MONTHLY RECOMMEND [2004, August] Home

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Artist(s) … SHUNJI IWAI
Title … H & A -“hana & alice” ORIGINAL SOUNDTRACK
Number
01.花の季節 / 02.花とアリス・桜 / 03.fish in the pool / 04.sweetie / 05.amnesia / 06.slug horror
07.輪舞 / 08.ウヲアイニ / 09.sweetie・密会 / 10.dancin' in the pool / 11.花の季節・海 / 12.花の想い
13.ウヲアイニ・アラベスク / 14.花とアリス

Comment
先月に引き続き映画のサウンドトラックでございます。岩井俊二監督の『花とアリス』のサウンドトラック。2004年リリース。全編インストゥルメンタル。歌はいっさいございませぬ。

僕の映画に対する思い入れが強いせいか、M-1の出だしから、すっぽり『花とアリス』の世界に飲み込まれてしまう。さり気なく、感情的にならず、淡々と印象的なメロディをを転がしていくピアノ。交じり合うストリングスが醸し出す微笑ましい高貴さ。子供が精一杯背伸びしているような、そんな感じ。僕はそうは思わないのだが、『花とアリス』はコメディなのだそうだ。だからなのか、確かにM-1やM-2はどこかウキウキする(まあ春をイメージした曲だから、かな)。学校の新学期が始まるときみたいな…。そんなウキウキと表裏一体なのが悲しみや切なさ(「切なさ」ってなんて抽象的な表現)であって、曲が進んでいくと、徐々にそういった要素が顔を出し始める。映画本編とともに、このウキウキと切なさのバランス感覚が、ヒジョーに巧みに思います僕は。絶妙。しかも『花とアリス』は高校生の話っすからね、こりゃあ…キュンキュンきますわなー(笑)。僕の中でクライマックスは、M-8の“ウヲアイニ”。映画を観た方や中国語の分る方は、この言葉がどういう意味か分るでしょう。劇中でアリスが何回かこの言葉を口にしますが、そのときにこのM-8とM-13“ウヲアイニ・アラベスク”が、かかっていたと思います。聴くたびに、そのシーンを思い出してしまう。

サイト内で僕が何回か使っている表現かもしれませんが、魔法がかかってますよ、この映画および音楽は。たとえば、このアルバムを聴きながら、あなたの部屋のテーブル上のホコリを眺めたなら、そのホコリはたちどころに意味を持ち始めるでしょう。たとえばあなたが急な腹痛に苦しんでいるときに、このアルバムを聴いたなら、その悶え苦しむ姿も、たちどころに美しいドラマの一場面に!(←ってこれは言いすぎです、すいません)。まあ何はともあれ、岩井監督、素敵な映画も作れて曲も書けるとは、なんてうらやましいんだ…!




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