2005.06.30‐「BASE BALL BEAR in 下北沢 SHELTER」


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2005.06.30−「BASE BALL BEAR in 下北沢 SHELTER」 Home ◆Set List

なぜにライヴハウスの内装というのは黒が多いのでしょうか。
シェルター内を見回した僕はそう思う。
1番使い勝手がよろしいのだろうか。

ここがかの「シェルター」かと、
田舎者な僕はしげしげと内部を見つめたわけですが、
ステージ横にあるトイレの扉が
驚くほど分厚くて重いというのが、
妙に印象に残っています。

シェルターは地下1階。
ローソン横のビル、階段を下って扉をくぐれば、
すぐにドリンクのカウンターがあって、
その正面が、ライヴ空間となる。
決してネガティヴな意味でなく、狭い。小さい。
いやそんなに小さくないか(笑)。
でもステージとフロアの間には柵があって、
きちんと「境界」は設けられている。

ステージには、真ん中と、
僕らから見てその左側に、マイクスタンドが2本、
中央後方にドラムセット、
その後ろの壁に、「SHELTER」のロゴ電灯。

お客さんは…女の子が多いかと思いきや、
そうでもなかったかな?
でも制服組もいたりして、
ファンには、バンド同様若い子たちもいるんだな
ってことが分ります。
しかし後から半分正装したみたいな
年配の方がチラホラ入場してきましたが、
あの方々はどういう立場なのでしょう。
妙に気になってしまいました。

なんか入場してからあっという間に
開演の7時になったのだけれど、
なかなかメンバーが現われない。
初ワンマンだから、
改めて気合でも入れなおしてるんだろうか、
ステージに繋がる扉を凝視しながら、
僕はそう考えていた。
今にもあそこが開くはずだ。

7時を10分ほど回った頃、
客電が消え、歓声を割って入場曲が流れる。
どっかで聴いたことある声なんだけれどねえ、
またしても分らないこの曲。
超名曲だったら、知らないの恥ずかしいなあ…。

たっぷり入場曲を聴かせたあとに、
ギターの湯浅くんがトップで登場、
あいかわらず頭上で拍手を促す仕草。
長い髪を今日は後ろで束ねて団子状に結んでいる。
と、フロア前方から、

「将平ぇっ!将平っ!イヨーッ、ヒューッ!」

って、男性数人のでかいコールが。
お友達ですかー(たぶんそうだよね;笑)。
湯浅くんはまあ応えてなかったけど
(応えたら学芸会ノリになるもんね、マズイよね、さすが:笑)

そんな中メンバー全員が登場。

中央マイク前に立つのはギター/ヴォーカルの小出くん、
その横のマイク前には、ベース/コーラスの関根ちゃん、
ドラムセットには当然ドラムの堀之内くんが座る。
で、小出くんの右側にはギターの湯浅くん…。
小出くんはちょっと髪切ったね?多分。
ほいでなんか湿気のせいか、ちょっとのっぺりしてた(笑)。
この日はポロシャツじゃなくて、
紺っぽいTシャツに茶色っぽいパンツ着用、
でもからかうわけじゃなくて、
小出くんポロが似合いますよ。
ポロで鎖骨みせるような感じがね、
なんかかっこいいと思うな。
関根ちゃんは今回は靴履いてたなー、
前はなんで脱いでたのだろう。
金魚が描かれたシックなTシャツ着てましたねー。
夏っぽい。
前回観たときよりなんか全然可愛かったですよ
(別に前が変だったというわけではないぞ)。
ドラムの堀之内くんは…
角度的によく見えなかったー(残念)。

初っ端、メンバーは中央で顔を突き合わせて、
相談でもするみたいに何か話をしている。
湯浅くんが軽く顔をしかめるのが見えた。
何を話しているのかな。
と、小出くんが前を向いて、
破裂音でも発音するように勢いよく、

「…(溜めて)ベースボールベアーですッ」(そして口を結ぶ)

と、その直後、
小出、関根、湯浅のメンバー3人一気に身をかがめて、
オレンジの光の中で、楽器の音を爆発させる。
ものすごい音圧。軽く押される。そしてカッコいい。
まるでワープでもするみたいな
ギャガューーーーーーーーーーーーゥン
という音のカオスをぬって、
堀之内くんのドラムが入ってくる――
ドン、ドン、ドン、ドン…というバスドラム。
これは…とか思ってるうちに、
ギターが演奏を始め、
“極彩色イマジネイション”が。
おーおーかっこいいね。
そして音がかなり分厚い。
音源とは比較ならないこのビリビリ具合。

小出くんの声もまたやはり
テンションが音源とはまるで違う。
どうしても音源では
どこか抑えた印象がある歌声であるが、
ライヴではなんというかもう全身で歌っている感じ。
小出くんのでかい声量と、
どこか艶やかさをほんのり残した歌い方、
広がる鼻腔と、声を上げるたびにつりあがる口端が、
会場の熱気を上げる。
そしてサビで入る関根ちゃんのコーラスが、
空間をさりげなくスッと広げていく。よい。
もうこの瞬間、ライヴバンドだなあって思った。
前に見たときより全然素晴らしいですね。
全体的な印象が前はシャープな感じだったのに、
今回はものすごく肉厚で、
けれどしなやかな部分も多少残しつつ、
ダイナミックさがあって、
バンドとしてすごくカッコいいです。

前にも書いたんだけど、
彼らの曲のリズムは踊れるものが多いので
(特に『ハイカラタイムス』には)、
お客さんはもう1曲目から身体がかなり動いてましたよね。
2曲目は多分“空飛願望”
これまた踊れ踊れや、な曲。
湯浅くんはもう早くも髪が乱れてます、
ほつれてきてます(笑)。
ギターを刀に見立てれば、
彼の姿はどこか浪人にも重なる。
パッと見るとほんとおとなしそうなんだけど、
ギタープレイ中はすごいアクションしますよね彼。
弾いてるのか弾いてないのか分らないぐらい動きまくって、
顔は上気して、恍惚と陶酔のまなざし、
そして少しの疲労を見せながらも、
完全に入り込んでますよね。心と身体が。かっこいいなあ。
(中盤では、「しばし湯浅将平のダンスを
お楽しみください」
と小出くんにふられ、
堀之内くんのドラムに合わせて踊らされてました。
途中、「もう限界だべ」的な目で
小出くんを見るもんだから、思わず笑ってしまった:笑)

3曲目はたぶん、
スローなイントロから入りこんだ“向日葵の12月”
このへんから気づいたんだけど、
堀之内くんのドラムはすごく手数が多いように思う。
音源だと割とスネアの音が後ろにひっこんで
小出くんの声が前に出てるんだけど、
ライヴだとすんごいドラム聴こえるから、手数がよく分る。
重くはないんだけど、スピーディで小気味のよいドラムは、
まるでビー玉の乱れ撃ちのように(パチンコ玉ではない)、
僕の鼓膜を襲来し、しまいには頭をジンジンしびれさす
(特にこの“向日葵の12月”では、
後半ドカドカドラムがあるので余計にしびれた)

熱いなあ、演奏、というかライヴが熱い。

で、このあと、再び、

「ベースボールベアーですッ」

に続いて、

「えー今日は、ようこそおいでくださいました、
このハイカラ・サマー・タイムスへ」


と小出くん丁重に客をもてなす。相変わらず遠くを見ている。
しかし歯切れのよいしゃべりしますね、彼は。
落ち着いた声のバシッバシッとしたしゃべりが気持ちよい。

「えー、このジメジメした天気の中をネ、
我々は、こうやってジメジメした演奏をしてるわけですけども――」


「って駄目じゃないそれじゃ!」と堀之内くん(?)のツッコミ。

しかしかまわず小出くんは、

「今日帰る頃には、みなさんの着ているTシャツが…
(溜めて)……生乾きになってるんでねっ、気をつけてください。
(溜めて)……臭くなってくるんでねっ」

と、客席の笑いと、しばし間があって、
何かまだ言うのかと思ったら、

「じゃ、次の曲、いくよっ」

チラと後ろを見て、

「もうやるからっ俺は」

ってそんな宣言せんでも。なぜにそんな言い切り型(笑)。
そしてコノ後は、
僕の好きな“サテライト・タウンにて”
それから僕の知らない曲を立て続けに披露。
そう、僕は彼らの作品を熟知していないので、
知らない曲がまだまだあるんですね。
「夕方ジェネレーション」や、
「YUME is VISION」、
それからBACON(ベーコン)とのスプリット盤「B Beginning!!」、
これらを含め、
『ハイカラタイムス』以外の収録曲は、
まったく知らないのである。
ムウ、悔しい。
そして知らない曲の歌詞はやはり聴き取れないのである…。
つうことは、既知か未知かは、
歌詞の聞き取りに影響を及ぼすわけですね。そんなことに気づいた。
中盤に、

「ヨコヤマ・ユキに捧げますッ」

という言葉に続いて演奏された“YUME is VISION”
初めてしっかり聴いたんですが、もっとモアモアしたイメージを
持ってたんですが、全然違いました。
しかし「しっあわっせ〜、だったかっな〜♪」ってメロディは
少し弱くないですか。シングル曲だし、
きっとファンに人気ある曲だとは思うのだけれど、
んー、僕にはイマイチだったなあ。
後半の「ユメ、すなわちヴィジョンで!!」って繰り返しの方が
耳に残ってしまったな。
ちなみにヨコヤマ・ユキさんとは、「YUME is VISION」の
ジャケットにも映っているモデルさん。バンドのファンだそうな。

もう曲順は頭の中でめちゃめちゃになってしまって
まったく覚えてないんですが(すいませんね:笑)、
あと演奏された曲で分るものは、
“海になりたい”“aimai memories”“彼氏彼女の関係”
“SUNSET-KI・RE・I”“夕方ジェネレーション”“SAYONARA-NOSTALGIA”
“HIGH COLOR TIMES”、新曲の“エレクトリック・サマー”かな。

あとは、覚えていることを、書こう――、

「ここで報告があります」

と真面目な顔で言い出した小出くん。
お、なんだなんだ、と思ったら……

「ドラムの堀之内のTシャツが、臭くなってきてます!」

「えぇそんなに!そこまで!?」

ってノリのよい堀之内氏。いいねえ。

「ってホラ客ドン引きだし」

という堀之内くんに対し、

「くさいよ、くさいから」

って小出くん、後ろを向いて言い放つ(笑)。

その後、

「そうこうしてるうちに……」

と小出くん。

「ベースの関根史織さんが出演している映画、
『リンダリンダリンダ』の公開が、
約1ヶ月後に迫ってきました!」


拍手。

「ほんと、僕と出会ってから6年くらいですか。
関根さんもね、立派になってしまって…、
これで、僕に、少しくらいお金をくれてもね、
いいんじゃないかと――」


「って結局金かいっ!」(ツッコミ担当堀之内)。

「いやあしかし……関根さんホント可愛いよっ」

って急に小出くん。なんだこの流れ。

「ホント、可愛いですよ…可愛い、うん」

お客さんもう笑うしかない。
小出くんも言い出したものの、
収集つかないのか、半笑い(笑)。

「そんな関根さんは、映画の中で、
ノゾミちゃんて名前で出演してるんですけども、
みんなぁ――」


とフロアに顔を上げる。

「ノゾミちゃんて呼んであげてください」

と関根ちゃんに手を向けて、

「せぇーのぉ――」

「ノゾミちゃあ〜〜ん」(from お客さん)

って、オワアなんだこのノリは(笑)。
ためらいがちだけど、あたたかい呼び声が(笑)。
あ、僕は言えなかったけどね。

そしたら関根ちゃん、
困ったようにはにかみながら、
片手をまっすぐ上にあげて応えてくれました。

「あっ何にも言わないんだ」

って堀之内くん。コクリとうなずく関根ちゃん。

「ハーイとかもなし?」

ってまた堀之内くん。
今度は「だめ?」って感じで、
小出くんを見て、またうなずく関根ちゃん。
いいねー。変な空気(笑)。

「まあそんな、ね
映画の中にも社会というものがあるようで(?)」


と小出くん。

「関根さんもちゃんとオーディションとか受けて(?)、
バンドとしてAXで演奏もするみたいなんで、
みなさん観にいってあげてください」


そして、

「僕はそんな『リンダリンダリンダ』みたいな
世界観の映画を『夕方っぽい』って言ってるんですけども、
そんな、夕方っぽい曲を演奏したいと思います」


に続いて、”SUNSET-KI・RE・I”(多分)。
前半の情景描写がすごく綺麗で、よい曲だと思います。
コノ日知った曲の中では1番好きかなあ。

そして本編ラストでは小出くん、
チューニング終えた後、立ち上がって、

「なんか2曲くらい前から
手がプルップルッしちゃってね
チューニング、一応メーター見ながらやってるんだけど、
もうなんかメーターが全っ然頭に入ってこなくて(笑)」


おーい大丈夫かな(笑)。
さすが初ワンマン。気合みなぎりすぎたか。
どうも数曲前から、
曲中に手首をクリックリッって返したり、
変な動きしてるなあって思ってたんだけど、
もしかして客を煽ってるのかと思ってたんだけど、
きっとそれは勘違いだったんだな、
手の揺れを治めたかったんだろう。
このあと、

「えー本日のこのリサイタルも、
いよいよ、クライマックスに近づいてきております……」


のあと、小出くん、言葉を切って、

「サッ」

って何(笑)。「サッ」って?

「な、なあに今の『サッ』って?俺マイク入ってなかったけどさ(笑)」

と堀之内くん。

小出くんは右腕を目の前に突き出して眺めながら、

「なんか、このオレの腕の汗のてかりが、
サバのバッテラみたいだ…」


「あーサバのバッテラの『サ』だったの!?なるほどね」

って堀之内くん。

「うまい、うまいねえ」

と言ったあと小出くん、後ろを向いて、

「アレ?ホリッコ(?)、ドラムスティックのチューニングは?」

ってなんてフリをするんだ!(笑)。

「え?えぇ?いや――」

ってとまどう堀之内くん、頑張れ!

「ブゥォーーーン(←って口で言う。チューニングのつもり?:笑)

ってノッておきながら、でも恥ずかしくなって、

「や、チューニングなんてないからさぁ!」

ってノリツッコミ。フロア失笑。

「え、さっき打ち合わせしたじゃんさ」(小出)

「いや、やぁ、してないっしょ。打ち合わせ――」(堀之内)

「したでしょ?」(小出)

「え、え、あ、したっけ?」(堀之内)

「面白いのにな…。でしょ?」(小出)

とこのあと小出くん前を向いて、

「ギター、湯浅将平っ」

の言葉に続いて、ドラムとギターが走り出す。
そして、待ってました、“彼氏彼女の関係”
この曲、もちろん僕も大好きだし、
人気のある曲だと思うけれど、
でも「いい曲」だからかな、
みんな「聴いて」いる感じだった。
あまり身体を大きく動かさず、
じっと聴く、そんな感じ。
当たり前だけど、曲によって
ちゃんと受け取られ方違うんだなあって、そう思った。
あとね、この曲に限ったことじゃないんだけれど、
堀之内くん、スマイルしすぎ(笑)。
すんごい楽しそうに、ドラム叩きますよね。
特にメンバーが自分の方向いているときは、
身をかがめて、眼鏡の奥で目をクイッと開いて、
相手を見つめながら、そして噛みしめた白い歯を見せながら、
「お、お、どうくるんだいお前さんは?」
的なものすごい、見てるこっちも笑いたくなるようなスマイルで、
ドラム叩くんですよ。すんごい楽しそうで、印象的だった。

多分本編ラストは“夕方ジェネレーション”かな?
(※すいませんラストは“BOY MEETS GIRL”でした)。

「すべての夕方ジェネレーションと、
このステージに立っている僕の友人3人に、捧げます」


という小出くんの言葉に続く、
「夕方ジェネレッショーン(?)」のカウント。
この曲、初めて聴いたんですが、
「夕方ジェネレーション」が
「YOU GOTTA ジェネレーション」に聴こえた。
ファンキーなリズムをもった曲だと、
小出くんは合間合間に「ハッ」とか「ホッ」「ア゛ーッ」って
掛け声を発するのだけれど、この辺が、
僕の中では向井秀徳さんとかぶる。
いや、そんなことやる人は、そりゃ沢山いるのだろうけれどね、
でも小出くんがやると、どうしても向井さんを重ねてしまう。

そう、アンコールの部分はやはり書いておきたい。
一度はメンバー全員引っ込むわけだが、
お客さんのアンコールに応えて出てきたのは、
「愛・地球博」のマスコット、モリゾーくんのキャップを被った
湯浅くんであった。フロアから飛び出す「モリゾー!」の声(笑)。
湯浅くんは両手を上げて、顔の左右でヒラヒラと手の平を振りながら、
気の抜けた声で「わぁああぁあぁ」と言いながら登場。
中央のマイク前に立ったと思ったら、急にしゃがみこんで、

「ジャンガジャンガジャンガジャンガ――」

言いながら、手を広げて立ち上がる。
オオ。アンガールズ(笑)。フロアも沸く。
次は、身体をマイクに対して斜めにして

「湯浅です」

とピン芸人ヒロシ調の訛りで話し出す。フフッ。

「もうやる曲がなかとです!」

フロアからは残念な声よりも笑いが出る。
と、湯浅くんは即、

「ウソです」

と訂正(笑)。湯浅くんの顔つきやキャラはボケ向きだね。
たとえツッコミしたとしても、ボケの空気が漂うきっと。
続けて、

「今日は、みなさんライヴに来て頂いて……
あーざぁっす。あーざぁっす」


とマイクの左右にお辞儀をする湯浅くん。
アンタッチャブルだ。
というか「あーざぁっす」で真似をされる
アンタッチャブルって……どうなの(笑)。
M-1で優勝だってしてるのに、
「あーざぁっす」がアンマリ浸透するのもねえ(笑)。

「えーでは、続いて、
バンドのメンバー紹介になります」


おーいいねえ。お客さんも拍手。
と思ったら、湯浅くん、いきなり刀を構えるようにして、

「残念っ!」

と、ひと振り(笑)。もう強引にねじこんだね、ギター侍。
なんで残念か、意味わからないもの(笑)。
僕も吹きだしてしまった。
めげずに湯浅くんは、

「えーじゃあメンバー紹介なんで、
メンバー、ご登場ください」


って袖に手を伸ばすけど…、
君も立派なメンバーじゃないか!
担当パートと名前をコールされて、
関根ちゃん、堀之内くん、小出くんの順に登場。
ちなみに堀之内くんは
プロレスラー武藤のポーズ決めてました。
プロレス好きだねー。
分らない人は、プロレス見るか、
芸人・神無月さんのモノマネを見るか、
最近だったらマジャコングのネタを見ましょう。
関根ちゃんは笑顔で挙手登場。

モリゾーキャップを脱いだ湯浅くんに向いた小出くん、

「そして、若手芸人のみなさんです」

って、オーイ、湯浅くんをずいぶんな扱いだね(笑)。
で、マイク前の小出くん、フロアをスッと見て、

「みんな、生乾いてる?」

って相変わらず言う(笑)。

「まあ引っぱりすぎだっていうね…
でも実際ね、オレのこのTシャツとか、
もう持って帰りたくないくらいに、
臭いんだよ――」


と袖口を鼻に押し付けて匂い確認。

「いやオレのは臭くないんだけど」

という小出くんの言葉を受けて、堀之内くん、

「オレは着替えたからねぇ」

って自信の言葉(笑)。
もう臭くないとでも言いたいのか(笑)。
ナヌって感じで後ろを振り返る小出くん。
堀之内くんが小さく「脱いじゃおうかな」って
言った言葉を聞き逃さず、
じっと彼を見たまま、

「いや、脱ぐなら、脱げば」

って促す。
逡巡する堀之内くん。

「脱ぐなら脱げって」

って小出くんの駄目押しがぁ。
もう脱ぐしかなあい、
ということで堀之内氏、

「わかったよ!脱ぐよ!脱げばいいんしょ?」

って決意。歓声があがる。
……しかし、脱いだ彼の身体を見て、
フロアから、

「白〜いぃ!!」

の悲鳴に近い声が(笑)
途端にね、どっからともなく

「白いっ!白いっ!白いっ!白いっ!」

って「白い」コールが!(笑)。
何よ、意味わかんないって、「白い」コール(笑)。
小出くんも下を向いて歯を見せて笑っていた。
たまりかねた堀之内くんは、立ち上がると、
スティックで×マークを作って、
口の前に立てる。「恥ずかしいから」って。
小出くんはしばらく堀之内くんをじっと見て、
たっぷり恥ずかしい思いをさせた後、
追い討ちをかけて、

「遠くからだと分らないけどね、
よく見ると乳輪のまわりに、
細かい毛がビッッシリ、生えてるから!」


言うねえ。小さい声で、
「もぅ車輪みたいだから」って付け足す。

そのあと、

「えーアンコール、ありがとうございます」

とようやく進行し始めた小出くん。

「あとは、これからの季節にピッタリの新曲と、
それからラストのテーマソングを演奏して、
本日のライヴは終了になりますっ。
ありがとうございました」


そして曲紹介の後、“エレクトリック・サマー”へ。
ベースボール・ベアーの曲って
ファンキーなテイストを持った、
間やタメが巧みに組み込まれた曲と、
ストレートなPOPナンバーに分かれると思うんだけど、
そして僕は後者の方が好きなんだけど、
この曲は前者の方だったなあ。
ライヴでは確かに「かっこいい」んだけど、
僕はやはりメロがいい曲が好きなのかなー。んー。
これからの曲が全部この方向だとは思わないけどね、
僕は積極的にストレートなナンバーを期待します!

このあと小出くんは、ギターをテロテロ弾きながら
話し出す。その光景にやはり向井秀徳氏を重ねる僕。
楽曲だけじゃなくて、ライヴにまで
似通った箇所が現れるということは、
かなり好きだね、小出くん、ナンバーガール(ザゼンボーイズもかな)。

「えーみなさん、新曲はいかがだったでしょうか」

と、ギターをタラララタラララ♪と弾きながら小出くん。
下を向いて微笑みながら、感慨深そうに、

「いやあ、今日は、楽しかったぁ」

顔を上げると、

「僕らはまた、みなさんに、会えるでしょうか」

間。ギターは相変わらず続く。

「ここにいる、1人ひとり、全員に、また、会えるでしょうか」

んー会いたいね、僕は、また会いたいと思ってるな。
でも全員には会えるかな。どうかな。
と、小出くん、

「しかし、少なからず、みなさんは、また、僕らに会いますよ」

と、ギターを弾く手をとめる、

「今夜、『夢街』で、逢いましょう」

オオ!やばいね。しびれた(笑)。
まさかこの流れでくるとは思わなかった。
毎回この流れだったら嫌だけど(ワガママ)。
そう、ここまでで、
まだ僕の好きな“HIGH COLOR TIMES”
演奏されていなかったのだ。
「夢街で逢いましょう」というのは、
“HIGH COLOR TIMES”内のフレーズ。
全楽器の音がバーンと鳴る、
どっしりした高らかなイントロに続いて、
小出くんの伸びやかな声が歌いだす――

「昨日、俺が遅刻したのは
夢から出られなかったから――
都鳥の手綱を掴み遊覧したのが夢街だった――」


うーん「いい歌」だ。大好きですやはり。
この曲は僕の中でだんとつハイライト。
もっと聴いていたかったのだけれど、
あっという間に終わってしまった。
楽器を高く掲げてアウトロを鳴らしながら、
バックからライト浴びて黒い影になった小出くんが、

「ベースボールベアーでした!
ありがとうございました!」


と言って終幕。
ちなみに堀之内くんは、またしても武藤ポーズで退場。

※※※ ※※※ ※※※

んー僕はすごい良いライヴだったと思います。
前に持った印象よりも全然◎でした。
結成以来ずっと同じメンバーで
やってるせいなのか分らないけれど、
演奏に確かなグルーヴがあります。
ガチッとはまる感じ。
だからお客さんもすごい動くし
まー動かないにしても、すごく気持ちいいです音が。
MCや曲間に小ネタを挟めるのも、
付き合いの長さのなせる業だと思う。
あんまやりすぎるとまずいと思うけれど…。
ライヴだものね、メインは。
でも演奏がかっこいいからなあ、だから
笑かしてやろう的なやり取りがあまり好きではない僕も、
なぜか許してしまう。
今気づいたんだけど、
小出くん(特にMC中)の持っている空気はアレですね、
何か面白いことやってやろうって思ってる人が
持っている空気。
常に脳内の回路を働かせている感じ。
だから打ち合わせとかしないでも、
彼は即興的に思いつきで、
面白いことをやったり、言えたりできる人なのかもしれない、
なんて思う。演奏も含めてね。
あと聴いてて思ったんだけど、
前の曲よりも、最近の曲の方が全然POPということです。
たぶん僕が『ハイカラタイムス』だけ
聴いているせいじゃないと思うんだけどなー。
どうだろう。
きっと、もっともっとやりたいこともあるだろうし、
やれることもこれから増えていくだろうけれど
(キーボードとか入れたら…
どうなるかなあって個人的に思ったんだけれど、
面白いかもしれないけれど、なんか軟派な感じになるかな:笑)、
このPOPさは失って欲しくないなーと思います。

そしてバンドはもっと大きくなるでしょう、きっと。
この夏あたりで一気に、
今まで以上に知名度をあげそうな気がする。
それを応援したいって思わせるような、
そんな素晴らしいライヴでした。◎。

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- SET LIST -
01.極彩色イマジネイション
02.空飛願望
03.向日葵の12月
04.メタモルフォーゼ真っ最中
05.サテライト・タウンにて
06.YUME is VISION
07.つよがり少女
08.君のスピード感
09.SAYONARA-NOSTALGIA
10.SUNSET-KI・RE・I
11.海になりたい
12.aimai memories
13.夕方ジェネレーション
14.彼氏彼女の関係
15.BOY MEETS GIRL
アンコール1.Electric summer(新曲)
アンコール2.HIGH COLOR TIMES
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2005/07/03(最終修正日:2005/10/28)
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