。
って近しいのは狭いからか(笑)。
って会場お客さん少ないよ…。スーカースーカー。
下手に空気も見た目も綺麗だから、
「親しい友達だけ呼んで、これからちょいと
こじんまりした誕生パーチー(パーティ)?」ってな雰囲気。
まあそれは置いておいて、
キャップを被ったヴォーカル/ギターさんは、
見た目若干鋭かったりするのだが、
歌うと、そうでもないんですね(笑)。
コーラスの入れ方とか、何となく、
エモい気もするんですが、曲がそうでもない。
メロがあんまり強くないのね。
ひっかかりがないと言いますか。
でも2曲目の終盤のちょっと偏執的なリフレインは好き。
ああいうスパイスがもっと効くと素敵。
あと声が、そうですね、いわゆる、
僕の中でエモな感じではなかった。
なんかありますよね、
突っ走ってるにしろ、黄昏れてるにしろ、
あのクリアーな感じ。
そういうんじゃなかったのよね。
キンとした金属的な感じ・・・だったと、記憶が言う。
初めはなんてことないロックロックしたバンドさんかと思いきや、
だって何となく、心意気が通じてきていない気がして、
しかし、途中からジワジワとカッコよさ出てきましたね。
緩急織り交ぜて、メリハリあって。
気持ちもお互いに向き合い始めて。

聞けばニット帽を被ったギターの方が、
この日をもって卒業ということで、
急に一言振られて焦ってましたね。

まとまったようなまとまらないような、
「凡てがいい方向に、進んでいくでしょう」
という、きわめて前向きな発言で締め。
そのあとの曲は何ていうか、
蒼い、センチメンタルな歌詞でしたねえ、
でも“別れ”の空気が嫌いでない僕は、
眉を寄せながらも、密かに好きな感じ。

こっから後がよい流れだったかなあ。
でもやっぱり全体に内に向かってしまってる印象あり。
もっと広がれば、きっと素敵。

拍手。


■■■ where is my mind? ■■■

二番手は、ゴールデンルーキー(笑)の、
where is my mind?さんでした。
メンバーはM.Yoshida(G/Vo)、
K “kojika” Toeda(B)、K.Koba(G)、
そしてY.Nakagawa(Dr)の4名。
ベースのToedaくんは小鹿みたいだから、
ミドルネームがkojikaなんだと思う!(適当発言)。
しかし、ミニマムスレンダーでオカッパ頭の
Toedaくんは本当に小鹿みたいなのだ!

僕はNakagawaくんの喋りが好きだなあ。
なんつーか、あ、音楽の話じゃないけど、ごめんなさいね、
若干、こう、DJラオウみたいなね(笑)。
(※DJラオウが分からない人は調べてね)

where is my mind?は、
今回がNine Spices初出演だったようですが、

 「えー先ほど、ここの店長さんとね、
 初めて、お話させてもらったんですけれどもぉ、
 えー、野球が好きだということで、ね、
 僕も野球が、まあぁぁ、ちょっと、
 ちょっとですけどね、好きなもので、
 えー、お話させていただいたんですが、
 まあ、ね、えー、そんなに、
 そんなに…! 盛り上がることもなく…」


って、恰幅の良いNakagawaくんがドラムセットから(笑)。
そして自分らをゴールデンルーキー、ドラフト1位指名と、
野球用語でもって、表現したりする。ンムム。嫌いじゃない。
皮肉めいたメンバー紹介(変な髪形の彼がベースで、
まあ、ヴォーカルは歌ってるから分かりますよね、
で、僕が、ドラムで、えー、あと、一人ね…、まあ、
っしょ〜うもないのが、いましてね、
前髪をもうちょっと切れっていうね…

[ギターのkoba氏は前髪長くて、顔が見えんのだった。
足元にはエフェクターのスイッチがバリバリ置いてあった])もあり。
でもちょっとしゃべりすぎたのか、

 「えー、ちょっとね、
 この次の曲でヴォーカルさんに頑張ってもらわないと、
 あとで清算のときに、大変なことになりますので…」


ヴォーカルのYoshidaくんは「ん?」って顔してましたがね。
あ、っと音楽の話だ。
where is my mind?っていえば、ピクシーズだと思うわけで。
あんな音楽性なのかな、とか思うわけで。
POPでサーフで、剃刀ギターも忍ばせて、
ノスタルジックな甘い歌声かと思ったら、
いや、甘いままぶち切れたりするという、ヘンテコな音楽…、
ではなかったですねえ。
曲の展開は一直線ではなかったですが。
ひねくれた感じもありましたが。
やっぱり声が細いというか、通らないのが。
残念。歌詞を聴きたい感じでした。好きそうな。
多分まあ・・・喪失感と言うか(苦笑)。僕の好きそうな、ね。
その辺を歌っていらっしゃるのだと思います。
で、声、どうしてもギター2本が絡み合って炸裂すると、
声が通ってこないんですよねえ。んー。
Yoshidaくん(彼も前髪長め!)のギタープレイは妙に姿勢良くて、
胸張ってる形であまり見ない感じでした。
カックカック手首が動いてた。

しかし!
“lily”は名曲だと思いますね。
サビの繰り返される「lily」という叫び。
空間を割る哀しみの刃。
んーよかったですねえ。
ちょっと前までaudioleaf内の、
彼らの頁(ココ)で聴けたんですけどね。
今は聴けなくなってるみたいで、残念!

音源よりも自己陶酔的な感じは(良い意味で)薄くて、
心を掴まれた瞬間は確実にありました。
また“lily”が聴きたい!
固定のファンもついているみたいだし、先が気になりもします。
拍手。


■■■ The Hills ■■■

ということで、われらがThe Hills。From 新潟。
ギターの渋谷くんは、JOY DIVISIONのTシャツ着用でしたね。
黒地に白で、デザインされてるヤツ。
というか、Unknown Pleasures。いかす。俺も欲しい。
そしてやっぱあの辺りのデザインはNINに通じる。

ということで登場であるが、
ギター、ヴォーカルの小柳くんは見事黒髪に戻っていた。
うんうん、そっちの方が似合うと思いますよ。
あとベースの梅君(社会人)がポロシャツだったと思うんだけど、
眼鏡をかけておらず、それを見たら、僕の知ってる、
というか、一回りくらい年上の先輩に顔つきが似ててビビッた(笑)。
まあ仕事のできる先輩なのだが、ということは、きっと梅君も(笑)。

ドラムの坂上君は、眼鏡にカーディガンでしたな。
以前見たときよりも落ちついた雰囲気。
でも何となく・・・坂上君には、秘めたパワーを、
感情の強さを感じて仕方がない。
ちょっとしたきっかけで暴発しそうな。
悪い意味じゃなくてですよ。
そんな空気を僕は感じるのですね。

1曲目からまさかの“カッター”
ナイフでなくてカッターというのがいいですね。
走るギターとベースと、その上を舞う
暴発の予感を孕んだ小柳君のヴォーカルが印象的な、
疾走ナンバーなのであるが、そしてこの曲を聴くと、
彼らが「凛として時雨」に影響を受けたという言葉に、
なんとなく(なぜなら僕は凛として時雨のファンでないのだ)納得もできる、
そんな曲なのであるが、
いかんせん、ヴォーカルのパンチが弱いですね。
ご飯食べてないのかな、寝不足なのかな(新潟から来てるから)、
疲れてるのかな、緊張してるのかな(初新宿だから)、
とかとか、色々理由を考えてしまうくらいに、
ちょっと弱かったですよ!
僕はCD音源聴いてるから、そこと重ね合わせてしまって、
だからそういう印象を持ったのかもしれないけれど、
でも、なあ、期待が大きかったのかなあ…。
うーん。
音源だと、僕は、ホント、言うことないのだが。
もったいない。

もう少しで、一皮剥けそうなのに、
ズバッとズルッといきそうなのに、なかなか剥けません。
僕はその日を待っているのだが。
この日も、その感覚はなかった―
“カッター”の最後のシャウトなどは、
グッと体を圧されたのだけれどなあ、

続く“冬ノ風”も僕は大好き。代表曲だと思う。
しかしこれも、本領発揮出来ていない印象は拭えず。
んー。惜しい! 歯がゆい!
何かが足りない。

梅君のベースなんて、凄いアグレッシヴというか、
熱のこもった演奏で、僕は大好きです。
すんげー弾きっぷり。指弾き。
若干高い位置で弾いてるんだけど、カッコよかった。
汗だくでしたね。そしてしんどそうでした。
最後の方は顔しかめてた。
しかーし、バンド全体を見ると、
バンド、というか、個人個人がしっかり演奏している感じでも、
けれども、なんとなく4人がそっぽ向いているような。
でもねえ、高校生からのつながりだし、
なんかケミストリーがないってのもねえ、
それはないとは思いたいけど。

新曲“韋駄天”も疾走系でカッコよかった―
なんとなくイメージがナンバーガールの
“鉄風鋭くなって”と被る―が、
最後のカオティックな部分は、アレ?という間に終わってしまった。
もっと引っ張ってもいいかと思う。

真ん中に演奏された“SNOW GIRL”もきっと新曲だよね。
僕は“一方通行路”、聴きたかったけれど、この日は演奏されず。
むう、残念。
ちなみに、“韋駄天”“一方通行路”は、
彼らのMySpace(ココ)で聞けますによって。
興味ある方は是非。

渋谷君のギターフレーズとか、実によく聴こえてきて。
そりゃあもう、気持ちよかったのだけれど。

The Hillsはそのうち絶対突き抜けると、僕は信じているので。
その瞬間に立ち会えることを望むし、
もし実際そうできたら、すごくゾクゾクするだろう。

会場にいる人たちにビンタかますみたいなライヴをやって欲しい。
是非。

▼ SetList ▼
1.カッター
2.冬ノ風
3.SNOW GIRL(雪女)
4.Sonic Blue 春雨
5.韋駄天
6.Hi-Night

ちなみに前回のレポートはこちら


■■■ オトループ ■■■

メンバーさんは、
コウケツユウスケ(G/Vo)、オオイシカズミ(B)、
オオイシトモヒロ(Dr)、の3名。

ちなみにベースさんとドラムさんは兄弟。
自分らでも言ってましたが、
“けっこういい年”って…(笑)。
若くはないだろうなっていう感じだったので、
活動長いのかと思いきや、オトループ自体は2005年結成!
うわ、まだ3年目?
いや、にしても、なんか、こなれてましたよね。

ステージの前がポッカリ空いているのを見て、
ヴォーカルのコウケツさんは、さわやかに笑顔で、

 「なんか距離を感じますけれども、
 僕らもけっこういい年なんでね、
 気にせずやっていきたいと思いますけども!」


なんつって、それがなんかネガティヴな感じじゃなくてね、
ポジティヴな感じなんですよ、テキストだと伝わらないかもだけど。
まあ楽曲も、POPでまとまりがあって、
ほんとちょっとファンクな感じもあって、
音源ではあまり感じないのだけど、甘い感じもあったりして、
こう、春風みたいな印象でしたね。印象ですけどね(笑)。
演奏も上手いし、グルーヴもきちっと感じられたし、
すでに完成されている気配がありましたね。

なんかさわやかで甘いだけだったら、僕は嫌なんですけど、
けっこうゴリッとした曲もあったと思います。
その辺りが好印象。

ちょうど母の日に絡めたMCも、こじんまりだったけど、
きちんと、オチがついてたし(笑)、
ライヴ同様、きれいにまとめられておりました。
大人な印象ですね。ほんと。
曲がカラオケに入ったと言って、喜んでおられました。
これからも頑張ってください!

拍手。


■■■ From Blind Starter ■■■

メンバーは、臼井裕明(B)、森谷一貴(Key/Cho)、
大貫経介(Dr)、山口晋造(G)、岡本英二(Gt.Vo)の5名。

事前に音を聴いていたはずなのに、
まったく忘れておりまして、失礼いたしました。
そう、音源ではエモなんです。
流行り?かどうか分からないけど、
キラキラシンセやキーボードの入ったエモ。
ちょっと線の細い、ハイトーンなヴォーカルで。
しかし!ライヴは!
なんかエモくなかった!
POPなロックだった。気がする。

ヴォーカルの岡本くん、
一見ドスの効いた声を出しそうな印象なんだけど、
歌いだすと、あら甲高い声だから、
初めはなんかミスマッチな感じでありましたが、
そのうちに、気にならなく、なったわけでもないんだけど、
というか最後まで、特異なヴォーカルだなあと思ってました。
音源にある繊細さではなくて、
甲高さばかり目立ってしまった。
だもんで、エモ、からは遠ざかっていく。
キーボードはとてもいいアクセントになっていて。
僕は好きです。
自然な歌声なのですかね。
ギターを弾きながら、ほんとちょっとだけ、
片足をピンと伸ばしたまま上げてみたり、
そんでもってそのまま歌ったりする。

コーラスもがっつり入ってるしね、
鍵盤の音色もソロでがっつり入ってるし、
音にメリハリあって、カッコいいんだけど、
ブレイクで頭上に拳振り上げたりとか、
そういう、挙動もキマってるんだけど、
なんか不思議な感じでしたね。
突き破るとか突き抜ける感じじゃない。
一定の範囲内で出したり引いたりしている印象。
風船がしぼんだり膨らんだりするみたいな。
飛び出してくるというか、
空気入れすぎて破裂しちゃった!とか、
そんなイメージはなかった。
キラッキラッのギンギンでキンキンな感じした。
よく分かりませんね(笑)。

ヴォーカルの岡本くんのスマイリーなキャラのせいかな、
音源にある内省的なイメージはすごく薄くて、
なんだか楽しい雰囲気でしたよね、ライヴは。
終了後も、即行でフロアに飛んで来て岡本くん、
「CD完売でーす」って、
めっちゃ笑顔で、バナナみたく、体を横にしならせてた。
面白い人だ。

拍手


2008/05/16
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welcome to my world.