HEY MERCEDES Home Music Official HP


Title … EVERYNIGHT FIRE WORKS
Number
01.the frowning of a lifetime / 02.every turn / 03.a-list actress / 04.the slightest idea
05.eleven to your seven / 06.que shiraz / 07.our weekend starts on wednesday
08.haven't been this happy / 09.what you're up against / 10.quit / 11.let's go blue
12.everybody's working for the weak / 13.save a life
※12、13曲目は、日本盤のみ収録。

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元BRAID(ブレイド)のメンバーが3/4を占めるという、ほぼブレイドなメンバーが揃っているHEY MERCEDES(ヘイ・メルセデス)の1stアルバム。2001年発表。

僕自身はブレイドの音は聴いたことないんですが、93年に結成され、99年の8月に解散するまでに3枚のスタジオアルバムを発表した、エモーショナルなメロディ+転調がウリな、人気のあるロックバンドであったようです。特にラストアルバムとなった3rdは傑作であったとか。そのブレイドの末期メンバーの内の3人、Damon Atkinson(Dr)、Todd Bell(B)、Robert Nanna(Vo/G)に、新たにギタリストのMark Daurskを加えて、このヘイ・メルセデスが結成されました。

で、音の方なんですが、どことなく空間的な広がりを感じさせるムードの中で、転調リズムにクリアな多段式ギターがからみつくという、なんともカッコよろしいサウンドです。メロディはあまり突き抜けた感じではありませんが、この抑えた感じが管理人的には激渋な感じでお気に入りです。このストロボライトのように「パッ、パッ」と切り替わるリズムが、聴き込めば聴き込む ほどに、病み付きになっていくのです。また、ヴォーカルのロバートの声がかなりメロウな感じなのが印象的です。サウンドの方はかなりギターを前面に押し出したエモーショナルなものなのですが、ロバートのどことなく憂いを帯びた歌声のおかげで、全体から受け取れるイメージが柔らかいものになっています。あまり他にはない感じかと。

それからジャケット写真がかなり清々しくて大好きなんですが、興味がおありでしたら、手にとって見るだけでも見てみてください。星空と青空を同時に見れる芝生(?)の丘を、折りたたみ式の椅子を持って二人の男性が歩いている写真です。いやーいいなあコレ。ちなみにプロデュースは御大J.Robbins(J.ロビンズ)で、レーベルはVAGRANT RECORDSです。



Title … LOSES CONTROL
Number
01.quality revenge at last / 02.it's been a blast / 03.playing your song
04.knowing when to stop / 05.the boy destroyers / 06.unorchestrated / 07.lashing out
08.police police me / 09.oh penny / 10.warm chords / 11.the switch / 12.absolute zero drive
13.go on drone
※10曲目は、日本盤ボーナス・トラック。

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前作から2年ぶりにリリースされた2ndアルバム。2003年リリース。 前作発表後にギターのマークが脱退するも、新たにMike Shumakerをギタリストとして迎え、その後、シングル「Weekend EP」を挟んでリリースされたのが本作。ちなみにプロデューサーはSean Slade & Paul Q. Kolderis。Paulは、このHPで紹介しているアーティストで言うと、Matthewなども手がけていますね。前作を手がけたJ.Robbinsについては、「音を綺麗にしすぎる」という声をどこかで読んだ気がしますが、今作もそのJ.Robbinsに負けず劣らずクリアな音像です。

雑誌のレビューではえらく王道路線に寄ったような印象を受けたので、いったいどうなっていることかと思ったのですが、M-1の突っ走るイントロギターを聴いて確かに驚かされました。しかししかし、ロバートの声が乗ると、途端に「ヘイ・メルセデス印」になってしまうからアラ不思議。この声は、いきなりラジオから流れてきても、おそらく1発で分りますね。どんなに力んでいるように聴こえても、決して透明さを失わず、つぶれた感じのダミ声にならない、不思議な声というか、歌い方です(今作では裏声も聴けます)。前作とは打って変わってギターがメロディを奏でている部分もかなり耳につくのですが、ロバート曰く、曲の作り方自体がこれまでとは違ったそうで、ギターを弾きながら、すでにヴォーカルのアイデアも頭の中にあり、そのため2つを同時進行で作ったとのこと。そんな作成過程も本作のメロディ重視路線を導いたのかもしれません。メロディ重視とは言っても、世の中のポップ・パンク勢などに比べると、やはりはるかに控え目であり、丸まる一緒に歌えるというものではありませんが、僕は前作同様やはりこの渋さがお気に入りです。

しかしながら、ストレートなギターサウンドに寄った反動で、あの巧みな切り替わりを見せていたリズム面は、良くも悪くも落ち着いてきたようです。代わりかどうかは分りませんが、M-6などはこれまでになかった雰囲気の楽曲で印象的です。アルバム前半部はホントにギターが真っ正直に突っ走っているので、それとの対比もあるのかもしれませんが、ミドルテンポのゆるいリズムの上を流れるメロウなギターは非常に哀愁を感じさせます。好きな1曲。あと、前作に引き続いてジャケットが良いです。表紙は、地下通路のような場所で男性が後ろを振り返っている写真。不安なのか希望なのか、彼が見つめる先には何があるのでしょう。ジャケット内側も非常に凝った体裁(写真の上に幾何学的な図形や文字が薄く重ねられている)になっていて、面白いです。※しかし残念ながら、このあと(2005年)解散してしまいました。



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