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2008.12.18‐「SHINJUKU MARZ 7th Anniversary」 Home


行ってきました。
SHINJUKU MARZ 7th Anniversary。
場所は当然新宿MARZ。初の場所。
歌舞伎町でした。
観たかったのは、つい先ごろ、
2ndアルバムをリリースしたCHUB DU(チャブ・ドゥ)。
彼らの登場はトリでした。

他の出演バンドさんは、出演順に、
kuchibue、Dormer、ar(アル)の3組。
私が知っていたのは、アルさんだけでした。
mF247(現在休止&リスタート準備中)で、
えらい人気があったようなので、そこで知ったのでした。

お客さん少な目、ってか少なかったですけど(汗)、
個人的には盛り上がれたので(内面的に)、
行けて、行ってよかったですね。

+ + +

さてさて、1組目は、
kuchibueというバンドさん。
まったく予備知識ナシに挑んだのですが、
素敵でした。
というか、出演バンド中で、1番でした(!)。
ギター、ベース、ドラムの3ピース。
メンバーは、Yoshiyuki Uetani(Gt)、
Yu Kamiya(Ba)、Nozomi Sakurai(Dr)。
基本インストゥルメンタル、
ときにヴォーカルも入るのですが、
ドラムの鳴りが実に私好み。
カツンカツンのパリンパリンでした。
ベースの彼は、基本椅子に腰掛けて。
最後には椅子ぶっ飛ばしてましたけど。

初めは「最近こういうバンドさん多いよなあ」、
なんてボーッと観ていたのですが、
アレ、アレ、途中から熱量が、半端ない。
「アレ、何か凄い…んじゃ?」って思って、
それに気付いて、鳥肌立ちましたもの。
間違いなく、侵食されました。
何の構えもなかったんですから、私には。
それを振り向かせたパワーは凄かったです。
ステージ降りると、間違いなく、普通の若者さん、
なのですが、演奏中は違ったなあ。
特にドラムの彼が、なんとなく、キーマンぽい。
その場の空気を決定付けていたように思う。
もちろん3人の音の組み合わせが、
すばらしかったからこそ、私に響いたのだろうけど。
ゆったりした冒頭から、
いきなりドラムが炸裂する、バーストする、
そんな曲調が印象に残っているのだけど、
んー、良かったですねえ。
だれることもなかったし、私の好きな緊張感もあったし、
いいバンドさんだなあ!
と思ったのですが、
どうやら、まさか、この次のライヴで解散のようです…。
んー。残念です。

でもすんげー良かった。
拍手。拍手。

音はaudioleafか、
MySpaceで聴くことができます。

せっかくですんで、YouTubeからライヴ映像を―

 
 § kuchibue - 流れる色彩と日常的情景
  〜 2007/08/31@SHIBUYA GIG-ANTIC §


 
 § kuchibue - picturebook
  〜 2008/01/12@西荻窪FLAT §

+ + +

お次は、Dormer。
3ピース。
叙情的でアトモスフィアな空気。
ベースレス、なのかな。
ヴォーカルさんの、
高音ヴォーカルは、
歌詞を伝えるには不向きな気がしますが、
でも嫌いでないです。

でもごめんなさい。
基本ゆったりした流れで、
起伏に乏しい部分があったので、
前日寝不足の私は、
途中でなぜか目を閉じたら、
ああ、危ない、夢の世界に踏み込みかけました。

でもライティングは1番好きだったかも。

+ + +

そして3番目はar(アル)。
こちらも3ピース。
Atsushi Kubo、Yoshitaka Fujimoto、
Tsubasa Outaの3名。
ギター2本にベース1本。
そして全員がヴォーカルをとる。

椅子に腰掛けての演奏だったり、
クリスマス前ということで、
あまり激しい曲はやらなかったりで、
すごくホッコリした空間になりました。

しかしあれーなんか私の思っていたのと違った。
もっとエレクトロニクス使った音かと思ってた。
勝手に頭の中で複雑なリズムとかイメージしてたのですが、
そんな曲なかったかしらね。

でもなんかある種の余裕っていうのかな。
割とトークに時間使ったりして(特にフジモト氏:笑)。
3本の楽器の上に、匿名性の高い、
ハイトーンな3つのヴォーカル。
紡がれるメロディはとてもゆるやかで、
平和的なものだったように思う。
日常の中に流れるささやかな感情の揺れ動き。
とでもいうような。
1曲目“double face”のコーラスワークなんか、
かなり凝ってましたね。
技巧派な感じもします。
mF247での配信は現在終了していますが、
彼らのMySpaceで音源をいくつか聴けるので、
気になる方は ⇒ コチラ
“adam / 1009”とか、ライヴではどうなるんですかね。
エレクトロニクス導入したライヴあるんですかねー。
1回聴いてみたいです。

映画音楽や映像作品にも意欲的に関わっているようなので、
音楽だけでなくトータルでアートな活動を行っているという、
そんなイメージですかね。

素敵な空間でした。

 
 § ar - hosi to kimi §

+ + +

そしてトリは期待のチャブ・ドゥ。
ライヴは結構な大所帯で、5人編成でした。
Katoさんがヴォーカルで、Yabumotoさんがベース、
そしてつい最近パーマネントなメンバーになった、
つまり正式にバンドに加入したSaitoさんが、
ギター/キーボード。
お後、ギター、ドラムにサポート―
(おそらくOhashiさんとKamijyoさん)を迎えてのライヴ。
まさかギターが2本入るとは思いませんでした。

中央にKatoさんがいて、フロアから見て、
その左側に、ベースとギター、
そして右側にギター+キーボード、
中央後方にドラム。そんな配置。

感想は、いやあヘンテコなライヴでした(笑)。
ネガティヴな意味でないですよ。
CD聴いてるだけだと、あくまでイメージなんですが、
ちょっとおしゃれなフレーバーありの、
エレクトロニカ的な要素も取り入れての、
さわやか電子音POPを奏でてくるかと思ったんですが。
とんでもないですね。

まずステージ前の幕が上がる前に、ドラムの方が、
腕を交差して頭上に掲げている(Xポーズ)なのが謎(笑)。
幕が上がりきるまで、ずっとそのポーズっていう。
Yabumotoさん爆笑してるし。なにこの雰囲気(笑)。
メロディは間違いなくPOPだし、
Katoさんもあの声質(ダブ的なポップスにマッチする、
あの浮遊感のある声)だから、
雰囲気は間違いなく“inner”、内側なのであるが、
演奏隊、おもにドラムさんとSaitoさんが、
妙に、アグレッシヴなんですなあ。
ルーツにメタル的なものを感じたり感じなかったり。
なのでエレクトロニクスとか、軽やかさとか、
爽やかさとか、浮遊感とか、そういった要素は薄くて、
代わりにハードなゴリゴリ演奏の中で炸裂する、
Katoさんのヴォーカルが感じさせるのは、率直なエモーション。
めちゃめちゃ情熱的なライヴでした。

ヴォーカルに専念される方って、
もう自由に動かれるじゃないですか。
自分の歌いやすいように動くというか。
音に入り込んでいくというか。
一体化するというか。
Katoさんもまさにそれ。
歌詞に合わせたようなジェスチャーや、
指の形、手の動き、
リズムに合わせた細かい握りこぶし。
ダンスと言うよりも、もはや感情の迸り。
大量に水分補給してましたが、確かに汗びっしょりでした。

CD聴いてない人だと、
「なんだこりゃ」的な印象もあるかもしれないですね。
私は聴いていたので、何と言うんでしょう、
ライヴはその世界観を補完するものではなかったのですが、
でもシュガーコーティングされた音源の内側に、
なかなか感じ取りきれなかった、核の部分に、
ライヴで触れることができたような、そんな気がしています。
前に他でも書いたように、もともとはハードな音を奏でていた、
という部分も今の「音源とライヴの温度差」に関係あるのかも、
しれませんね。

あまりに情熱的だったので、
「あーこういうライヴなんだなあ」と、
しばらくホケーっとしてしまった私でした。
私の大好きな“finale”も演奏してくれましたが、
やっぱりゴリゴリでした。うひょー。
冒頭の鍵盤がなくて、ギターの唸りでした。

ダブ的な浮遊感がもうちょっとあれば、
私は嬉しかったかなあ。

でもすげーいいライヴでした。
拍手。拍手。

そして今知ったのですが、リーダーのKatoさん、
楽器はまったくできないそうです(!)。
曲は鼻歌から生まれているそうな。

フライヤーにある、

 『なんのために歌うのかはまったくわかってないけれど
 歌うことしかほんとうにできないから歌うんです』


という言葉。
確かに、確かに、あのライヴからは、
そんな想いを、感じました。


 
 § CHUB DU - finale §


2008/12/22
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