□Number …
01.all things change / 02.mina loy(m.o.h.) / 03.the cameraeye / 04.tolovesomebody / 05.a 100 / 06.dia
07.now(and then) / 08.i'm ready / 09.walking shade / 10.sorrows(in blue) / 11.pretty, pretty star
12.strayz
□Comment …
THE SMASHING PUMPKINS(ザ・スマッシング・パンプキンズ)を率いた巨大な才能ビリー・コーガン、スマッシング・パンプキンズの解散〜ZWAN(ズワン)を経て、初めてソロで出した作品が本作。2005年リリース。しかし思えばズワンて活動期間すごい短かった(アルバム出してからは1年も満たないうちに解散したのかな?)のに、ちゃんとライヴで来日してくれているのは何かすごい、というか嬉しい(まあ僕は行ってないんだけど)。
スマパン時代には、ほとんどの曲をビリーが作っていたし、そのリリースペースや楽曲のクオリティを考えると(特に『メロン・コリー、そして終わりのない悲しみ』時、シングルをガンガン切って、そこにアルバムには入らなかった曲をこれでもかと収めてくれていたのだけれど、その楽曲たちのなんと素晴らしいことよ)、彼のことを間違いなく「天才」と読んで差し支えないと僕は思っているのだけれど、しかし本作は…どうだろう。驚くほどに「メロディックではない」。つまりスマパンにしろ、ズワンにしろ、あのようなキャッチーとはいかないまでも、耳にひっかかりのある楽曲を期待すると、拍子抜けしてしまう。本作にはビリー自身による全曲解説つき(もちろん翻訳されてる)なのだけれど、その中で(そしてインタビューでも)彼は曲の作り方を変えたと言っている。スマパンとは違うものにしたい、彼の言葉を読むと、そういう思いをかなり強く感じる。相変わらずそういうところは気にする人のようだ。で、出てきた音が、エレクトロな響きを多分に含んだものだったわけで。キラキラしたシンセ・サウンドに、冷めたビート。ときおり春風のような暖かい音色が覗く。どっからどう聴いてもバンドサウンドではない。スマパンの作品でいえばやはり『アドア』に近い。しかし雑誌でも言われていたように、音は綺麗(ミックスはすっかりお馴染みのアラン・モウルダー)なのであるが、メロディがいかんせん…弱い(涙)。全曲の触感が似通っていることもあるのだろうが、ガツンと耳を持っていかれる曲が、(僕には)ないのである。スマパンとは違うものに、という意識がこういう音を招いたのか、それともこれが今のビリーに鳴らせる最良の音なのか。ビリーの作るメロディが好きな人間にとってはちょっとそこが悔しいのであるが、巨大な才能の帰還を高らかに宣言する本作には、やはり注目せずにはいられない。今後バンド形態をとることがあってもよいと思う(というかバンドの方が好きかな)けれど、やはりもう失敗はして欲しくないから、ビリーを核としたユニットというような、流動的なスタイルがきっと相応しい。でも、それだとビリーが嫌なのかな(笑)。(※しかしビリーは本作発表と共に、「スマパンの復活を考えている」という発言を!果たしてどうなるのか…?)
| |