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2006.04.25‐「Syrup16g presents 『UP TO THE WORLD #1』 in SHIBUYA-AX」 Home

盛り上がってるな。
Peridotsも、
Vola & The Oriental Machineも、
そしてSyrup16gも・・・・・・。

Peridotsは分かるよ。
メジャーデビューが
このあと間もなく(5月31日)だ。
それに加えて、
キークルーのアーティストってことも
関係あるでしょう。
注目されてるってことですよ。

Volaもね、盛り上がってるのは分かる。
今年に入って、
待望の音源のリリースがあったわけだし、
これまたそれに加えて、
フロントマンのアヒトさんは
ナンバーガール〜ザゼンボーイズで
確固とした存在感を放っていた人だし、
そういったことを考慮すると、
ここらで盛り上がり第一波が
訪れるのは頷けるのである。

しかしSyrup16gがここに来て
新たな盛り上がりを見せているのは
なんでじゃい。何じゃらほい。
あ・・・・・・、盛り上りといっても、
主にファンの受け取り方です。
すごい熱量で以って
バンドを出迎えている。
今までにない感じだよ。
僕が思うには、
日比谷で第一期を終了して以降、
その傾向が強くなった気がする。
ということは、あのライヴ、
もしくはそれを収めたDVD、
それらが噂を呼んで、
また、その噂が噂を呼んで、
Syrup16gというバンドを特別な
ものにしているのかもしれない。
熱狂的なファンはいるのに、
バンド自体が現在ライヴ活動以外に
目立った動きを見せていないので、
情報の拡散は口コミ、
あるいはネットレベルで行われ、
その拡散に飲まれた
新たなファンも増加中なのかもしれない。
というのも、何となく今回のライヴでは
ファン層の若返りというか、
若い世代の熱さ、というようなものを
感じたからである。
ただ単に身体的・動的な熱さではない。
なんか、「若さ」という言葉が似合うモノである。
これまであんまそういう熱は
感じたことなかったんだけれど。
単に僕が年を食ったのかもしれないけれど。
あるいは今回、VolaやPeridotsの
ファン層が若くて、そのファンの方々に
ある種の熱さがあったのかもしれないけれど。
なんとなーくアレだな、
今回は周りの方々と自分の間に、
どこか「受け取り方の違い」、
のようなものを感じたな。熱かった。
まーアレかなあ(“アレ”が多いな)、
そろそろ・・・、うーん・・・、
いや何でもない。
ちょっと疲れ気味なのかな俺が。

*** *** ***

Peridotsは、
メジャーデビューに備えて
ということなんだろうか、
メンバーが新生されたようでした。
ってもね、僕は熱心なファンではないから
よく分からないんだけど!
とりあえずベースがキタダマキさん、
キーボードがサニーさん、
ギタリストさんもドラマーさんも
変わってらっしゃいましたよね。

いきなりギタリストと
サニーさんを従えて、手ぶらで
ふらっと出てきたタカハシ氏。
何かこないだ見たのとチゲーな。
そこはかとなく、ほんのりと、
しかし間違いなく、オーラが出ている。
アーティストチックに、
いやもとい、アーティストに
なっていらっしゃる。
そんな印象を受けた。
そしてギターのつまびきと
抑え気味のキーボードに乗せて、
歌い始める・・・・・・。
たぶん“話を一つ”

いい声、って言うよりも、
すごい声って感じだな。
染みると言うよりも
包まれる。
さながら、
柔らかくて、けれど
どこか冷たい風のような。

2曲目からドラムと
ベースを入れて歌い始めるが、
だいぶ、以前よりも
力強くなった印象を受けました。
バンド、っていうのかな。
まだそこまで行ってはいない
感じだと思うんだけど、
まとまりになり始めているような、
そんなイメージが頭に湧いた。

途中からなんとゲストを入れるPeridots。
その人はなんと鈴木茂さんであった。
元はっぴぃえんどのギタリスト、
って一言で片付けるのは申し訳ないんですが、
日本である意味大勢の人に向けた
音楽を作ってて、
茂さんを知らない人っていないように思う。

茂さん(名前で呼んですみません)は、
Peridotsをレコーディングという名の
樹海から助け出してくれた、
そんな人であるそうだ。

 「我ながらよい例えだと思ったんだけど・・・」

とタカハシさんはボッソリと
自画自賛気味であった(笑)。

僕はそんなにPeridotsの
曲に詳しくないんだけど、
全体的にやっぱりシットリだ。
声質からだろうか、
超メジャーなあのバンドと似ているという
声も聞かれるけれど、
あちらより多分歌詞が直接的だと思う。
だからグロテスクさも持っているというか。

最後にはアグレッシヴな演奏も
見せてくれたタカハシさんであるけれど、
もっとああいう曲をやってくれると、
メリハリがついて
ライヴも面白くなると思うなー、
などと思う。

一番良かったのは“労働”かな。
たぶん人気の高い曲だと思うけれど。
イントロからして耳を持ってかれる。
走り出すリズムとキーボードが、
なんというか、
僕の心をどこかへさらっていく。
見たことがあるような、
それでいて行ったことのない風景へ。
そしてキーボードってやっぱり
あるのとないのとで大分違う。
なかったら楽曲が大分モノトーンに
なるように思う。枯れるというか。
だからPeridotsの楽曲には
どこか色がある。瑞々しさがある。
“労働”は、
キミのいない生活にも
幸せを見出していく、
それが当たり前になっていく、
働こう、という歌であるが、
一緒に観に行った人は、
「そんなんじゃなくて
ずっと悲しみをひきずったまま
働いていって欲しい」
と、酷な意見を口にしていた(笑)。
そういう歌はこれから出てくる
あのバンドに任せるべきだッ!
なんてな。

最後は“ライフワーク”
締めてくれましたが、
茂さんのギターは曲を支えるというよりも
少し自己主張が強かった気もいたします。
存在感ありすぎやがねー。
そしてどこかサーフ気味(?)、
楽曲にピリリとしたスパイスを
ふりかけたような、そんなイメージ。

曲、声、歌詞、
その三位一体攻撃を
ひとつの完成形として
確認するためにも、
早く音源を聴きたい。
そう思います。

■■■ 転換 ■■■

で、Volaさんでありますが、
NEW ORDERの“BLUE MONDAY”にのって
颯爽と登場である。
BLUE MONDAYって、
なんか合っていないようで
Volaに合っているような・・・
見事なチョイスである。
たどりたどれば、それは
「ニューウェイヴ」とか
いう言葉でVolaと重なるのかも
しれないけれど、
僕にはよく分からないよ。
「ニューウェイヴ」って
「何でもあり」じゃん?

Volaは全員がシャツにタイを締め、
サングラス姿。渋い。
中畑さんは髪を短くしたのだろうか、
それをペッタリ寝かして横に流しておる。
BLUE MONDAYのテクニカルなビートとあいまって、
なんかサイボーグみたいな印象である。

アヒトさんとギターの青木さんは、
演奏前にサングラスをサッと外す。

演奏されたのはほとんど新曲である。
1stミニ・アルバム、
『Waiting for my food』に
収録されている曲では、
“principle of machine”
“a communication refusal desire”
“fatal incident”くらいしか
演奏していない。
やはりレコ発ワンマンに備えて
新曲群もばっちりスタンバっているようである。
いずれもVolaらしく、
ダンサブルなビートと
痙攣的な二本のギターが絡み合って
一種「奇天烈」な印象を残す楽曲であったが、
途中で振り付けが飛び出したのには
大分ビックリした(!)。
振り付けっすよ。
たとえばジョーダンズみたいな。
・・・・・・。
って例えがここでは相応しくないですかね(笑)。
そういう方向性もありなんだなー
なんて思って、一番印象に残っている。
まだお客さんでアレをやっている人が
見られなかったことから、
初披露、もしくはまださほど披露していないのだろう。
次のワンマンライヴでは
あの振り付けを必死こいて体得した
ファンがきっと現れることだろう。
その数は予想外に多いかもしれない。
っても俺は行かないんだけど。
しかしそういった振り付けといったような
要素を取り入れてくるあたり、
やはりVolaにはB級な匂いを感じるのである。
しかしそれが決してダサくならないのは、
やっぱり楽曲の持つ「力」が
それを許さないからだろう。

CDをリリースしたことも大きいだろうし、
地道なライヴ活動のせいもあるだろうけれど、
明らかにお客さんに受け入れ態勢が
出来てきている。
以前は何が来るのか構えていたところがあるけれど、
今や“principle of machine”
“a communication refusal desire”などは
Volaの必殺ナンバーと言ってもいいくらいに
熱狂的な歓声で以って迎えられている。
あのギターが鳴った瞬間に大歓声である。
リズムが入ればモッシュである。
そして、

 「ピーー、オーー、エーーンム」

の大合唱。
ギターの青木さんの動的なプレイもまた、
会場の熱量を上げていく。
ベースの有江さんはサングラスを
ズバッ外し、スパッとフロアに投げ入れる。
ウヒョー。盛り上がってる。
客の多さとその盛り上がりに、
アヒトさんも礼を述べる。
そしてワンマンの告知。
さらにひしめく客を見て、

 「全部アジ(or サバ)だったらいいのにッ」

って言ってクルリと後ろを向く。
わかんねー(笑)。
しかしアヒトさんはどこか疲れ気味であった。
再結成したビヨンズにドラマーとして参加し、
ツアーにも同行し、
そしてまたこうして
自分のバンドでも精力的にライヴ活動とくれば、
確かに疲れもたまるでしょう。
身体、大事にしてください。
そして次の音源も待ち遠しい。
分かりにくいんだけど分かりやすい、
みたいな不思議な魅力がありますね、
Volaの曲は。
ダンスなリズムと、ギターの絡み具合、
ヘンテコなフレーズが、妙に耳に残る――

ビリリリィッ(ギター)、
間、
ブルルルゥッ(ベース)
っていうあのフレーズが
好きだなあ俺は。
ちょっとミニストリーとか
感じたよ。全然違うけど。
ちょうど“Thieves”のイントロさあね。
あと見てて思ったけど、
Volaのメンバーはアイコンタクトが多い。
頻繁に行われているように思う。
それは演奏を楽しんでいるのかもしれないし、
ひいては楽曲をより良いものにするための
何らかの意思疎通であるのかもしれない。
だからこそああいった独特の
グルーヴを生み出せるのかもしれないなー
なんてちょっと思った。ちょっとだけ。

ということで名実ともに
すっかり人気&注目バンドになった
Volaを感じたライヴであった。
いや、やっぱりカッコよかったすよ。
陳腐な表現ですみませぬ。
ドラクエとかRPGの敵で言ったらさ、
ちょっと闘ってみて、
「あ、コイツ強ぇ、ヤバイかも」
って分かるとき、あるじゃないですか?
あんな感じですよ。そうそう。
「やるな、コイツ」って感じ。
・・・・・・。
ってアレ、また例えが相応しくない?(笑)

■■■ 転換 ■■■

そしてSyrup16g。
ステージを見ればマイクが3本。
そして後方にドラムセット。
マイクが3本、ということは、
五十嵐さん、キタダさん、
そしてサポートギターが入るのだろう。
4人編成って久しぶり。
ちょっとドキドキする。

客電が消えるや、大歓声である。
何か悲鳴に聞こえる。
バンド名を叫ぶ人や
個人名を叫ぶ人が多発する。
うひょー。盛り上がってるな。
そして、暗闇の中、
キタダさん、中畑さん、
Volaの青木さんと手を取り合って、
高く掲げ、五十嵐隆氏が現われる。

登場するやいなや、
五十嵐氏はマイクを掴み何事か叫ぶ。
僕には聞き取れなかったが。
テンションが高いのか、
高めようというのか。
そして彼はぶっきらぼうに云う、

 「ひっさっしぶりぃっ」

うひょー。
云ってくれるぜ。
みんな待ってたぜ。

1曲目にやってきたのは、
なんと『delayed』収録の
“everything is wonderful”
僕はライヴで聴くのは初めてだ。
ちょっとギターの音が硬いから、
一瞬何か分からなかったけれど。

そして、今度は『copy』から
“無効の日”や、
“(I can't)change the world”
おおなんだコレは。
原点怪奇、いや回帰。
そんな安直じゃねえだろけれど。
ちょっとばかしアレだ、
青木さんのギターはシロップには
硬すぎる気がしないでもない。
どんな曲でも動的にプレイなさるので、
それは新たな魅力を楽曲に
与えているのだけれど、
ときどき金属的に過ぎる気がした。
そして五十嵐さんはといえば、
いつもどおりに黒いシャツに
黒いパンツ、首にはペンダントが光る。
髪の毛は今回はさほど伸びておりませなんだが、
それでもやっぱり会場の熱量という
ヤツにやられて次第に跳ね上がってくる・・・。
だもんで曲が終わるたびにかき回すのであった。

数曲終わったところで、お客さんから

 「待ってたよ」

の声が飛び出す。
五十嵐さんは

 「ありがとうっ」

と返した後で、

 「ホント、うちらがね、
 活動してないのは、どうかと思うよね」


と云う。会場笑う。
そして五十嵐さん黙って遠くを見る。
・・・・・・・。
確かにイベントは「Syrup16g presents」なのに、
そのプレゼンターが活動していないっていう・・・。
と思ったら、五十嵐さん、

「・・・もったいない」

そして“もったいない”に入る。
って・・・ん・・・ネタかコレ?
アドリブだったらすごい機転だ。
“もったいない”の歌詞って
いろいろな解釈でOKだと思うけど、
やっぱりある一つの解釈が
一番主流だと思うわけで、
そんな歌を歌ってるこの人は
やっぱスゲーなと、

 「もったいないなら 替わって」

という歌詞を聞きながら、思った瞬間だった。
この辺りから五十嵐さんの声の出が
よくなったように思う。
スパーッと空間を切り裂くあの感じだ。
この日は何となく『HELL-SEE』モードなのだろか、
このあとも、

 「個人的に、好きな曲をやります」

と言って“シーツ”を演奏する。
久しぶりに中畑さんコーラスを聞く。
そう、この前だったかな、
五十嵐さんが何か言おうとしたら
ちょうど中畑さんと被ってね、
漫画みたく頭抱えて五十嵐さん、

 「コンビネーションねえー」

って嘆いていた。
中畑さんは「雷」と云ったらしい。

 「雷、鳴ったよね?」

と改めて五十嵐さんに云う。

 「え、ホント? いつ?」

と五十嵐さん。

 中畑:「あ、いや今朝ね、今朝」

 五十嵐:「あぁあぁ 朝ね」

って・・・、ああ・・・、
やっぱりコンビネーションない(笑)。
そして五十嵐さんはボッソリ、

 「地震か・・・」

って、何?(笑)
地震と思ったとか?
地震じゃないっすよ!
「雷」っすよ!
地震・雷・火事・親父つながりですか?
と思ったら五十嵐さん、客席を向いて、
ふいにニカァーって笑う!
なんですかあの笑顔は!
見たことないっすよ。毒気ゼロ。
不思議な人だ。
あんなふやけた笑顔できるんだなあ
って、普段を知らない僕は初めて知りました。
けれどその意味するところは謎。

お、そうそう『HELL-SEE』だ。
このあとも、

 「あー、もういいや」

って云った後に、
“不眠症”を演奏する。
僕は大好きな曲だから嬉しいけど、

 「こんな気持ちはもういいよ」

の前のギターフレーズが一番好きなトコだから、
そこが聞こえなかったのが残念賞。

考えてみると、基本的に今回、
これまであんま演奏してない曲が多い。
ように思うけれどなんでかしら。
そして多くの人が気付いたろうけれど、
第一期終了後以降、
おそらくどのライヴにおいても
演奏されていた新曲たちが、
ここではついに1曲も披露されなかった。
久しぶりだから、
これまでの曲で、ってことかしら?
それとも他の理由が?
実は煮詰め中とか?
でもやっぱりライヴって
バンドの「現在」に触れられる場所だから、
そういう意味では新曲が聴けなかったのは
残念でありました。

今回は比較的ドップリネットリなのかな
と思いきや、途中から一気にバースト。
“sonic disorder”“神のカルマ”
そして“リアル”と来たもんだ!
もうアレだね、ここら辺は
ファンは「待ってました」なんだよな。
曲を聴くっていうよりも、
曲に乗っかる感じだな。
フィジカルな聴き方っちゅうか。
すなわち、
モッシュ&握り拳多発区域である。
“リアル”の前には、

 「妄想リアル 妄想リアル」

を拳握って連呼する五十嵐さん。
客席もレスポンスを返すわけだが、
次第になんか呪文のように
頭に浸透&トグロを巻き、
ある種「ヤバイ」状態になる。
客観的に見ると、

 「妄想リアル」

なんて言葉を連呼する集団、
やばくないっすか(笑)。
ライヴ会場じゃなかったら
それはもう・・・・・・
(↑話がまったく違います↑)。
しかしそれを唱えさせる
力を持ったバンドシロップ、
というよりも、いやそこには、
「妄想リアル」という言葉の意味は、
もはや希薄なのかもしれないな。

やっぱり“リアル”
五十嵐さんにとって特別な曲なんだろう、
テンションが最も高い。
胸を掻くようにして歌うその姿。
拳を握って叫ぶその姿。
ときに左足を上げ気味にするその姿。
どうにかしてその重みを
感じたい(なぜか)のであるが、
“リアル”に込められたモノを
察したいのであるが、
僕はどっか自分の捉え方では
いかんような気がして、
いつも“リアル”では取り残されたような
寂しい気持ちになる。
なんかこう、
決して割れないガラス球の中に入っている
すごく大切なもの(キレイである必要はない)を
どうにか取ろうとして、必死こいて
もがいているような気持ちである。
もどかしい。見えているのに取れない。
届かない。みたいな。
クゥゥ・・・・・・ッ(涙)。

本編最後のイントロは、
いつもより
(っていうか前にライヴで聴いたことは
1回しかないが)
少し硬めの印象がある“汚れたいだけ”
おお“汚れたいだけ”
これで締めるってのもまた・・・。
どす黒いな。
 「食欲あるくせに
 食べるのが好きじゃないなんて・・・」

のラインを
 「性欲あるくせに
 ヤるのが好きじゃないなんて・・・」

と置き換えて歌っていた(と思う)。
「食欲」が「性欲」に変わっただけで
歌詞解釈の思考回路が
ずいぶんと現代人の抱える問題の
深いレベルにまで及んでしまうように思う。
いやもちろん「食欲」のままでも
充分に考えるべき問題だけれど。
・・・・・・。
僕にはあまり知識がないからね、
そういった問題を掘り下げて語れないけれど。
・・・・・・。
でもやっぱりギターは
もっと柔らかい方がいいなあ。
あのパイプオルガンみたいなんが好き。

なんか嫌なことがあったのか、
“リアル”で出し切ったのか、
五十嵐さんは終盤喋らなくなる。
アンコールに応えて出てきたが、

 「ありがとう」

しか言わなかった。
中畑さんも、

 「ありがとーう」

と言っておられたな。
なんか嬉しい。

最後はこれも『HELL-SEE』から。

“正常”

なんか穿り返した地面を
乾いた風で以って馴らすような、
そんなイメージだ。
錆びた大地に砂埃が舞い上がる。

そして気付けば、
メンバーはその砂煙に巻かれて、
姿を消していた。
それ以上のアンコールは、なかった。

*** *** ***

終演後には早くも
「UP TO THE WORLD #2」が
8月に行われる予定であることが
アナウンスされていた。
出演者等は不明であるが、
果してそこでは、
シロップは最新形を
見せてくれるだろうか。
たとえ音源のリリースはなくとも
ライヴ中心で活動している
バンド・アーティストは少なくないし、
シロップがそういうスタンスを
取ったとしても、僕は構わない。
だとしても、
やっぱり欲張りだから、
何かまだ感じことのないものを
感じたい、
観たことのないものを
観てみたい、
そう思ってしまう。

本日出演なされたPeridots、
Vola & The Oriental Machine、
そしてSyrup16g。
応援してます。
やっぱり一番は・・・ですけど!

というわけで、
次もまた会えることを祈ってます。

2006/04/26
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welcome to my world.