□Comment …
スウェーデンのポップシンガー、Lasse Lindh(ラッセ・リン)を中心に結成されたトライベッカの1stアルバム。2002年リリース。メンバーはラッセ・リンにキーボーディストのクラエス・ビョ―クルンド、それからエリック・ルンドステッド(B)、ジョン・ランディン(Dr)の4人。ラッセは今作と同時にソロアルバムも発表しているようで、クラエスはその作品でプロデュースを手がけたそう。
音の方はインディーギターポップorロックに80年代風「ピコピコ」シンセ音が合体し、そこにタヒチ80などのフランスポップ勢を思わせるラッセの甘くて切ない舌足らずヴォーカルが乗るという展開。これを僕の言葉で強引に言わせてもらうなら「シューゲイザーサウンドに手を出したダフトパンク」もしくは「ギターサウンドに目覚めたバグルス」みたいな(メチャクチャだな:笑)。まあでもなんかそんな感じがするんですよ!笑って堪忍してください(笑)。
と言ったように曲の方は甘くて奇妙にノスタルジックなのですが、歌詞の方もこれまたティーンエイジャー的な甘酸っぱいノリ。ラッセ・リンさんが何歳なのかは分りませんが、なんか思春期特有の悶々とした感情が喚起されるような「客観的には軽いんだけど当人には凄い重いぞ」的な歌詞がテンコモリで炸裂してます。M-5の歌詞なんかは「客観的には軽い」とか言ってる場合じゃなく強烈で、家族の期待を背負わされて苦しんでいる女の子と知り合いになった男の子がですね、彼女のことを助けようとするんですが、最終的には彼女のボーイフレンドに殺されてしまう(!)という凄まじい内容で、ボーイフレンドがナイフ持って森の中を追っかけてくる情景が歌われたりしてるんです。怖いよ。なんかブラック。まあ歌詞なんぞ気にしなくてもサウンドだけで楽しめると思うんですが、個人的にはこのピコピコインディギターポップに乗ってくるのはやっぱりこういうチクチクした歌詞でないと!とそう思います。こんな音で政治批判されてもなんかリアリティないし。
僕はフランスのポップ勢は無駄に甘ったるくてあまり好きじゃないんですが、ラッセさんのヴォーカルはなんか無理してない感じがして好きですね。断固支持。にしても、巷でもよく言われていることですが、スウェーデンてよいアーティストがホント沢山いますね。
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