□Artist(s) … KARL LARSSON
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□Title … PALE AS MILK
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□Number …
01.(i wanna know) all you know / 02.off the cliff / 03.is it cold in here? / 04.the stalker
05.devil's strings / 06.found half, lost all / 07.lion's escape / 08.wind in tree
09.do you know my name? / 10.(i wanna know) all you know[acoustic version]
11.off the cliff[acoustic version]
※10〜11はボーナストラック。
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□Comment …
スウェーデンのLAST DAYS OF APRIL(ラスト・デイズ・オブ・エイプリル:LDOA)のフロントマン、Karl Larsson(カール・ラーソン)、彼の初ソロアルバムとなる、『Pale As Milk』。2005年リリース。日本盤はボーナストラック2曲入り(M-1,2のアコースティックバージョン)。
LDOAでも2004年にアルバムを出したばかりなのに、さっそくソロを届けてくれるとは嬉しい限り。でもなんでソロなの?って部分は、LDOAとして出すには、いろいろ都合がつかなかったそうだ(ドラムのアンドレアスが忙しかったりとか)。もともとが、友人と楽しんで作り始めた曲たちがあまりに出来がいいので、レーベルにもかけあって、「いいじゃん」ってなって、リリースに漕ぎ着けたらしい。プロデュースもレコーディングもカール。楽器もほとんどの楽器がカールの演奏。ということでソロ名義、ということになったらしい。でもミックスはLDOAでもおなじみの、ペレ。好きだねえ(笑)。なんだかんだで必ず絡んでる。LDOA自体がカールのソロみたいなものなので、当然楽曲もLDOA印。いやもちろん、ソロであるならば、方向性を変えることも可能だっただろうに、ここにはそういう「ガス抜き」的なイメージはまったくない。無理に考えてないんでしょうね、きっと。ゴチャゴチャ考えずに、とにかく自分が思う「いい曲」を作ったら、できました、って感じなんだろうなあ。時間をかけずに、曲ができたらすぐレコーディング、ってな感じで、なあんと3週間で仕上げたらしい! すごいなあ。きっと曲が出来て出来てしようがないのだろう、それを形にしたくてたまらないのかもしれない。ノリにノってるカールの記念すべき第1歩。
1曲目から、もうカールの声が流れたとたんに、ホッコリホクホクな気持ちになっている自分がいました。全体的なテイストはやっぱりLDOAの近作『IF YOU LOSE IT』に近いかなあと思うけれど、もっとリラックスしてますよね、確かに。でもあの作品ではわりとウィスパー系の歌い方で、それが僕は少し残念だったと書いたけれど、本作ではわりと、声をガッツリ出して歌ってくれていて、嬉しい。この声はやっぱ好きだわあ、スマパンのビリーとかMEWのヨーナスとかと比較されることもあるけれど、僕はカールの声が1番好きかもしれない(かも)。アコースティックギターもあり、ディスト―ションもあり、キーボード?も入って、カラフルなんだけど、核にあるのはメロディの素晴らしさ。ホントどの曲も聴いたらすぐ歌えるくらいのひっかかりを持っていて、改めてカールのメロディセンスを思い知らされた、と同時に堪能。LDOAの作品も聴いてきて、これを聴くと、カールの表現はだんだん激情(エモ)から普遍的なポップミュージックへとシフトしてきてますね。その転換点にあったのが僕はおそらく『ANGEL YOUTH』だと思っていて、LDOAの作品ではアレが1番好きなのだけど、逆にカールがまた1歩「ポップ」によったことを示したのが、本作だと思う。
春夏秋冬、季節を問わず、散歩に似合いそうな、素晴らしいポップ具合。
しかしこの人の歌詞は相変わらず内省的なのね(笑)。M-2とか泣ける、“僕は木に茂る葉っぱの一枚 あるいは百万個の種のなかの一粒 君は僕を必要としないし キスしようとも思わない ずっとそれに甘んじてきたのに なんでこのうえ苦しめられるのか せっかく君のそばにいるのに 君が僕のそばにいるのに”。M-9では“同じ価値観を持ち 同じVANSのシューズを履いている けれど君は僕の名前も知らない 名前も知らない”・・・VANSって・・・カール、それは君、自身のことじゃないのか(涙)。サウンドに反した、そういう「感傷」を考慮すると、やっぱり秋か冬が似合うかな。ちなみにM-8は、2004年、LDOAとしての来日時に新曲として演奏されていた。なぜこれをソロで発表したのだろう、ナゾ。僕が特に好きなのは、M-2と6。全曲好きだけど。そしてまたちなみに、タイトルの由来は、
カールの顔色らしい(笑)。
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