DAVID MEAD Home Music Official HP




□Title … MINE AND YOURS
□Number …
01.flamin' angel / 02.mine and yours / 03.comfort / 04.echoes of a heart
05.standing here in front of me / 06.no one left to blame / 07.girl on the roof
08.elodie / 09.what's on your mind / 10.what i want to do / 11.venus again
12.figure of eight / 13.only in the movies / 14.slow night / 15.didn't i warm you
※14、15曲目は、日本盤のみに収録。

□Comment …
1973年、アメリカはニューヨーク州生まれのシンガー・ソングライター、David Mead(デヴィッド・ミード)の2ndアルバム。2001年発表。

1stアルバム『The Luxury of Time』(日本盤は未発売)では生き生きしたパワーポップテイストの曲が多かったようですが、こちらはしっとり落ち着いた感じです。僕には、ロックファンにもてはやされるシンガー・ソングライターというと、何か「ポップおたく」とか「宅録大好き!」って偏見がありまして、それらのアーティストがあまり好きではなかったりするんですね。とくに「捻れ系」というか、その手の音は苦手だったりするわけです。しかし、このデヴィッドはまったく違うのです(って、まあデヴィッドがロックファンに好まれるアーティストかどうか分りませんが)。奇抜なことをやってるとか、そういうわけではなく、良質の楽曲、つまり、いつの時代でも通用するような、普遍的なメロディを持ったポップなナンバーが、単純に「あ、いい歌だなあ」って僕に思わせてくれるのです。このアルバムは、革新的な音を求めているとつい忘れがちな、「歌」を聞かせてくれるんですねー。

ほんわりとした空気感も特徴的で、音の鳴り方(空間的な処理)にも気が使われています。さりげなく漂う丁寧さ。また、彼の声。かなりいいですね。甘くて、透明で、何かメープルシロップみたいな感じですよ(違うか;笑)。歌も上手いし。ふいに繰り出されるファルセットが必殺技。風に舞う落ち葉のようにクルッと裏返る声には、心と耳が奪われます。

僕は全曲好きなんですが、中でも好きなのは、M-13の“オンリー・イン・ザ・ムーヴィーズ”。冒頭でゆったりしたピアノの伴奏に乗って聴こえてくるデヴィッドの声を聴いただけで、もう胸が締め付けられます。恋人との別れを歌ったと思しき歌詞がまた切ない――“荷物をまとめて、動揺しないで/出ていった方がいい、そのうち忘れてしまうさ/夢だったのか、もしかしたら破滅だろうか/自分をつねって、想像力を働かせてごらん /誤解されたあげく、幕切れに戸惑うかもしれないが/筋が通るのは映画の中だけだから/くだらない筋書きに身を任せ、疑念を捨ててしまえばいい/うまくいくのは映画の中だけだから”。 また、中盤に軽やかなM-7のような楽曲で盛り上げておいて、終盤に向かうにつれて、だんだん落ち着いてくる楽曲の配置具合も◎。ボーナストラックとして収録された2曲も、アルバムの流れを損なうものにはなっていない。むしろ落ち着いたエンディングを与えてくれていて、僕は好ましく思う。地味といえば地味だけれど、名盤だと思います。ちなみにプロデューサーは、ファウンテンズ・オブ・ウェインのアダム・シュレンジャー。



□Title … INDIANA
□Number …
01.nashville / 02.you might see him / 03.indiana / 04.beauty / 05.only a girl / 06.oneplusone
07.becket of girls / 08.new mexico / 09.ordinary life / 10.human nature / 11.queensboro bridge
12.chutes & ladders
※12曲目は、日本盤のみに収録。

□Comment …
前作から3年ぶり、2004年リリースの3rdアルバム(日本盤はCCCD)。今作の制作に当って彼は、3年間住んだニューヨークから、 青年期をすごしたナッシュヴィルへと拠点を移したとのことだ。また、前作の後にはロン・セクスミスやジョン・メイヤー、そしてファウンテイズ・オブ・ウェインなどと共にツアーを行ったそうで、確実に彼を支持する輪は広がっているよう。

なにしろ前作が素晴らしかったもので、僕も今作を待っていた人間の1人なわけですが、今作は随所で言われているようにアコースティックテイストの強いアルバムなんです。シンガー・ソングライターの出したアコースティック・アルバムってきっと沢山あるのだろうけど、デヴィッドのように、これまでパワーポップもしくはギターポップとでも呼べる楽曲を提供していたアーティストってことになると、僕の頭にはアズッテク・カメラのロディ・フレイムのソロ第2作『サーフ』が浮かびます(あちらはモロにアコースティックですが)。やっぱりこういうアルバムを一度は作ってみたくなるんでしょうか。

なぜ『サーフ』を引き合いに出したかというと、同じような印象を持ってしまったからなんですねー。メロディは確かに綺麗だし、デヴィッドの声も相変わらず(少し変わったような気もするが、これは年を経たからかな。CCCDのせいではないだろう)。だけど何かが違う。カラフル度が低いというか。アコースティックなアレンジで統一されているせいなのだろうか、パッと聴いたときに全曲が一様に感じられてしまった。聴き込んでいくとようやく各曲が立ってくる。解説にも書かれているように、今作ではカントリー的な要素も顔を出すが、僕はどちらかというとカントリーミュージックは苦手なわけで…。そのへんの要素もまた僕にクビをひねらせているのかもしれない。よい曲は良い(当たり前。M-3,4,10などだ)んだが、トータルで見た場合に、 僕の中ではどうしても、前作の素晴らしさには及ばないのだ。次作はぜひカラフルポップで!



Title … WHEREVER YOU ARE
Number
01.wherever you are / 02.hold on / 03.only a dream
04.astronaut / 05.make it right / 06.how much

Comment
『インディアナ』の後に発表されたミニアルバム。2005年リリース。しかし、もともとはこの作品、というかこの作品に収められた歌たちは、『インディアナ』の前に録音されていたアルバムに、収められる予定だったよう。ところがそのアルバムの発売は、リリース元のレコード会社が他社に合併・吸収される中で、かなわぬものになってしまった。そんなゴタゴタの後に作られたのが、上の『インディアナ』だったようです。そして後に、そのお蔵入りした曲たちを見つけて、いくつかに新たな息吹を吹き込んだ上で(=録り直して)、発表されたのが、本作…だと思う。間違ってたらごめんなさい。

『マイン・アンド・ユアーズ』の後に予定されていたというだけあって、『インディアナ』にあったようなどこか枯れた雰囲気はない。さりとて、パワーポップというほどに活き活きもしていない。悪い意味じゃなくてね、非常に控え目なポップスに仕上がっていると思う。M-1のオープニングから、あのファルセットが迎えてくれる。ああ、ホッとする。なんて綺麗な声なんだろう。洋楽ってやっぱり歌詞がなかなかダイレクトに分からないから、まずはメロディとか、音とか、声とかで入る部分が大きいと思うんだけど、この人は「声」の要因がデカイやね。もちろんメロディも良いけれど。暖かいんだけれど、どこかにこう切なさがあってね、日本でも絶対好かれるはず。これも日本盤出せばいいのになあ(ついでに1stもね)。ちゃんと宣伝すれば絶対売れると思う…ってそこまではメジャー級じゃないか。

本作は歌詞が分からないので、そこについてはなんとも言えないけれど、この素敵な声と、珠玉のメロディがあれば、それだけで満足してしまう。加えて、2ndにも通じる、柔らかい空間的処理がなんともにくい。料理に使われるミリンさながらに、曲にまろやかさ、丸みを与えてくれている。デヴィッドの声が青空に吸い込まれていくような、そんなイメージがよぎる瞬間もある(特にM-4ね)。その青空がどこか澄んだものに思えたから、本作、リリースされたのは春だけれど、秋〜冬にかけても、きっと似合う音だと思う。6曲しか入っていないけれど、いや逆にその少なさがちょうどよいのかもしれない、繰り返し聴きたくなる良盤です。22, 3分。



Title … TANGERINE
Number
01.tangerine / 02.hard to remember / 03.the trouble with henry / 04.chatterbox
05.reminded #1 / 06.hunting season / 07.fighting for your life / 08.sugar on the knees
09.hallelujah, i was wrong / 10.suddenly, a summer night / 11.making it up again
12.choosing teams

Comment
2006年にリリースされた4thアルバム(だよね)。本作発表に至る経緯は・・・オフィシャルHPを 参照してください。英語だからね! いまいちわかんねーんだ。ここに書きたかったけど。 なんかジャケットがね、スーツを着たオレンジ頭の人(この辺が“タンジェリン”なんだろう)が、イスに腰かけてる光景なんだけど、コノ画が僕は好きだ。なんかいい。部屋に飾りたいね。と思ったらこれはデヴィッド・ミードの(おそらく)奥方であるナタリー・コックス・ミードが手がけているようだ。素晴らしい。ちょっと暗さがあるんだけど、そこがまた・・・って話が音から逸れてますね。

この人は作品ごとに作風が変わるなあ、という印象。全作品を通じてピシッと筋が通ってる 感じではないかな。じゃあコレはどんな感じなのよ?って話だけど、一応歌詞カードに 何か小話的なモノが書かれておりましてですね、んーこれと各ナンバーの歌詞が関係あるのかなー、と思うが、相変わらず僕にはよくわからない(ごめんなさい)。だから音だけで判断すると、ドライな感じであるというのと、どっか劇というか劇場というか、コミカル、ではなくて、 なんというんだ、ちょっとばかりおどけた感じがあったりするのだ。そこがこれまでには なかった要素ではなかろうか。ピエロが踊る、そんな感じ。幻惑的。M-1は、よく聴くと、 これから流れる歌のメロディをいくつも詰め込んだインストで、そういったところからも、全体を貫くコンセプトが何かあるのかもしれない、などと思う。

曲はどうなのよって話だが、僕には悲しいかな、流れ的には3rdの延長線上だと思う。どちらかといえば、枯れているしている。メロディが突き抜けている、要するにメジャー級なのは、M-7くらいだろうか。ストリングスや管楽器なども導入されているけれど、どこか色彩感に乏しい印象は拭えない。空間的な音処理にもさほど気は使われていないようで、先にも書いたように、乾いた感じ。惜しいなあ。もっと広がりがあった方が◎だと思うんだけどなあ、コノ人の曲は・・・、M-10とか。しかし聴いていると、なぜかしらコノ人は「ネオアコ」を感じさせる。いわゆる日本でいうような渋谷系テイストではなく、アズテックカメラとか、ペイルファウンテンズとか、あんな感じである。声だろうか。曲は、そんなにファンクな黒いテイストを持っていないのに。で、ためしにアズテックカメラも聴いてみたが・・・なるほど、声が似ているようだな。顔もアズテックカメラ=ロディ・フレイムと似ている気がしないでもない。・・・おっと何かアルバムについて△なことを書いてしまっているけれど、何回か聴くと味が出てきて、旨味を感じることができるんですよ、本作は。 これはリップサービスではなくて、ホントのことである。これぞ俗に言うスルメなアルバム、だ。寝る前、もしくは眠いとき(同じか)にオススメだ。





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