THE SMASHING PUMPKINS Home Music Official HP



Title … SIAMESE DREAM
Number
01.cherub rock / 02.quiet / 03.today / 04.hummer / 05.rocket
06.disarm / 07.soma / 08.geek u.s.a / 09.mayonaise / 10.spaceboy
11.silverfuck / 12.sweet sweet / 13.luna / 14.pissant
※14曲目は日本盤のみ収録

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93年リリースの2ndアルバム。リーダー、ビリー・コーガンの才能がいよいよ開花。

パンキッシュなだけではなく、そこに色んなスパイスをふりかけて、見事に味付け。ヴォーカルスタイルも前作と比べるとかなり変わってまして、感情表現豊かになってます。メリハリつきました。アルバム全体に漂う甘さを「砂糖」的な美味しい甘さと捉えるか、それとも「麻薬」的な絶望を孕んだ甘さと捉えるかで、かなり聴き方が変わってきます。僕としては後者、ドラッギーな白昼夢的イメージをもってまして、それが凝縮されているのが、M-3の“トゥデイ”。落ち着いた感じなんですが、その甘美で死線を彷徨うようなムードは別格です。しきりに繰り返される「今日はいままでで最高の日」というフレーズ。「明日のためになんか生きられない」、「明日を待ってなんかいられない」という絶望感。

全編を彩る「ああ天使ってスゲエ綺麗だなあ」⇒「でもあれってお迎えだよね」⇒「俺って死ぬんだね」、みたいな甘さと絶望。いつまでも決して色褪せない傑作。ちなみにプロデューサーはブッチ・ヴィグ。



Title … MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADDNESS
Number
[DISC 1:DAWN TO DUSK]
01.mellon collie and the infinite sadness / 02.tonight, tonight / 03.jellybelly / 04.zero
05.here is no why / 06.bullet with butterfly wings / 07.to forgive / 08.an ode to no one / 09.love
10.cupid de locke / 11.galapogos / 12.muzzle / 13.porcelina of the vast oceans / 14.take me down

[DISK2:TWILIGHT TO STARLIGHT]
01.where boys fear to tread / 02.bodies / 03.thirty-three / 04.in the arms of sleep / 05.1979
06.tales of a scorched earth / 07.thru the eyes of ruby / 08.stumbleine / 09.x.y.u.
10.we only come out at night / 11.beautiful / 12.lily(my one and only) / 13.by starlight
14.farewell and goodnight

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95年発表の3rdアルバム。一念発起の2枚組。ビリーの才能がついに大爆発。次から次へと繰り出される良歌には圧倒されます。

ゴリゴリのギターサウンドとメロウでアコースティックな楽曲を散りばめても崩れない世界観はすごいですね。後に見せることになるエレクトロな要素やアコースティックな部分はこの頃から垣間見ることが出来ます。特にここから切られたシングルにそっと収められたアコースティックな曲たちの素晴らしいこと。もう涙が出そうなほどです。僕はそういった楽曲にこのバンドの真骨頂があったように思います。装飾を抜きにして、アコースティックギター1本で充分に聞かせられる楽曲たち。

このアルバムには、大人になることによってのイノセントの喪失と、もう戻れないがゆえに止まらない悲しみ、そんなテーマが込められているそうですが、一聴しただけではそれを感じ取るのは難しいですね。歌詞も難解な気がします。ただそういった要素を抜きにしても、楽曲だけで充分に堪能できるアルバムです。大傑作。文句なし。



Title … ADORE
Number
01.to sheila / 02.ava adore / 03.perfect / 04.daphne descends
05.once upon a time / 06.tear / 07.crestfallen / 08.appels + oranjes
09.pug / 10.the tale of dusty and pistol pete / 11.annie-dog
12.shame / 13.behold! the night mare / 14.for martha / 15.blank page
16.once in a while / 17.17

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ドラマー、ジミーの解雇中に作られた4thアルバム。98年発表。

今までとはチョット、いやかなり違う。静謐ですね。そしてエレクトロ。「バンド」という感じはあまりしません。ドラムも基本的に打ち込みです。3rdの“1979”や“ビューティフル”、“キューピッド・ドゥ・ロック”、これらが好きな人はきっと気に入るでしょう。

完璧を求め、イノセンスの喪失を嘆いていた男が、完璧でなくてもいいと気づいたときに鳴らした音、それはこんなにも透明で美しい音。キュアーやデペッシュモードをカヴァーしているビリーならこんなアルバム作るかも…と納得はできますが、スマッシング・パンプキンズとしてのこの作品は、あまりにも急激な変化であり、賛否両論だったようです。セールス的にも、大失敗ではないものの、ビリーにとっては思わしくなかったようです。その失望が解散の引き金かと言われたことも…。

ただ、日本では何故かしら人気の高いアルバムです。僕も好きです。



Title … MACHINA/THE MACHINES OF GOD
Number
01.the everlasting gaze / 02.raindrops & sunshowers / 03.stand inside your 0love
04.i of the morning / 05.the sacred and profane / 06.try, try, try / 07.heavy metal machine
08.this time / 09.the imploding voice / 10.glass and the ghost children / 11.wound
12.the crying tree of mercury / 13.speed kills / 14.age of innocence / 15.with every light
16.blue skies bring tears
※13曲目は、日本盤のみ収録。

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CD化されたものとしては最後のスタジオアルバム。2000年リリース。

ドラマー、ジミーの復帰とともにバンドサウンドが復活。しかしやはり前作を踏襲していて、どこかキラキラした雰囲気です。そしていつになくPOP。最も抜けた感じがします。気負わず聴けますが、逆にそこが不評を買ったりもしました。「もう終わった」とか、「つらくて聴いてられない」なんて酷評もありましたね。これを製作中にすでに解散は決まっていたとのことで、「いっちょ最後に作ってやるか」的なノリで製作されたもののようです。そのせいかビリーの歌い方も違いますね。切迫感が薄くなっている気がします。どこか日の光のような優しい空気が漂っています。

歌詞の内容は前向きだったり後ろ向きだったり。インタヴューでも歌詞の内容についての詳しい言及はなされていませんが、1人の男の心象風景が描かれているそうです。まあ「1人の男」がビリー・コーガンその人であることは間違いないでしょう。やはり解散への想いが表れてるのかな、とも思います。考えすぎか…。

芸術性を気にする人からはなんだかんだ言われましたが、けっこう人気のあるアルバムだと思います。



Title … ZEITGEIST
Number
01.doomsday clock / 02.7shades of black / 03.bleeding the orchid / 04.that's the way(my love is)
05.tarantula / 06.starz / 07.united states / 08.neverlost / 09.bring the light
10.(come on)let's go! / 11.for god and country / 12.pomp and circumstances / 13.death from above
※13曲目は、日本盤ボーナストラック。

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2000年に解散をしたスマパンことスマッシング・パンプキンズが、7年ぶりに復活! と言っても、ビリーはスマパン解散後、自身のソロ作発表時に、いちはやく復活宣言をしていたので、今更驚きはないが、「おお、遂に」という感慨は大きい(もっとも僕自身、最初は復活に半信半疑だったが…)。バンドは本作発表前にすでにライヴを行っていたのだが、予想通り、残念ながら、オリジナルメンバーでの復活ではなかった。多くの人が注目していたであろう、ビリーの影になりながらも、巨大な才能を発揮していたギタリスト、ジェームス・イハの姿はそこにはなかった。ベーシスト、ダーシーも同じく。僕はダーシーの後任のメリッサも好きだったのだが、彼女もまたいなかった。復活ライヴでは新たなギタリストとベーシストが迎えられていたようだが、本作の作成は、ほぼビリー・コーガンと、ドラマーであるジミー・チェンバレンのみで行われている。

のっけからジミーのドラムロールとゴリゴリのギターが鳴り響き、「ヘビー」な印象を与えられる。アルバムの冒頭が全体を象徴するとはよく言われることだけれど、まさに全編がそんな調子。ビリーの声は相変わらず鳥獣的なテイストなのだが、毒気が抜けてますね。シャウトしてもそこに怒りがないというか。インタビュー等をまったく読んでいないので、ビリーがどんな精神状態か分からないのだけど、どうやらここに怒りはない様子。常に変化し続けてきた彼(ら)だから、単なる過去の焼き直しはしないだろうと思っていたけれど、にしても見事に丸い印象。ツルッと聴けてしまう。音はゴリゴリなんですけどね。棘(とげ)がない。

昔(というか『マシーナ』の頃)をはっきりと思い出させるのはM-4ですね。きらめくギターとミニマルなメロディ、どこか物憂げなビリーのヴォーカル。好きです。しかし、それ以外は、どうだろう…どうもPOPでない。昔と比べて申し訳ないのだけど、長尺なM-7などにもスマパン独特の粘り気が、サイケデリアが薄い。ディストーションギターと暴れ狂うドラムの中で歌われる「僕らは生きている 僕は大丈夫 だから今夜 なぜか?と問う なぜ 今夜? 驚きもしない 僕は生き延びる!」という歌詞には、まさに復活に際しての咆哮、強い意志を一際強く感じるが…んー。

後半にいくにしたがって、解説にもあるように、ソロ的な、ニューウェイヴ的な匂いが強くなる。M-8なんか、僕の頭に秋の景色を浮かばせる、そのサウンドと言うか空気感はすごく好きなのだけれど、たとえば途中で入ってくる一筋のギターとかね、好きなのだけれど…。M-9も、薄くたなびくシンセ音と、疾走感のあるドラム、その上を舞うメタリックなギター、音はすげーかっこいいんだけど…。欲を言うとメロディが…。んー。これが新生パンプキンズの音なのだと言われればそれまでなのだけれど、過去の作品から期待を膨らませていた僕は、どうやらそれについていけていないようだ。だもんで、次の作品に期待してしまうなー。



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