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2009.04.04‐「SOPHORI FIELD COMPANY presents 『Luitpoldpark vol.1』in 下北沢ERA 」 Home

今回行ったのは、下北沢ERA。
北口の方はあまり行かないので、新鮮でした。
服屋さんとか、飯屋さんとか、気になりましたね。
まーまた今度。いずれ。

今回は、colla discというレーベル内にある、
SOPHORI FIELD COMPANYというレーベルのイベント。
『Luitpoldpark vol.1』。
ということで、名前の通り、記念すべき第1回目!
出演バンドは、登場順に、以下の5組―
mother fall asleepSuday Morning Bell
チーナTHE HILLSSALADBOWL

私が観に行ったのは、THE HILLSさんであったわけですが、
その他にも、普段は京都で活動していて
都内でのライヴは久しぶりだと言うSuday Morning Bellや、
あとはチーナに関しても、Audioleafで耳にして以来気になっていたので、
かなり楽しみにしていました。


■■ mother fall asleep ■■HP / Audioleaf

トップバッターはmother fall asleep。
メンバーは、畠山旦(はたけやま・あした:vo/gt)、
大谷明(おおたに・あきら:gt)、菊間隆義(きくま・たかよし:ba)、
そして下元功一(しももと・こういち:dr)の4名。
結成は05年ながら、これまで幾度もメンバーの脱退や
活動休止があったようで、08年2月に通算7度目の活動再開をしたそうです(!)。

というような経緯があるとは思えないほどの、
何とも完成度の高いライヴを放ってくれました。
私、一発で、というか1曲目で、ファンになってしまいました。
ERAは音がいいとかいう話をどこかで耳にしたか、
目にしたか、したのですが、本当にそう思います。
バランスが素晴らしくいい。
歌がしっかり真ん中にあって、
でも楽曲を構成してるギター、ベースにドラムが、
しっかり曲を形にしていて。
歌がきちんと聞こえてくる。
曲が曲として聞こえてくる。
そしてライヴならではの生々しさ。
力強さ。

ダンサブルなリズムに、メランコリックなギター、
その上を流れる、どこか愁いを帯びたメロディ。
畠山くんの声も好きですね、私。
伸びやかで、包み込むような感じがあって、
多少浮遊感のある。
でも楽曲によってはシャウトもする。
音源だと少しモッサリした印象もありますが、
もっとクリアな感じで、丸みよりも、
とがっていた印象があります。

演奏曲数は少なかったけれど(それはどのバンドもそう)、
最後の“ホームタウン”という曲ではそれまでに見せなかった、
力強さを見せ付けてくれた。

バンドの雰囲気、佇まいもいいんです。
寡黙にギターフレーズを奏でる大谷くん、
ときには笑顔で、足と頭でリズムを取りながら、
ステップを踏むように、歩きながら、ベースを弾く菊間くん、
そして頭を振るたびに長めの髪が揺れ動き、
そのシルエットが実に様になる畠山くんは、
実に真摯に、丁寧に言葉を紡ぐ、
その後ろで、パワフルではないけれど、
軽やかに芯のあるドラムを叩く、
メガネの下山くん(シンバルの音がすごく響いていた)。
丁寧に楽曲を作っている感じが、とても好きです。
(ステージに出てくるときも、
一人ひとりが、フロアに向かって、お辞儀してました)。
どちらかと言えば、王道に、メインストリームに寄った、
ギターロックだとは思うのですが、
だからこそ、その中でクオリティを追求するのは、
難しいことだと思うんです。
しかしとても素敵でした。
メロディも、歌声も、演奏も。

私は“ボウイ”が1番好きですね。
蒼い感じがたまりません。

失くしたくないもの、
けれど失くさなければならないもの。
大人になりたいような、
なりたくないような、そんな歌詞たち。

素敵なバンドさんです。
拍手!


■■ Sunday Morning Bell ■■HP / MySpace

Sunday Morning Bellさんは、
普段は京都をメインに活動。
ライヴで東京に来るのは久しぶりだったようです。

メンバーは―
Yuichiro Asada(G/Synth/Vo)、
Chie Takuwa(Piano/Synth/Pianica/Vocal)、
Souzou Masuda(B)、Takumi Kouno(Dr)の4名。
2007年結成ということで、まだ若い!
いやバンドがね。メンバーさんは知りません(笑)。

Asadaくんは髭生やしてるから、
なんか年食って見えるけど、実は若いかもしれん。
あと新ドラマーのKounoくんは何かシュールだった。
普通に曲間で、

 「すいません、オ○ニーなんですが、
 写真撮らせてください」


って前に出てきて、デジカメを出し、
フロアをバックに自分の写真をパチリ。
そのあとAsadaくんも一緒に、
ピースして、またパチリ。

 「あ、思い出が出来ましたぁ。
 ありがとうございました」


って、ドラムセットに戻っていく。
う、ううむ。

キーボードのChieちゃんはフンワリだなあ。
前髪パッツンの茶色い髪で、普通に可愛いです。

あ、曲ですか。曲。
持ち曲がどれだけあるのか定かではないですが、
4曲?やってくれましたね(短い…!)。
でも音源で聴くと、
カッチリした印象があるのですが、
ライヴは意外に、ラフな感じで。
カラフルな音が理路整然と包み込んでくるといった、
私が事前に持っていたような印象は受けなかった。

ギターの鳴りがゴリゴリしてなくて、そこが印象的。
すげークリアにかき鳴らされてた。
どちらかと言うとキーボードが前面で、
ギターが添えられているような、そんな感じ。
私はキーボードの音色好きですから、
1曲目いきなり“Daylight comes”のイントロで、
ハッとして、ニヤニヤ。大好きな曲なんで。
(あ、でもCD買ってくるの忘れました…)。

ブレイクビーツがかったリズムに、
カラフルなキーボード、クリアなギター、
男女ツインボーカルでPOPなメロディと、
加えてAsadaくんのヴォーカルが掠れ声というか、
気だるげというよりも、ややシブい調子なのですが、
なんとなくナカコー気味、ということで、
聴いていてスーパーカーを思い出す人もいるかもしれませんが、
私もそうですね。だからなんだって感じですが。

出演バンドさんの中では1番肩の力の抜けた感じでした。
もっとストイックなガチガチなイメージあったので、
そこは意外。

でも短かったなあ…。
好きなバンドさんなので、是非また観たいです。
拍手!


■■ チーナ ■■MySpace / Audioleaf / Blog

今回の出演バンドさんは、ホントに、
これでもかってくらいにみなさん素敵でして、
このチーナもまた趣きは他と違ってましたが、
すげー素敵なバンドさんでしたね。
メンバー構成を知らなかったので、
ステージに現れた楽器隊を見てちょっと驚き。
Kyoko Shiina(Vo/Key)、Yukako Shiba(Violin)、
Eri Hayashi(Contrabass)、Kazuya Matsumoto(Dr-support)、
Shota Nishiyori(G-support)、の5名、
ということで、弦楽器が2名いる!
狭いステージにデカいコントラバスは圧巻でした。

で、弦楽器っていうと、
私弦楽器が入るライヴはほとんど観たことないのですが、
今回は、ホントよかったです。
まず音が埋もれてない。
ヴァイオリンなんて埋もれそうじゃないですか。
豪快なギターが絡んでいないというのも大きいかもですが、
しかし、素敵な音バランスでしたねー。
ただのポーズじゃなくて、きちんと、
楽曲を構成する要素として機能して、
しかも楽曲の世界観をより強固なものにしている。
つまりハマりまくりということです。

たとえば“蛾と蝶とたこ焼きとたこ”なんて曲を聴くと、
ちょっとエキセントリックなバンドさんなのかと思ったりですが、
私ちょっと苦手かも、なんて思いつつも気にしていたのですが、
ぜんぜん、こちら側にいてくれるバンドさんでした。
ヴォーカルのShiinaさんも親しみやすいキャラクターで、

 「今日のために、2週間前から、
 ダイエットしてきました〜。
 え、それで?って言われるかもだけど、
 でも、頑張ったんですよぉ。ね?」


って笑顔でバイオリンのShibaさんに問いかける。
Shibaさんもまた笑顔の素敵なスレンダーな女性で、
ニコニコと、頷いておられましたなあ。

1曲目が短いもので、
その次が“蛾と蝶とたこ焼きとたこ”、でしたかね。
指を鳴らしながらスローに始まるその曲、途中で一気にリズムが鍵盤が、
走り始めるのですが、あの瞬間は鳥肌モノでしたね。
この曲が割りと異色なモノのようで、
他の曲は、歌い上げる形のものが多く、
Shiinaさんの暖かいんだけど絶対的な切なさ、冷たさを孕んだ、
強い声が実に印象的な、ミドルテンポの楽曲が並びました。

“blue”では、深海を思わせる暗いライティング、
心臓の鼓動のようなバスドラム、
そこに浮かぶ泡のような、はかない鍵盤のミニマルな旋律、
ときおり思い出したように舞う、弦楽器が、正気を取り戻させる。

“おへそ”という曲だったかなー、違ってたらすみません、
すごく、好きでしたね。気になりました。
孤独を肯定するような歌詞がたまらなく残りました。
自分は自分で、他人は他人で、
君と僕が100%相容れることは決してないのだという、
真実を見据えた上での強さ。
でもその裏にある圧倒的な悲しさ。
椎名さんファニーなイメージだけど、
気持ちはすごくすごく強い人なんだろなと思う。
この歌聴きながら、彼女を見ながら、そう思いました。
なんか、泣きそうになりました、私。
スッカリ虜(笑)。

いやでも本当に、素敵なバンドさんです。
拍手!

最後に、MySpaceからビデオを1曲どうぞ―


- 蛾と蝶とたこ焼きとたこ -



■■ THE HILLS ■■HP/MySpace

ということで、4番手はヒルズ。
私もなんとか4回目の観覧です。
地元新潟からの友人も沢山来ていたということで、
緊張しまくりだったそうですが、
しかしやっぱり音がよかったなあ!!
今まで観た中で1番抜けがよかったというか、
突き刺さってくる感じがビンビンにありました。

レーベル主催のイベントということで、
相当気合が入っている様子を以前から
彼らブログで伝えていましたが、
その気合も今まででマックスだと感じました。
終わった後に、出し切った感じがすごくした。
小柳くんのヴォーカルもいつになく調子よくて、
1曲目からすごい大きいトーンでこっちに飛んできた声。
ああ、こりゃあ今日はいいなあ、と思いましたが、
本当にそうでしたね。
梅くんの半ば踊りのようにも見える
熱いベースプレイも実にいい。格好いい。
ヒルズのライヴにおける、
フィジカルな部分の肝を握っているのは、きっと梅くんだ。
そして、クールな振りして内に秘めた狂気を感じさせる、
とても尖がった印象のある坂上くんのドラム&コーラスが、
やはり実は空気感を握っているように思う。
今回はバッチリだった。

しかーし!
5曲やって、既発曲がたったの1曲。
最後の“冬ノ風”のみ。
なんとも挑戦的なセットリスト。
しかも私が聴きなれてないものばかり。
そこが残念(ワガママだ)。
“冬ノ風”はもう定番中の定番で、
さすがの安定感でしたが、
終盤の渋谷坂上コーラス&小柳絶唱には
身体が熱くなりました。
頭のけぞらせてそのまま倒れるんじゃねえかってくらいに、
小柳くん、全身全霊でシャウトしてましたね。

このテンションでワンマンが観たい。私は望む。
すげー楽しみ。
POPさにおいては他に引けをとったかもしれませんが、
でも1番熱いバンド演奏を展開してくれたのはヒルズ。
ちょっとだけアウェイな空気もあったかもだけど、
きっともう少し曲数が多ければそれを吹き飛ばせたはず。
ってかラストの曲では飛んでたか。もう。
小柳くんが話すたびにマイクがハウリングしてて、
「ウッ」て顔をしかめてて、
格好つきそうで、つかなかったのが、
またなんかいい味出してました(笑)。

また行く!
早く新しい音源を!
拍手!

- Setlist -
1.時を駆ける少女
2.Japanimation After Effects
3.カラーズ
4.新曲
5.冬ノ風


■■ SALADBOWL ■■HP/MySpace

トリはSALADBOWL(サラダボウル)。
COUNTDOWN JAPAN 08/09に新人枠で出演なさったということで。
なぜにサラダ。音は和風なようであるのに。
メンバーは、3人―
馬場雄輔(B&Vo)、四本晶(G&Cho)、小林直貴(Dr&Cho)。
2006年から本格活動ということで、まだ若いんですねー。
馬場くんは写真で見るより、
ガタイがいい。マッチョなイメージがある。

かなりプログレッシヴというか、
テクニカルなイメージ。
メロディもかなり強いと思うんですけれど、
でもやっぱり複雑な構成、展開、
という、楽曲の組み立てに関わる部分に耳がいく。
間。溜め。爆発。
加えて、メンバーさんが、
そのプログレッシヴな演奏を楽しんでる。
まあ当然ですけれど。
だから笑顔が散見されて、
ライヴがとってもなんというか、
アットホーム?な空間でしたね。

バッキンバッキンの演奏はかなり格好いいんだけれど、
私は、もっとPOPだと、もっとツボに入ります。
いやPOPなんですけどね、
POPな曲もお持ちですけどね、ライヴですと、
どうしても演奏の熱の方が、気になってしまって。
歌に比重があると、好きです。

でもこの和風なイメージを、
プログレッシヴな演奏で描くというのは、
なかなか、ありそうでなくないですか。
ソウルやファンクの要素もあるように思いますし、
どっちの方向に転がっていくのか、気になります。

拍手です!

+ + +

総じて演奏時間が短かったんですが、
いや、しかし、どのバンドさんもホント素敵で、
稀に見る、大満足なイベントでした!!

今後も是非続けて欲しいです。


2009/04/11
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