MEAT EATERS Home Music Official HP


□Title … SO MESSED UP
Number
01.昆虫 / 02.空缶 / 03.振れる針 / 04.水 / 05.夏
06.石の裏 / 07.白く濁った目の犬 / 08.荒野に死す

Comment
インディーズで活動中のミート・イーターズの1stアルバム。2000年発表。このアルバム作成時のメンバーは3人(マツモトジュンペイ[G/Vo]、タカナシトモハル[B/Cho]、ニシナカヨシユキ[Dr])で、その後ベースがカネダマサキさんへと代わったようですが、現在はマツモトさん以外は入れ替わっているか、もしくは新たな加入があった模様です。いずれにしろ詳しいことは不明。すんません。

音の方なんですが、これがかなりカッコいい。ざらついたディストーションギターの旋風に、ロケンローテイストの乾いたリズム。そこに無常観をただよわせたマツモトさんの歌詞がジャストフィット。もともとドラマーだったマツモトさんですが、二十歳のころにダイナソーJr.(J・マスシス)のギターソロにあこがれて、ギターを手にし、本格的に作詞作曲を開始。93年にはミート・イーターズの前身バンド寒村(サムソン)を結成しましたが、社会人である他メンバーの音楽への接し方に違和感があったマツモトさんは、98年にミート・イーターズとして再始動。そして99年には本アルバムをCD-Rとして発売し、各ライヴ会場で手売りをしていたそうです。そのCD-Rをリマスタリングして全国発売したのが本作になります(ちなみに本作は2002年に再発されているようですが、まったく同じ内容なのか、それともどこか異なる点があるのかどうかは不明)。

一聴すると無意味に思える断片的な歌詞。「ゲロ吐いて/早くそこを出ろ/気にするな/チョコ味の消しゴム食いてえ」。「冷蔵庫の奥/腐りかけの塊/あーほっとけ/追い詰められて/ハゲ/血のシミ/誰も見てねえクソッタレ/泣ける位にショボい」。こういった言葉の羅列によって聴き手は(なんとなくの)イメージを喚起されるわけですが、フラストレーションの充満を感じさせる言葉のチョイスのせいでしょうか、見えてくる風景は煤けています。これを聴きながら感じる気持ちは何か酔って頭がガンガンしてるときの気持ちに似てますね(ってわかりにくいな)。コンチクショー早く治まれこの野郎、みたいな。どうしようもないんだけどでも悪態つかずにいられないこの気持ち。以前雑誌のインタビューでマツモトさんは、「『おそらく無理だろう』と思いながらも、(精神的に)突き抜けるために頑張る。それが基本的な姿勢かなと」、そう言ってましたが、なるほど分かる気がします。(突き抜けたいんだけど)突き抜けきれないことへのフラストレーションが充満してます。

マツモトさんの声はともするとギターに埋もれてしまいがちだし、歌詞も非常に聴き取りにくいんですが、テンションだけはよく伝わってきます。このテンションは実際に日々欲求不満を感じている人でないと出せないだろうなあと思います。少なくとも僕はリアルに感じます。断片的な歌詞、轟音ギター、聴き取りにくい歌詞、急に上昇するテンションと甲高くなる声、こういった点からときどきフッとナンバーガール(向井秀徳さん)のイメージが頭をよぎるんですが、それは僕だけではなかったようで、ライナーノーツでも引き合いに出されています。

ちなみにライナーからの情報になりますが、本作はパートごとにレコーディングされパソコンでマスタリング、編集したそうなんですが、中でもギターの録音方法が凄いんですね。マツモトさんが通っていた大学(途中で退学した模様ですが)に真夜中に忍び込み、以前所属していた音楽サークルの部室でギターをかき鳴らして録音したそうです。メチャメチャかっこよくないですか?(笑)。真夜中の学校で独りギターをかきむしるなんて。



■Music ▲このページのTopへ



welcome to my world.