□Comment …
前身バンドは99年、福岡において結成されたようだが、“14days”(フォーティーンデイズ)として活動を始めたのは、00年のこと(※03年に表記がfourteendaysに)。02年にDemo CD-R『ONE DAY』を作成したようですが、これは超限定生産で、ごく狭い範囲に配布したのみ。04年には3曲入りDEMO CD-R「thank you」を制作。その他オムニバスにも参加。本作が1stミニアルバム! 2008年リリース。現メンバーは、Kimura Youhei(Vo/G)、 Takada Koutarou(G/Cho)、 Chisyaki Sigeru(G/Cho) Fujito Hirotaka(Dr)。
もともとはポップパンクな音を鳴らしていて、02年に木村氏と高田氏が渡米した際に出会ったMOCK ORANGE(モックオレンジ)にも影響されて、複雑な曲もやっていたそうだが、徐々に方向転換していったようで、結果、今作ではポップパンクとは程遠い音が聞こえてくる。歌の、音の根底に、哀しみが流れているのを感じてしまう。それは意識して流されているのかもしれないが、もしかしたらどんな曲をやっても流れてくるのではあるまいか、そう感じさせるほどに、全編に通じている、哀しみ(※MySpaceで初期の曲を聴くとやはり違う)。
冒頭がエレクトロな響きを持ったインストで、これはまあどこかありがちな気がするのだが、この出だしがあるからこそ、次の曲“hello hello”がグンと引き立つような。これが今作以前にあったものと同一なのか分からないのだけど、この曲が抜群にいいんです。聴くたびに、僕の内側の、どことも知れない場所にある、哀しみが呼び起こされる。鳥肌が立つほどに。“my heart's been almost empty.”という言葉。そう、それはある意味では、懐かしい。ROCKIN'ON JAPAN誌上で、高田氏が今後の目標について語った言葉―「初めて聴いたのに、懐かしさを感じさせるというか。前からそういうのはやりたいと思っていたんですけど・・・・・・これからもそれをやっていきたいですね」、これはある意味、すでに成功していると言ってもいいでしょう。
性急な曲はまったくない。ときに裏声を見せる木村氏のヴォーカルが、ときにハラハラと舞う落ち葉を想わせ(M-1)、またときに湖面に広がる波紋を想わせ(M-4)、シンシンとしたギターリフが森に射す陽を想わせ(M-4)、あるいは空間を埋めるように広がる(いわゆる)シューゲイズ的なギターの音が、その森に漂う霧を想わせたり。決して視界は良好ではないけれど、けれどその空間が心地悪いわけではない。むしろ向こうにボンヤリと見える景色は・・・なんだろう・・・懐かしい哀しみ? 過去の苦味を甘く感じさせる幻。もしくは魔法。哀しみを染み込ませたマントのはためきが脳裏にチラつかせる音景色に、包み込まれていく、その・・・気持ちよさ? 安心感? 不思議な感覚だ。
全編英語なのが、惜しく思われます(歌詞カードも筆記体で表記されていて読みづらい)。日本語詞も聴きたい!! でも、とにかく、久々に、素敵。4曲目まで100点満点です。
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