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2009.02.25‐「SOUND GARDEN in 新宿 Motion」 Home

というわけで、今回は、
私が前から応援している新潟のバンド、
The Hillsさんを観に、新宿Motionへ。

このMotion、西武新宿駅のすぐ近く。
にあるのですが、5階建てビルの5階なんですね。
まー、私が降りる階を1回間違えて、
赤っ恥かいた詳細は置いておいて…。

出演バンドは以下の5組―
かあぷうる、SAKANAMON、she's、The Hills、AYANO。
今回は諸事情で最後のバンド、AYANOさんは観ていないので、
私的にはThe Hillsがトリ!! 言ってみたかっただけ!!
まあいい。

ビルの一室ということからも分かるように、
非常にちっこいライヴハウスなわけですが、
なんつーか久々にちっこかったです。
立ち見マックスで120人くらいらしいです。
どこかの立食会に招かれたみたいな。
いや、なんか違うか、イメージが出来てない。
私が着いたときには開演時間過ぎていたんで、
着いてまもなく、見計らったように、
私の目論見どおりに、ライヴスタート。


◆ かあぷうる[official HP/ MySpace / Audioleaf] ◆

さがやままこと (Gt/Vo)、どいちひろ (Key/Vo)、
林土手三郎 (Ba/Cho)、そしてドラムが紅一点のうちだまりこ氏。
の4人編成。なんで林くんだけ漢字なんだろう。
なんとフロントの3名男子がメガネ装着という、
モノブライトに勝るとも劣らないこのメガネ率。
メインボーカルのさがやま君が、どう見ても、
私の知っているSさんに激似で衝撃。
けっこう似ている人が多いタイプ?なんだが、
ここまで似ている人は初めて見たよ。
この時間にココにいるわけないから安心したけど、
「いやあれオレだから」とか後で言われたら、
ちょっと信じそう。大半は信じないけど(笑)。

Web上で聴ける音よりもぜんぜんよかったですね、ライヴ。
さがやま君のブログ読むと、まだ大学生みたいなこと書いてますが、
もっと上に見えたよ。すみませんでした。まだ若い。
いや浪人とか留年とか色々あるから分からんけど。
ちょっと荒いというか、雑な感じもありましたけど、
曲調はいたってPOPで。和風な感じで。
歌声は捻くれポップスを思わせるあんな感じです。
3人ともみんな、あんな歌声です。
さがやま君が度々ギターをバーストさせて、
あたま振ってメガネ飛ばしてたのが印象的です。

なんかこの日で、この編成でやるのは最後、
ということをどい君がシリアスに言ってましたが、
そしてHPにもその旨が書いてありますが、
なんだ、その後はどうなってしまうんだ!!
終わりにするのはもったいないぞ!!
なんてちょっと思うのが、私の正直な気持ち。


◆ SAKANAMON[official HP / MySpace / Audioleaf] ◆

SAKANAMON(さかなもん)。
漢字で書くと、肴者。2008年よりの活動。
ライヴMCで冗談みたくバンドコンセプトを
言っていたのですが、HPにも同じことが書いてある!
ことからして、この人たちは本気と見た。
『“ロック居酒屋”肴者』という体であるそうだ。

「酒の肴になる音を―いや、ならなくてもいいけど、
そういった音を、提供したいと思っております」
と。

と、店長にして雑音担当である藤森元生くん(Gt/Vo)が言っておった。
名前の通り、元気なお人でしたなあ。ビール缶片手に。
と思ったら、懐道具&結婚式担当の派遣社員・森野光晴くん(B)も、
ビール瓶片手だった。なんだっけあの緑のビール瓶さ。
その2人の間で、メガネをかけた丸っこい彼が、
オーナーの息子でカレーライスとPSPとNINTENDO DSと
それからWii担当の熊本悟史くん(Dr)。
こんな3ピースなわけですよ!!
なんか色物扱いしたくなるでしょう?
そんなことないですか?
ああそうそう、メンバーがもう1人いて、
バンドのマスコット、“サカなもん”というヌイグルミ。
まあ…熊のヌイグルミに手製の紙の面付けただけなんだけど。
しかもお面のデザインがドラえもんのパクリなんだけど。
ギタースタンドだかマイクスタンドだかに、
首根っこぶっこまれて、ステージ中央で、
存在感放ってましたね。

事前に音を聴いた感じだと、
くるり〜フジファブリックの流れを通過した、
和風でおおらかなメロディに叙情的な歌詞といった、
言ってみれば邦画的な、渋いバンドかと思ってたんですが。
いい意味で、裏切られました。ぶっちぎられました。
1曲目の、硬質ギターが炸裂するハードドライヴィンな曲が
終わった後の、藤森くんの挨拶で、私の持っていたイメージが、
消えていった―

「どうもいらっしゃいませこんばんわー!
サカなもんでございます!!」

みたいな。どへえええって。
あと森野くんのベースプレイがカッコイイ。
私の好きな感じです。
ちょっと前のめりで、上半身と頭でリズムとるみたいな。
音のバランスもよかった。
ドラムも硬くて、でも前に出すぎてなくて、
曲を支えてる感じが、すごくよかった。

08年から活動ということは、
まだバンド歴は長くないはずなのに、
妙にガッチリしてるのは何なんでしょうね。
奇妙なほどにテクニカルな印象。
一音一音を置いていくようにして、
そこに言葉を乗せていくような、
隙間の多い曲も、なんなく披露。
しかも曲が極めてPOP。
実に耳なじみがいい。速い曲も、そうでないのも。
そんな風にバンドとしてのポテンシャルを漂わせつつ、
途中で曲の隙間にサンプラー?のボタンをポチッと押して、
ジュディマリかなんかの歌声を挿入したりして、
「えええ、なぜそこにソレだ!?」と、
そのセンスというか、
そこにソレを入れたがるこだわりに興味津々。
面白いバンドさんです。

サカなもんに薬を飲ませて大人化させた、という体で、
でっかくなったサカなもん(もちろん面をつけた人間です)が、
ステージ裏から登場したり、ちょっと余興が過ぎる点が、
私的にはムムムと思ったりもするんですが、
先にも書いたように、異様に演奏がキマってたり、
曲が印象的だったりするもので、
大袈裟に言えば、溜飲が下がり気味になるのです。
ちなみに“SAKANAMON THE WORLD”という曲で登場した
大人サカなもんは、サンプラーをピッコピッコ叩いて、
去っていきました。ダンサブルな曲でよかったです。
もう1人ゲストでキーボードの人を招いてたりして、
「わざわざ青森から来てくれました」とか、
酔っ払い顔で紹介してましたけど、どこまで信じていいんだか(笑)。
でもキーボードが入ってもまたこれがいいんですね。
ストイックな空気すら漂わせる演奏に、
それと相反するファニーな演出、
その狭間にカッチリはまりこむキーボード。
キラキラで、シリアスで、ファニーな音色。

いやー、気になるバンドさんですね。
みんな酔っ払ってるからなのか、
MCの言葉回しがちょいちょい面白かったりするし。

最後は“妄想DRIVER”で突っ走り、キメ。
サカなもんがドラムにダイヴしてました。
というよりも藤森氏にさせられてました。
つまりは放り投げられてました。
その前には、顔面をギターの弦に擦りつけられてました。
マスコットなのになんてぞんざいな扱い。

あ、あと、歌詞にしても、面白いんですよ。
アンパンマンの歌を逆手に取ったかのような、
「愛と勇気だけがともだちになってくれない」とか
(違ってたらすみません)。
おちゃらけた雰囲気もありますが、
きっと根っこはシリアスなんだろなーとか、
勝手に思っています私(笑)。

興味ある方はまずは彼らのHPからどうぞ。
ってなもんで。

- Setlist -
01.訪問者
02.ARTSTAR
03.CLC5
04.四畳一間の哲学
05.SAKANAMON THE WORLD
06.妄想DRIVER


◆ she's[official HP / MySpace ] ◆

she's(シーズ)さんは、
JUZZEPRY IN JAPを通じて、
その名前と言うか、存在は知っていたと思います。
なんで今回のライヴ出演者に名前を見つけたときに、
「あぁあー」と思ったのを覚えています。
Hillsさんはこの翌日にも都内でライヴがあったのですが、
私がこっちの日を選んだのはシーズが出るからってこともあるかも。
モモセハル子(Vo)、アオキダイスケ(Gt)、
マツナガトクユキ(B)、ナカガワ"szk"トモヤ(Dr)、
という4ピースなのですが、ドラマーさんは、
骨折中だということで、この日はサポートのドラマーさん。
GordonBennettというバンドのしゅうへい氏だそうな。

HPで以前の音源を聴くことができるのですが、
その感想、もっとパンチのあるギターポップな感じかと。
思っていたら、どちらかと言うと、サイケデリックだった!
いや、ポップはポップなんだけど、
トランシーな、幻惑的なイメージが強くて、意外でした。
あー。割と昔の曲をやってなかったぽいけど、
それも関係あるのかなとチラと思ったりしました。
というのも、今のところの新作『素晴らしい世界』を聴くと、
以前と印象がこれも違って聞こえるからです。
歌声がストレートにぶつかってくる感じではなくなって、
ふんわりと包み込むようなものに変わっている。
たとえばクラムボンの郁子ちゃん的な。
曲調にしても、ギターポップ的なものから、
もっと幅広い“ポップス”と言えそうなものに変化している。
と、私が思っているだけですが、
そういう変化も、私の印象に関係あるのかもなあ。

ボーカルのハル子さんがまたミニマムでゆるゆるな人で、
ガーリーな衣装で、あああ雑貨屋とか好きそう!な感じでしたね。
だって首から毛糸で編んだキノコぶらさげてましたもん。
しゃべりもゆるゆる。

 「わたしはぜんぜん怖くないですからね。
 みなさんがそんな感じでも。うふふ」


みたいに、舌足らずな感じで、クスリと笑う。
いやお客さんの反応が薄いと、しきりに気にしてた。

 「あーお! シンとしちゃった」

とかっておどけて見せたり。キャラ立ってますね。
かと思ったら独り言みたいにマジメなこと言ったり。
言葉が溢れてくるような、そんなイメージもありつつ、
でも急にプツリと切れてしまいそうなイメージも。
しかしながら、そのイメージは音楽と切り離されたものではなくて、
彼らの音楽にはそのハル子氏のキャラも内包されているような、
そんな気配がある。
クルクルと、硬く、柔らかく、ときにはサイケデリックに回転し、
表情を自在に変えていく。
中でも1番グルグルしてたのは、“ナイトサイクリング”でしたね。
ヴォーカルにディレイかかってたりで。

ストレートなギターポップを予想した私には意外でしたが、
でも素敵なライヴでした。
HPからは以前の音源をダウンロードできますし、
MySpaceでは『素晴らしい世界』の一部を聴くことができます。
私会場では同作買ってこなかったですが
(あの4枚は売り切れたのでしょうか:笑)、
でもすごくいい作品だと思います。本当に。
インディーな空気を拭い去っている印象があって、
もっと大きなところでも通用しそうなんですけどね。
今度Amazonの在庫1枚が残っていたら買ってみようと思います(マジ)。


◆ The Hills[official HP / MySpace] ◆

そして私的にトリのHillsさん。
って数えてみたら、まだ3回目か、彼ら観るの。
意外に観てないですね。ごめんなさい。

でもお客さん前より確実に増えてる。
いや、知り合い呼んでるだけかもしれないから、
一概には言えないんだけれど、でも増えてる。
ここまでのどのバンドさんよりも、お客さん多かった。
ライヴ特有の、不特定多数的ワサワサ感が会場に立ち込めた。
あーついに都内でもブレイクの気配が!漂ってる?のかな。

垢抜けなさは相変わらずだったんですが(すみません)、
でもだんだんと大人〜な感じになってませんかみなさん。
そして小柳くんの髪がサラッサラだった。うらやましい。
顔にまきつく感じが実にサマになる。

で、あー。ライヴなんですが、 正直出だしの“カッター”は、いまいちでした。
小柳くんとドラムの坂上くんのコーラスが噛み合ってない、
というか、坂上くんのコーラスが消えてしまっていて、
どうにもこうにも、ヘンテコな印象になってしまった。
残念!

でも落ち着いて出来ている印象がありましたね。
以前みたく“かましてやんぞ”的な気配は消えたと思います。
東京遠征も頻繁に行ってますし、肩の力抜けたんでしょうかね。

別にパワーがなくなったとかじゃなくて、
不必要な力みがなくなった感じです。

おそらく6曲くらい演奏してくれたと思いますが、
いずれも小柳くんヴォーカルの曲でしたね。
新曲は3曲?織り交ぜてきたのかしら。
私の聴きたかった“韋駄天”はやってくれず。
あら残念。

Hillsさんはライヴ中にどんどんよくなってくるという、
そんなイメージが、というか、記憶が私にはあって、
この日も見事にそのセオリーに!!
最後から2曲目に演奏された“冬ノ風”が!!
今までで最強でした。最高でした。
やっぱり小柳くんのヴォーカルがキーだと思う。ライヴの。
この曲でめちゃめちゃ声出てきてましたもん。
それと同調するように、演奏も熱を帯びて、
他のコーラス隊(渋谷くん[Gt]と坂上くん)も引っ張られて。
すんげーグルーヴ発生してましたよ。
渋谷くんのギターもところどころで変態的なフレーズを、
響かせていて、きちんと耳に届いてきましたし、
ソレより何より、バンドとしてまとまっていたのが、印象的です。
だいぶ前に板についていないみたいなこと書きましたけど、
もうそれはないですね。ないと思う。この日はなかった。
すごく、よかったです。
初めからこの空気だったらなーと、
逆にすごく悔しいのも確かな感想。
そして“冬ノ風”は、Hillsさんのライヴにはマストアイテム。
お客さん的にも1番ウケがよかったんじゃないですかね。

 「さっき会場の後ろの窓から外見てたら、
 向かいのビルの風呂場が見えるんですよ」


と渋谷くんがシブい声で。

 「したら、裸のオッサンが、現れてですね。
 えー、オッサン好きは、是非、後ろの窓から、
 見てみて下さい。
 そのあと、視線を転じて、えー物販を見ていただいて、
 CDを、買っていただけたらな、と思います」

と、相変わらずヘンなセンスでMCした以外は、ほとんど話なし。
小柳くんが「ありがとうございます」を頻出させていたのが、
印象てきでしたねー。前はあまり言ってなかった気がする。

最後にやってくれたのは、新曲の“Ghosts”
会場で無料配布していたので、迷わずもらってきましたが、
以前は韋駄天とかも配布してなかったかしら…(ワガママ)。
さっそく聴きましたが、いやーライヴの方が断然かっこいい。

いいないいなー、ライヴバンドになってきた気がする。

でもここで止まらないでほしい。止まる気はないだろうけど。
もうちょっとで突き抜けそう。

また、必ず行きます。

ということで、今回はここで退場したので、ここまでです。
みなさんに拍手。

2009/02/26(最終修正日:2009/03/06)
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