2008.06.18‐「EG, androp, NIRL GIRL, fourteendays, and The Vector pluss in 下北沢 SHELTER」

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2008.06.18‐ 「EG, androp, NIRL GIRL,
 fourteendays, and The Vector pluss in 下北沢 SHELTER」
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舞台は下北沢シェルター。
相変わらずローソンの脇でしたね。
いや下北沢あまり行かないモンで。

さて、出演バンドは以下の5組だ。
登場順。

■EG
■androp
■NIRL GIRL
■fourteendays
■The Vector pluss


僕は4番目のfourteendaysを観に。
でも時間が許してくれたので、当然、
頭から終わりまでしっかり観てきました。


■■EG■■

まずはトップバッター。
仙台よりのEG。
スタイルはエレキギター弾き語り、
よって1人。
なのだが、
開演時間の19:00を15分過ぎても、
姿が見えない。

と思ったら、
おそらくなんだが、トイレから登場。
そしてそのまま小さいステージ前の、
小さい柵を乗り越えて、
トルネード気味にステージ上に見参。

あー。どこかで見ましたね。
と思ったら、開演前にローソンで。
見ておりましたね。僕は。
あの頭―くるくるパーマ―は、
只者じゃないと思ってたんですが、
よもや出演者だとは思いませんでした。

え、どんなパーマか?
そうさなあ、トータルテンボスの…藤田くん?
いや、ちょっと違う、あんなチリチリじゃない。
んー、そうそう、やっぱりボブ・ディラン。

ライヴ中にも、頭撫でながら、

 「今日のために、パーマかけてきました。
 気分だけは、ボブ・ディランで」


って言ってたなあ。
ちなみにTシャツは、クラッシュ。
ロンドン・コーリング。うわあ。

1曲目が、“東京への嫉妬”という曲。
ギターの音がいい。なんだか。
やっぱりギターの音好きだなあ、って思う。
この曲、彼のMySpaceでも聴けるけど (※現在は聴けません)、
ライヴの方が断然よかったですね。
歌詞はちょっと東京をいじめすぎな気もしますけど、
でも、いい曲ですね。メロディも強くてPOP。
ここからすでに持ってかれました。

憂ってる歌が続くと思いきや、
アッパーな雰囲気もあったりして。
ガラリと空気を塗り替える瞬間も。
人間関係、恋愛とか、
そういったやっぱり普遍的なことを、
衒いもせずにストレートに、
クリーンなギターと、
耳なじみのよいメロディに乗せていく。

で、どの曲もいいのね。凄く。
あーって思えるくらいに。

仙台からのファンも観に来ていたみたいだけど、
それだけの魅力はある、とここで言ってしまいます。

CD買っておけばよかったな。
5曲入りで1000円です、と告知した後に、
EGが「強気ですけど…」って
自嘲気味に笑っていたのが面白かった。

とってもピュアなイメージがありますね。
1回見ただけでどこまで分かるんだよって話だけど。
瞳もキラッキラッしてたし。
フロアで酒飲んでニコニコしてたし。

なんか、いい雰囲気持ってるなあ、って思う。
曲も素敵ですけどね。本当に。

気になりますね。これからも。
仙台中心の活動みたいですが、
これからも機会があれば観たいです。

緊張のあまりなのか(?)、
話しながら、カポをギターのネックにつけるところを、
なぜかヘッドにつけようとして、
自分で気付いて「あちゃー」って顔して、
ショック受けて苦笑いしてるところが、
1番笑いが起きた瞬間でした。
愛すべきキャラですね。フフ。

拍手。拍手。また、拍手。


■■androp■■

そして2番手はandrop(アンドロップ)。
3ピース。
ネットで検索する場合は、
“undrop”と打たないように気をつけましょう。
海外のバンドが出てきますので。
見た感じあんまりビシッとしていない感じ。
っていうと違うのかな。
Vo/Gの彼とか、ジャケットとか着ているんだけど、
なんか、垢抜けているようないないような。

曲が始まると、これが、
正直パッと聴いた感じ、バンプっぽいかもね、
っていう印象。
冷めた口調で矢継ぎ早に言葉を繰り出す、あの感じ。
あるいはRADWIMPSみたいな。

曲のタイプが二つに分かれてますね。
オーソドックスにっていうと、違うかもだけど、
ギターがジャーンと鳴って、
そこにゆったりとしたメロディが乗るのと、
上に書いたような、隙間の多いリズムに、
歌を、歌詞を置いていくような感じの歌と。

僕は前者の方が好きでしたね。

ライヴ、初めのほうは、
正直ポーズっぽいというか、
いまいち熱量が感じられなくて、
煮え切らなくて、んーと思っていた。
ちょっと斜に構えた雰囲気があって。

でも“basyo”(芭蕉?)という曲の出だしが、
すばらしく情景的で、詩的で、
そこから一気に引き込まれてしまった。
そう考えると、やっぱり歌詞が、
聞き取りづらかったのが、残念ですね。
僕の好きそうな感じはあるのですが。

先には冷めた口調と書きましたが、
Voの彼、裏声のような甲高い声を、
“tonbi”という曲で披露してくれて、
桃色がかった照明のせいもあるかもだけど、
妙にアダルティなオーラを出していた。

なんだかんだ言ってもやっぱり、
ひっかかるんですよね。僕の中では。

MySpaceで試聴すると、
やっぱり曲がいいんです。
POPだし、いや底抜けな感じじゃないけど。
内省的なギターロック、
マイナー調で愁いを帯びていて、
前向いてるんだか後ろ向いてるんだか分からなくて、
それって今時ありがち、
いやいや今は2000年代だよ?
なんて言うのは簡単ですけどね。
そんな中で耳と心に引っかかる曲を作り出すだけでも、
それは大変なことだと思いませんか。
僕は思うのです。
それってやはりある種の輝きだなと。
歌を作れるって素敵だなあと、
大げさかもしれないけど、思う。

拍手です。拍手拍手。
素敵でした。

でも!
でももうちょっと熱を見せてくれてもよかったな。
ベースの彼は後半ものすごくアグレッシヴに、
汗を滴らせながら演奏していたのだけれど、
バンド全体にあの熱が満ちていっていたら、
それはそれは素晴らしかったんじゃないかと、僕は思う。


■■NIRL GIRL■■

そして3番手は、NIRL GIRL(二ール・ガール)
4ピースバンドさん。

ロケンローなテイストですね。
ガレージライクといいますか。

セッティング時や、
ライヴの冒頭のノイジィな感じから、
もしや耳を聾せんばかりの爆音系か?
と思って身構えたのですが、
以外に音量控えめで一安心でした。

ドラムの方とかね、
準備時には髪を束ねて、
服も着てらしたんですが、
入場時には、
いきなり上半身裸で、
髪もほどいておられましたね。
ワイルド! 髭もあるし!
ワイルド! もう1回言ってみた。
ドラミングもワイルドでした。
パワフルって言うよりもワイルド。

ベースが紅一点女性なのですが、
なぜかオーバーオールでしたね。
ロケンロー的にありですかね?
おとなしげでしたね。

正直僕の中にこの手の音は
根付いていないのですが、
でもカッコよかったですね。
ヴォーカル/ギターの彼の佇まいとか。
60年代チックなおかっぱ頭で、
線の細い彼。
ステージ上では大きく見えたけど、
フロアで見ると、以外に小さいのです。
それって、つまり、大きく見えたってことだ。
なんかがあったんだろうな。
フロアでは本当柔らかい感じで、
表情豊かに話しておられたが、
ステージ上では、スイッチが入っているのか、
明らかにモードが違いましたね。
まったく笑わないし。いや笑う要素ないけど。
表情もないし。
巻き舌気味にがなる(だけじゃないけど)
ヴォーカルスタイルも含め、ギャップ。
そのギャップも魅力。

楽曲は…ってうまくいえないけど、
ビートのはっきりした、
押して引いてよりも、足して引いて。
最後の曲だけは、
しっとりした出だしから、
カオティックな展開になだれ込んで、
違った側面を見せてくれた。

 「ビートルズから沢山のことを教わったけど、
 それ以上に、この二ール・ガールからは、
 沢山のことを教わって…」


 「僕らは“負けない”じゃなく、“勝つ”」

 「僕らのことを相手にしないやつは
 こっちも相手にしないし…、
 逆に一緒にやろうって言ってくれる人は、
 こっちも一緒に喜んでやるし」


ホントに心からの思いを口にしている、
そんな様子でしたね。
こう言った発言を、ああいう場で、
シリアスにできる彼は、すごいなあと思う。
ワンマンではないし、つまり他のバンド目当てで
来たお客さんもいるだろうし、
決して満員御礼という状況ではないのに。
きっと信じるものがあるのだろうな。
何かを信じている人は、いや、
憧れがある人は、とても素敵だと思う。

だから音楽的には決して好みではないのだけど、
かっこいいバンドだなと思う。
応援してます。

拍手。拍手。


■■fourteendays■■

そして我らがfourteendays。
はるばる九州福岡博多から登場。
だからこの日を逃したら、次がいつか分からない、
ってんで、僕は勢い込んで行ったのです。

ちょっと前に1stミニアルバム『SWAN』を、
リリースした彼ら。
それに伴うツアーというかそんなニュアンスで、
やってきた東京下北沢。
元来は4ピースなのですが、
このツアーには、ANI-JHAこと、清川氏も同行。
PC担当ということで。
つまりレアな5人編成。
いやーレアって言葉には弱いですね。
ステーキのレアは嫌いですが。

正直まだメンバーさんの顔と名前は一致してなかったので!
ここで、初めて一致いたしました。
ベース・ヴォーカルがキムラ・ヨウヘイ氏、
ギター・コーラスが2名いて、
タカダ・コウタロウ氏と、チシャキ・シゲル氏、
そしてドラムがフジト・ヒロタカ氏。
キムラ氏は男前でした。シュッとしてて。
タカダ氏はロン毛、普通にロン毛。
チシャキ氏(すごい苗字ですね)は、
なんか知り合いに似ているあの雰囲気。
ヒョロくて手足長くてちょっと元気なさそうな。
ドラムのフジト氏はやはりガタイがよかった。
フロアではメチャメチャいい人でしたけど。
営業担当って言うか(笑)。

5人編成なんで、ステージ狭い感ありました。
中央にマイクが三本立っていて、
フロアから見て前面左から
キムラ氏、チシャキ氏、タカダ氏が、
それぞれマイクの前に並び、
その横、ノートPC前にANI-JHA氏。
そして後方にフジト氏が。

で、1曲目、これはインストなんだけど、
ミニアルバム『SWAN』の冒頭、
“intro(bottom of the big tree)”
ラップトップから出る電子音と、
ドカドカしたドラムの響き。
音が重なって膨らんでいくにつれ、
観ているこちら側の緊張感も高まる。
メンバーは、音に乗り始めて体をゆすったり。

で、終わると同時に、
キムラ氏が手を上げて何事かマイクに。
そして“laughter and a teardrop”

僕が1番気にしていたのは、
fourteendaysってナイーヴな音を出しているから、
果たしてライヴでその世界観がどうなのかって、
そこんところだったのですが、
ライヴならではのダイナミクスと、
元来持っているナイーヴな音世界が、
見事にドッキング。
音源と比べても遜色ない、
いや音源以上に透明で力強い世界がそこに。
きっともともとは今のような音ではなくて、
もう少しゴリゴリした音をやっていたことも、
現在のダイナミズムに関係あるのかもしれない。
骨が太いんだよね、きっと。
だから演奏も案外力強いし、
キムラ氏の歌声も埋もれない。
伸びのある、アンビエント的でありながら、
決して空気に溶け込んではいかない。
ヴォーカルスタイルも無理がない。
世界観作ってるオーラ全開だと
僕は嫌なのですが(わがまま)、それがない。

いい!
出だしで直感しましたね。

知らない曲が演奏開始2曲目にあって、
あれは過去の曲なのか、それとも新曲なのかな、
あのPOPさは最近のものに思うのだけど、
アップテンポで耳なじみのよい曲でしたね。

僕の大好きな“hello hello”や、
“swan lake”も演奏してくれて嬉しかった。
キムラ氏の語る、
swan lakeのイメージが何かアバウトで、
笑ってしまった。

 「なんか…白鳥が…泳いでる…アレですね…
 湖に、羽が…ホワンとなってるような…
 こう…ホワンっていうか、まあ…そんなイメージで…」

って。
まあイメージなんてそんなもんさ!
ゆったりした曲のときは気にならないのだけど、
ある程度のテンポがある曲だと、
ドラムの鳴りが気になりましたね。
さっきの知らない曲や、
あとは“hello hello”もそうでしたけど。
いやもちろんすごくよかったのですけど、
ドラムが目立ちすぎと言うか、
音が前面にあり過ぎる感が。

でもそれだけだったなあ。
すごくよかった。
3人ともがヴォーカルを取る、
というか、コーラスを代わる代わる入れるのだけど、
ソレも何ていうか、
決して楽曲の流れを損なっていないんだよね。
きちんと楽曲の一部として、そこにある。

“hello hello”の演奏後に、
ノートPCからイントロ部分がもう1回流れてきちゃって、

 「もう1回演奏しますかあ?」

なんてキムラ氏笑ってたけど。

 「嫌ですぅ」

なんて言って。
音からのイメージはクールなのに、
バンド内は明るいんだよねえ。
下ネタも飛ばすし(笑)。
男5人で4日間の遠征はつらいって。
何がつらいのかって部分の
明言はしないんだけど。
ANI-JHA氏が、ラップトップいじる手を止めて、

 「あ、下きちゃった?」

って、ツッこんでたけど。

でも本当、演奏がダイナミックだったのが、
1番印象に残ってて。
そして繰り返しになるけど、
もともと持ってる世界が壊れていない。
だからすごく素敵。
最後は“false fire”で、
雄々しく、そしてカオティックなアウトロ!で、
豪快に締めてくれたんだけど。いいなあ。
アウェイの土地でこれだけ見せてくれるんだから。
今後に期待しない方が無理っていうもんです。

終演後も、「やばい」っていう意見がありましたしね。
明らかに持ってかれたお客さんいますよね。
まー満員じゃなかったですけど、
観れたお客さんは明らかに、喜ぶべき。

福岡ではアコースティックなライヴなんかも
やっているらしくて、コ、コレは見たい。
またこっち来てくれないかしら。
激しく希望。もちろん音源も。

何となくなんだけど、
エレクトロニクスも使用して、
感傷的な風景を見せるギターロックってところで、
sleepy.abなんかとも繋がるんじゃないかなあ。
うーん。
fourteendaysの方が、割りと洋楽的かもしれないけれど。
北海道と九州で、タイバンてのもあれば面白いよね。

拍手。拍手。

しかし“hello hello”は短かった。
あっという間に終わってしまった…。
そして“apology”、聴きたかった。


■■The Vector pluss■■

なんかこういうトリって
漢気的なバンドさんが出るって決まってるのかな。
ちょっとそんな匂いの3ピースでしたね。

音はまあ、嫌いではなかったのですけれど、
どことなく下北的なノリがあって、
そこだけ、うーん、って思ってしまった。
内輪で盛り上がってる感がねえ…(笑)。
僕は苦手でありますので。

炭火焼き鳥、はよかったですよ(笑:意味不明)。
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拍手。

ってなところで、今回は。


2008/06/26(最終修正日:2009/09/05)
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