MARILYN MANSON ● Home ■ Music ◆ Official HP


■Titles■
□94年 … GET YOUR GUNN □94年 … PORTRAIT OF AN AMERICAN FAMILY
□95年 … LUNCH BOX □95年 … SWEET DREAMS
□95年 … SMELLS LIKE CHILDREN □96年 … ANCHICRIST SUPERSTAR
□97年 … THE BEAUTIFUL PEOPLE □97年 … TOURNIQUET
□97年 … LONG HARD ROAD OUT OF HELL □98年 … REMIX & REPENT
□98年 … DEAD TO THE WORLD □98年 … MECHANICAL ANIMALS
□98年 … THE DOPE SHOW □99年 … I DON'T LIKE THE DRUGS[BUT THE DRUGS LIKE ME]
□99年 … ROCK IS DEAD □99年 … THE LAST TOUR ON EARTH
□99年 … GOD IS IN THE T.V. □00年 … DISPOSABLE TEENS
□00年 … HOLYWOOD(in the shadow of the valley of death) □01年 … THE FIGHT SONG 〜RARE TRACKS〜
□02年 … TAINTED LOVE
□02年 … GUNS GOD AND GOVERMENT(VHS/DVD)
□03年 … THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE □03年 … THIS IS THE NEW SHIT
□04年 … LEST WE FORGET □07年 … HEART-SHAPED GLASSES
□07年 … EAT ME, DRINK ME □09年 … THE HIGH END OF LOW
赤字になっているタイトルをclickすると、該当箇所にジャンプします。






□Title … GET YOUR GUNN
□Number …
01.get your gunn(album version) / 02.misery machine(album version) / 03.mother inerior got her gunn
04.revelation #9

□Comment …
マリリン・マンソンの記念すべき1stシングル。94年発表。ちなみに「マリリン・マンソン」というのは、バンド名であると同時に、ヴォーカリストの名前でもあります(もちろん芸名)。よく単独アーティストだと勘違いされるようですが、それは間違い。まあワンマンバンドには違いありませんが。

彼らは、ナイン・インチ・ネイルズ(NIN)のトレント・レズナーが立ち上げたレーベル「nothing」と契約したアーティスト第1弾として注目されました。実際、この頃の彼らにはそれ以外にたいした特徴はありません。もちろん、オドロオドロしくて猟奇的で、B級なミステリアス性を漂わせていたのは間違いないんですが。このシングルの中でも、そんなB級なホラーテイストが披露されています。けれども、それだけ。楽曲はいたって普通のハードロックで、そこに少しホラーな味付けがなされているだけ。

タイトル曲はいまだライヴでも演奏される曲で、重いドラムとギターリフが印象的なポップなヘヴィ・ロックです。M-2はドライヴ感満点のこれまた無難なハードロック。僕はけっこう好きですが。M-3はタイトル曲のリミックスで、担当したのはトレント・レズナー。原曲がバンドスタイルなのに対して、こちらはトレントらしいバリバリのマシーナリーなリミックスになっているのが面白い。M-4は実験的なインストゥルメンタルで、「ただのハードロックバンドじゃないんだぜ」ということを言いたそう。

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□Title … PORTRAIT OF AN AMERICAN FAMILY
□Number …
01.prelude(the family trip) / 02.cake and sodomy / 03.lunchbox / 04.organ ginder / 05.cyclops
06.dopehat / 07.get your gunn / 08.wrapped in plastic / 09.dogma / 10.sweet tooth
11.snakeeyes and sissies / 12.my monky / 13.misery machine

□Comment …
94年発表の1stアルバム。プロデューサーはやはりNINのトレント・レズナー。トレントの他にも、今やNIN関連の作品でお馴染みのアラン・モウルダーやショーン・ビヴァン、それからインダストリアルミュージックの界隈では有名なロリ・モシマンといった、豪華なメンツが関わっています。しかしながら、こういったインダストリアル勢が関わっているものの、サウンドの方は驚くほどバンドスタイル。機械的な処理はほとんど耳につきません。これはマンソンの意向なのか、それともレーベルとしての方針だったのか。

楽曲の特徴は先のシングルとまったく変わらず、怪しいB級な匂いがそこかしこから漂うハードロック。曲の途中でさしはさまれる「お化け屋敷」的な効果音や、マンソンの「いかにも」な歌いっぷりが、良くも悪くもコケおどし的な匂いを振りまいています。だからなんだろうなー、この頃のマンソンがキッズに人気だったのは。言われなければトレント・レズナーが関わっているとは思えない作品です。

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□Title … LUNCHBOX
□Number …
01.lunchbox / 02.next motherfucker(remix) / 03.down in the park
04.brown bag(remix) / 05.metal(remix) / 06.lunchbox(highschool drop-outs)

□Comment …
95年発表のシングルで、タイトル曲は1stアルバムにも収録されています。

タイトル曲ではマンソンの素直な気持ちが歌われているようにも思います――「i wanna be a big rock and roll star.i wanna grow up. i wanna be. so no one fuck with me.(ビッグなロックンロールスターになりたい。大きくなりたい。俺はなりたい。そうすれば誰も俺のことをばかにしない)」。サウンドの方は、これはとある雑誌で「ゴス版レッチリ」とも言われてましたが、確かにそんな感じ。ヘヴィなリフが印象的なミクスチャーともラップともとれる曲で、聴きようによっては「イタイ」作品(まあ僕はそうは思わないけども)。実際、この曲のクリップのマンソンは黒髪を長く伸ばして、上半身裸で、下は黒のレザーパンツで、どう見てもレッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニーを意識していたとしか思えません。あ、ちなみにこの頃のマンソンはまだ眉毛があります(笑)。

2,4,5曲目はタイトル曲のリミックスで、手がけているのは元NINのキーボーディスト、チャーリー・クラウザー。リズムとギターリフをうまく使った彼らしいリミックスが堪能できます。M-3はゲイリー・ニューマンのカヴァーで、冷たくて落ち着いた感じに仕上がっているから、過激性を求める人にはチョット不十分かもしれません。実際、聴いててもあんま気持ち良くはないです(笑)。

このシングルあたりから、全編通して聞くと、電気的な処理が耳につき始めますね。ちなみにこのシングル、ジャケット裏面に全裸のマンソンが寝そべっている!

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□Title … SMELLS LIKE CHILDREN
□Number …
01.the hands of small children / 02.diary of a dope fiend / 03.s****y chicken gang bang
04.kiddie grinder(remix) / 05.sympathy for the parents / 06.sweet dreams(are made of this)
07.everlasting c***sucker(remix) / 08.fu*** frankie / 09.i put a spell on you
10.may cause discoloration of the urine or feces / 11.scabs, guns, and peanut butter
12.dance of the dope hats(remix) /13.white trash / 14.dancing with the one-legged
15.rock 'n' roll nigger

□Comment …
95年発表の作品。どうやら公式的には2ndアルバムとして扱われている、と今まで思っていたんですが、EP扱いでした……すいません(謝罪)。プロデューサーは依然としてトレント・レズナー。

収録されているのは、1st収録曲のリミックスやカヴァー曲、それからオリジナル曲と、ごった煮状態です。マンソンはよく人の曲をカヴァーしているけれども、このアルバムがその第一歩になっている気もしますね。M-6ではユーリズミックスの“スウィート・ドリームス”をこれでもかというくらいに湿っぽくして披露しているし、M-9ではスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの“アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー”を毒々しく過激にカヴァーし、M-15ではパティ・スミスの“ロックンロール・ニガー”をかなりアグレッシヴにして歌っています。痛快。

そしてこの作品がマリリン・マンソンの「B級こけおどし路線」の最盛期であるようにも思います。インスト曲においてはそのB級センスがもはやとどまるところを知らぬくらいに全開。歌モノにおいてはやたらと電気的かつアグレッシヴで、いよいよトレントの本領発揮といった感じがします。この作品はきっと、マンソンの軌跡を追う上では避けては通れないモノでしょう。彼(あるいは彼ら)の飛躍への布石。

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□Title … ANTICHRIST SUPERSTAR
□Number …
01.irresponsible hate anthem / 02. the beautiful people / 03.dried up, tied and dead to the world
04.tourniquet / 05.little horn / 06.cryptorchid / 7.deformgraphy / 08.wormboy
09.mister superstar / 10.angel with the scabbed wings / 11.kinderfeld / 12.antichrist superstar
13.1996 / 14.minute of decay / 15.the reflecting god / 16.man that you fear

□Comment …
大成長を遂げた2ndアルバム。96年発表。全米チャート初登場2位を記録。プロデュースはトレント・レズナーと元スキニー・パピーのデイヴ・オグリヴィ。

芋虫がチョウへと羽化するような、あざやかな転身。B級からA級へのステップアップ。ジャケットにしても、今までは原色を多用したケバケバしいデザインだったものが、ここからは黒を基調としたシリアスなものになっています。「やればできるじゃんよ!」、そんな感じ。サウンドの方は、溶けた鉛がゆっくりと流れていくようなイメージ。ドロドロしてて鈍く光ってて、うかつに触るとやけどする。今までの作品を聴いたあとでこれを聴くと、明らかに「機械的」になっているのが分るんですが、これから聴き始めると、「どこが?」という印象があるでしょうね。思いっきりバンドサウンドじゃないかと、そう思うでしょう。確かに実際バンドなわけだし、その枠を取り外せないのは確か。だけど、バンドサウンドを下地にした上での、トレントらの手によるエレクトロニックな味付け、それによって緻密に構成された息詰まるような暗黒世界は圧巻。

前作あたりからのマンソン自身の成長も著しく、猟奇的な雰囲気を漂わせながら粘りつくように歌ったかと思うと、急にぶちきれたシャウトをしたり、悲壮感を漂わせるようなすすり泣きじみた声を聴かせたり、歌い方に表情が出た気がします(まあ怒りのシャウトが大半を占めてはいるんですが…)。また、歌詞が難解ですね。もはや対訳を読んでも、何を言わんとしているかがよく分らない曲が多いです。これはやっぱり「アンチクライスト・スーパースター」という役割を演じるにあたって、聖書を皮肉っている部分があるからなのかも。きっと聖書を勉強しているものでないと、理解できない部分もあるんでしょう。またあるいは、マンソンのレトリックが僕らには少々高度すぎるせいなのかもしれない。まあいずれにしろ、難しいですよ…エエ。

3rd、4thアルバムのコメントを読んでもらえると全貌が見えてくると思うんですが、このアルバムは壮大な3部作の最終部になっているようです。ここで最終的に自分自身を破壊することになり、その物語は終わるんですね。だから――破壊や嫌悪をテーマにしているから、このアルバムは「怒りに満ちている」。

とにかくこの作品、バンドサウンドと機械的・電子的な処理が見事に融合した傑作であることは間違いありません。…しかしながら、マンソンとトレントは作品を作り上げる中でお互いに譲り合うことが出来ず衝突。結果として、これ以降一緒に仕事をする可能性はほぼなくなってしまったようです。残念。ちなみに僕は、このアルバムの内ジャケットに写っているスーツ姿のマンソンが一番好きです。

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□Title … THE BEAUTIFUL PEOPLE
□Number …
01.the beautiful people / 02.the horrible people / 03.sweet dreams / 04.cryptorchid
05.the not so beautiful people

□Comment …
2ndアルバムからの第1弾シングル「ビューティフル・ピープル」は、イギリスやオーストラリア、ドイツ、各国で収録曲が異なる形で発表されました。この作品は、それらに収録されている曲の中から、日本独自の編集で5曲を集めたもの。97年にリリース。他国でバラバラに発表された未発表曲(“ビューティフル・ピープル”のリミックス)は、これさえ持っていれば全部聴けるので、他を集める必要はないでしょう。

聴き所は2曲目と5曲目に収録されているタイトル曲のリミックスでしょうね。それ以外は既発曲だし。M-2のリミックスを手がけたのはブラック・グレープの参謀ダニー・セイバーで、原曲の小気味よいギターリフにブラスを加えたどこかジャジーでコミカルなリミックスが面白いです。そしてM-5を手がけたのはインダストリアル/ノイズミュージックの大御所、フィータスことジム・G・サールウェル。やはりこちらも原曲のギターリフを前面に押し出したゴリゴリな感じのリミックスになっていて、そこにずっぱまりの心地よいドラムがかぶさってくる、なんとも痛快なリミックスが堪能できます。

マリリン・マンソンはバンドながら、シングルで割とこういうテクノ仕様のリミックスをガンガンやってくれるのが嬉しいですね。

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□Title … TOURNIQUET
□Number …
[CD ��]
01.tourniquet / 02. the tournique prosthetic dance mix(edit) / 03.the tourniquet prosthetic dance mix

[CD �供�
01.tourniquet / 02. lunchbox / 03.next m f remix

□Comment …
2ndアルバムからの第2弾シングル「トゥニーキット」。97年発表。ここで紹介していているのはUK盤。その他にもオーストラリアとドイツでリリースされています。このUK盤は2枚に分かれていて、それぞれにタイトル曲とそれ以外の曲が2曲収録。けれど1枚目に収録の“プロスセティック・ダンス・ミックス”以外は、今となっては全て日本盤で聴けるため、あえて手に入れる必要性は低いかもしれません。

タイトル曲は、よく聴き込むと非常にメロディアスな、けれどジメジメした湿っぽい曲。叫ぶだけでなく、押し引きがハッキリしてきたマンソンのヴォーカルスタイルが印象的。1枚目のM-2,3のリミックスはショーン・ビヴァンとマリリン・マンソンが手がけていて、原曲の粘っこくてドロドロしたサウンドがエレクトロニックな味付けによってさらに強調されています。2枚目のM-3に収録されているのは、シングル「ランチボックス」に収録されている“ネクスト・マザーファッカー”と同じモノ。

こうしてみると、マンソンがシングルカットする曲は、アルバム中の思いっきりアグレッシヴでポップなものというよりは、どこか控えめなものが多いようにも思います。

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□Title … REMIX & REPENT
□Number …
01.the horrible people / 02.the tourniquet(prosthetic dance mix)
03.dried up, tied and dead to the world(live in Utica, NY) / 04.antichrist superstar(live in Hartford, CT)
05.man that you fear(acoustic requiem for antichrist superstar)

□Comment …
他国と違って『アンチクライスト・スーパースター』からの2枚のシングルが発売されなかったアメリカでは、この作品が発表されました。97年リリース。

M-1は「ビューティフル・ピープル」に含まれていたタイトル曲のリミックスでして、M-2は上で紹介しているシングル「トゥニーキット」のDISC�気房�録されています。ということで、ここで聴き所なのは、やはりライヴ音源であるM-3,4。ファンの歓声やマンソンの生々しい歌声によって、臨場感が溢れまくり。やはりナンダカンダ言ってもマリリン・マンソンはバンドなのだということが分ります。アルバムでの電気的な処理も結構ですが、やはりこういった有機的というか肉弾的な音を出しているほうが彼らにはあっている気もします。M-5は、当時にしては珍しいアコースティックナンバー。しかしまったくのアコースティックというわけではなく、バックにはマンソンらしい不穏な効果音が浮遊。ちなみにギターを弾いているのはトゥイギ―・ラミレズ(現在脱退!)。マンソンは「基本的にはギターはプレイしない」んだそうな。ライブでは「ジャラ〜ン!」って弾いてただけだったしなあ…。

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□Title … DEAD TO THE WORLD

□Comment …
『アンチクライスト〜』に伴うツアーの様子を収めたライヴドキュメンタリ−ビデオ。98年発表。当時次第に強まりつつあったマリリン・マンソンの勢いが、見事にここに封じ込められています。

ライヴに反対する熱心すぎるキリスト教信者たちや、マンソンを批難するひとびとの映像をたくみに使って、皮肉って、自分たちが「すごいバンド」だと宣伝することに成功しています。そういった周囲のひとびとの映像と共に、舞台裏でのバンドメンバー自身の行動もここでは堪能できます。それは薬物の使用をほのめかすような映像だったり、嘔吐シーンであったり、放尿シーンであったり、果ては脱糞であったり。エログロな映像がオンパレード。

もちろんライヴ映像の方も見逃せません。これがメイン。彼らのヴィジュアル面をじっくり堪能しましょう。上半身裸でコルセットを身につけ、足には穴の空いた黒いストッキングをはき、手には拘束具のようなものをつけて奇怪な動作や目つきを見せるマンソン。そして他のメンバーも同様に、性別が判定しがたくて、かつゴシックな格好をして演奏しています。ステージセットの方も、中世風のデコレーション。よく彼らが日本のヴィジュアル系バンドと同じ系列に並べられてしまうことがあるのは、きっとそのヴィジュアルゆえでしょう。それは仕方がないことだと思います。

また、マンソンがライヴで行う特徴的なパフォーマンスのいくつかも、ここで目にすることができます。例えば、ステージ上に設置された教壇の上で聖書を破り捨てながら歌を歌うというもの(これがキリスト教団体から批難をくらったひとつの理由でもあります)。そして鉄製の竹馬じみたものに跨って、ステージ上をのし歩きながら歌を歌うというもの。それから、ワインボトルを割って、その破片で自らの身体に傷をつけたり、マイクで胸をドンドン叩いたり。とにかく彼らのライヴがいかにショーアップされたものであるかが分ると同時に、マンソンの芸人根性に恐れ入ります。素敵で過激なエンターテイメントに完敗、そして乾杯。

アンダーグラウンド街道を一直線に突っ走り、そのアンダーグラウンド性をメインストリームに押し上げる寸前にあった、当時のマリリン・マンソンの姿がここにあります。

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□Title … MECHANICAL ANIMALS
□Number …
01.great big white world / 02.the dope show / 03.mechanical animals / 04.rock is dead
05.disassociative / 06.the speed of pain / 07.posthuman / 08.i want to disappear
09.i don't like the drugs(but the drugs like me) / 10.new model no.5
11.user friendly / 12.fundamentaly loathsome / 13.the last day on earth / 14.coma white

□Comment …
マンソンのデヴィッド・ボウイ化が囁かれた3rdアルバム。98年発表。前作での成功で確実にメインストリームに食い込みはじめたマンソンであるけども、彼らのようなバンドにとってはどこまでその刺激性を保っていられるかが勝負です。明らかに音楽性よりもその言動やパフォーマンスに注目が集まっていたし、彼らもそれを最大限に利用していたという事実がネックになってきます。はじめに過激性に基づいたある程度のインパクトを与えることができ、それで成功をつかんだとしても、次第にひとびとは慣れてくるし、もっと上を求められる。過激性なんてどこまで追っかけてもキリがない。限度がある。で、バンドとしてはやばくなるわけです。

「過激なのはもういいよ、音楽を聴いてくれ」、マンソンたちがそう思ったのかどうかは分りませんが、この作品ではこれまでのヘヴィロック路線をやや変更。楽曲はグラマラスでポップなものへと変化。ひょっとしたらトレントとの決別も何らかの形で影響しているのかもしれません。僕は「マンソン、はじめっからこういう音がやりたかったのか?」という疑念すら感じてしまいました。ヴィジュアル面でも変化が起こり、両性具有者を演じ、髪は赤毛になり、衣装はサイバーで近未来的なものへとスイッチング。視覚的にもこれまでの暗黒なイメージを払拭し、今までとは違ったインパクトを与えることに成功しました。

この作品は3部作の第2部で、歌詞においてはロックスターの悲劇を歌っているようです。メディアによってもてはやされ、彼らの奴隷となり、好き放題に使われてしまう。ここではその「奴隷となって魂を抜かれた」状態を歌っているそう。だからこのアルバムにおけるサウンドは、マンソンの言葉を借りれば「空虚で悲しみに満ちている」。そしてそんな奴隷状態の自分を止めるためには、自分を破壊するしかなくなり、そこから『アンチクライスト〜』における「自分自身を破壊する」という展開につながるそうです。ひょっとしたら「魂を抜かれた」ってのは、マンソン自身のことでしょうかね…。まあいずれにしろ、クレバーな人です。言い訳が上手いって言い方も可能ですかね(笑)。

日本で注目を集め始めたのは丁度この頃でしょうか。ジャケットが強烈だったせいもあるかも。先にも言ったように、どうしても「ヴィジュアル系」なイメージがつきまとうんですが、その音楽性は良くも悪くもゼンゼン違いますよ!(マジで。ホントに。違うから)。コンセプト的な面はさておき、これはヴォーカルスタイルも含め、演者としてのマンソンの成長が伺える佳作だと思います。前作より断然POPだし。ちょっと単調すぎる気もしますが。

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□Title … THE DOPE SHOW
□Number …
01.the dope show / 02.sweet dreams(are made of this)( live ) / 03.apple of sodom( live )
04.the beautiful people( live )

□Comment …
3rdアルバムからの1stシングル。98年発表。

アルバム収録曲の中でもとりわけグラマラスなタイトル曲。プロモーションビデオの中では、以前とは別人のようにカラフルになったマンソンが歌っています。このプロモ、ストーリー仕立てになっていて、荒野を歩いていたらいきなり正体不明の機関につかまって、研究所じみたところで改造されて、何故か突如ロックスターとして売り出され、周囲からチヤホヤされるんですが、そんな自分とまったく同じ輩が研究所内に溢れるほどいることに気づき、「自分は単に機関の奴らに利用されていたんだな」と、最後には怒りと同時に空しい気持ちがやってくるいう、なんとも示唆的な内容です。どっかで「これって仮面ライダーに似てない?」というようなレビューも目にした気がします(笑)。

そんなタイトル曲に加えて、他にライブ音源が3つ、ここでは聴けます。特に「オォ」というものはないんですが、“アップル・オブ・ソドム”は「ロスト・ハイウェイ」のサントラ収録曲で、他に聴ける場所がないので割と貴重かもしれません。あと“ビューティフル・ピ―プル”にブラス隊が参加しているんですが、妙にマッチしていて、かつ新鮮で面白いです。

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□Title … I DON'T LIKE THE DRUGS[BUT THE DRUGS LIKE ME]
□Number …
01.i don't like the drugs(but the drugs like me)(infected by the scourge of the earth)
02.i don't like the drugs(but the drugs like me)(danny saber remix)
03.i don't like the drugs(but the drugs like me)(every day)
04.i don't like the drugs(but the drugs like me)(absinth makes the heart grow fonder)
05.i don't like the drugs(but the drugs like me)

□Comment …
3rdアルバムからの2ndシングル。99年発表。これまたアルバム収録のグラマラスな曲。それを3組のリミキサー陣がリミックス。

M-1は元KLFのジミー・コーティによるもので、合衆国の国歌を導入部にして、強烈なビートが印象的なアグレッシヴな展開をみせます。M-2はビューティフル・ピープルのリミックスでも活躍済みのダニー・セイバーが担当。原曲のグラマラスなノリをそのままに、ギターを前面に押し出したリミックスで、耳に心地よいです。M-3と4はUKのテクノユニット、ブラック・ドッグが担当。M-3ではマンソンのヴォーカルの断片だけを残し、あとは原曲の名残をほとんど感じさせないエレクトロニックなリミックス。M-4もこれまたテクノ色の強いリミックスで、原曲を元にしたと思しき簡素なバックトラックが特徴。でもどちらもノリがあんまり良くない…(笑)。

M-5はアルバム収録のオリジナルです。リミックスを散々聴いた後にこのオリジナルを聴くとあまりにも真っ当でどこかホッとします。それと同時に「やっぱマンソン、昔に比べて歌い方が上手くなったなあ」と思う(笑)。

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□Title … THE LAST TOUR ON EARTH
□Number …
01.inauguration of the mechanical christ / 02.the reflecting god / 03.great big white world
04. get your gunn / 05.sweet dreams/hell outro / 06.rock is dead / 07.the dope show / 08.lunchbox
09.i don't drugs(but the drugs like me) / 10.antichrist superstar / 11.the beautiful people
12.irresponsible hate anthem / 13.the last day on earth / 14.astonishing panorama of the endtimes

□Comment …
3rdアルバムに伴うツアーを収めたライヴアルバム。99年発表。このCDでようやっとライヴバンド「マリリン・マンソン」を堪能することができます。CD音源ももちろんよろしいんですが、なにぶん彼らは間違いなく「ライヴバンド」なので、「今までライヴ盤出てないのがおかしかったんだ」と、そう言いたい。

このアルバムはこの時点までのベスト盤的内容になっています。今までのアルバムからの美味しいとこどりなわけですね。しかも、毛色の違うアルバムごとの楽曲たちを見事にライヴとして一色にまとめあげてます。頭から尻まで一本筋が通ってて、「おおこれがマリリン・マンソンというバンドの音なんだな」と、なんか実感できる。

またライヴならではの楽曲上の演出もここでは楽しめます。導入部分の“インオギュレーション・オブ・メカニカル・クライスト”は4thアルバムのM-1の原型かとも思えるインストですが、これが聴けるのはここだけだし、M-5の“スウィート・ドリームス”の最後に演奏される“ヘル・アウトロ”が聴けるのもここだけ。さらにM-6の“ロック・イズ・デッド”ではコーラス隊が参加!これはアルバム収録曲にはなかった演出です。こういう細かい演出があますところなく収録されているのが、ファンとしては嬉しい限りです。しかし悲しいことに、マンソンには欠かせないヴィジュアル的な興奮がCDからでは得られません。ということで、これは是非同時期に発売されたビデオ作品『GOD IS IN THE T.V.』も見るべきでしょう。

何にせよ、楽曲がPOPだからライヴで一緒に歌えるのが嬉しい。彼らがただ単に奇抜なだけでビッグになったのではないと実感。

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□Title … GOD IS IN THE T.V.
□Contents …
[VIDEO CLIPS]
01.coma white / 02.rock is dead / 03.i don't like the drugs(but the drugs like me)
04. the dope show / 05.long hard road out of hell / 06.cryptorchid / 07.man that you fear
08.tourniquet / 09.the beautiful people / 10.sweet dreams / 11.dope hat / 12.lunch box
13.get your gunn / 14.uncensored footage of the dope show

plus an additional hour of live concert and back stage footage from the most talked about tour of 1999

□Comment …
3rdアルバム『メカニカル・アニマルズ』までに作成されたビデオクリップすべてと、1999年のライヴツアーのドキュメントを収めたビデオ作品。99年リリース。マンソンのようなヴィジュアル面に重きをおいているアングラ志向なアーティストの場合、そのビデオクリップはファンならずとも見たくなるもの。これまではテキストでの紹介文からイメージを膨らませるしかありませんでしたが、この作品でようやくそのクリップたちを目にすることができます。

クリップは最新のものから過去の作品へさかのぼっていく形で収録されているので、見ているだけでマンソンの音楽面&ヴィジュアル面での変遷をたどることができます。荘厳な空気を漂わせる“コーマ・ホワイト”に始まり、示唆的な内容が顕著な“ドープ・ショウ”、“アイ・ドント・ライク・ザ・ドラッグス”、続いてエログロ志向まるだしの暗黒な『アンチクライスト〜』期の作品、そして最後に現在からするとやや控えめでB級テイストあふれる初期の作品。特に極彩色でケバケバしい“ドープ・ハット”などは、もはやお子様向け番組かと思うほどです。

個人的に好きなのは“マン・ザット・ユー・フィアー”のプロモで、寂れたトレーラーハウスで妻(恋人?)と小さな娘と日常生活を送っている素のマンソンが、不意に訪れた大衆によって行進にかりだされます。メイクアップをし、同じようにかりだされたバンドメンバーたちと行進を続ける途中で倒れるマンソン。しかし大衆はそれを許さずマンソン一味は歩きつづけます。最終的にはだだっぴろい荒野で大衆は足を止め、マンソン一味への攻撃を開始します。マンソンは逃げるでもなく、敢えてそれを受け入れ、大衆に向かって「さあやれよ」と胸をひろげます。そして最後は小さな娘がマンソンに向かって石を放ったところで画面は暗転、プロモが終了します。なんとも寂しさ溢れる内容。

後半のドキュメントはライヴの模様なんですが、チョットぶつ切りすぎますね。一曲丸々収録されているものがほとんどありません。残念。ただ舞台裏の映像が面白いので、どちらかというとそちらを目当てで見たほうがよろしいかもしれません。ツアーで訪れた富士急ハイランドでのファンとの対話、あるいはトゥイギ―とのゴーカート搭乗シーン(!)であったり、日本のファンには嬉しい映像が収められています。その他にも、ツアーバスから素っ裸で降りてきて恥ずかしそうに屋内に向かうシーンだったり、楽屋で展開されるギタリストのジョニー5いじめ(笑)であったり、舞台で火を使いたいがために子供じみた屁理屈こねるマンソンだったり、洗面台に火をつけておいて、スタッフに怒られそうになると妙にしおらしく消火するマンソンだったり、なかなか見ごたえがあります。何か子供っぽい普通の兄ちゃんだなあと、そんな印象さえ持たせてしまうほどに人間臭いことやってます。って、まあ人間なんですけどね(笑)。

総じて見ると1作目のビデオ作品に比べて非常にまっとうでして、一般受けのするエンターテイメント性の高い内容に思えます。

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□Title … HOLY WOOD [ in the shadow of the valley of death ]
□Number …
[IN THE SHADOW]
01.godeatgod / 02.the love song / 03.the fight song / 04.disposable teens
[THE ANDROYNE]
05.target audience(narcissus narcosis) / 06."president dead" / 07.in the shadow of the valley of death
08.cruci-fiction in space / 09.a place in the dirt
[OF RED EARTH]
10.the nobodies / 11.the death song / 12.lamb of god / 13.born again / 14.burning flag
[THE FALLEN]
15.coma black a)eden eye b)the apple discord / 16.valentine's day / 17.the fall of adam / 18.king kill33
19.count to six and die(the vaccum of infinite space encompassing)
------------------------------------------------------
20.the nobodies(acoustic version) / 21.mechanical animals(live)
※20、21曲目は、日本盤にのみ収録。

□Comment …
再びハードコアな作風を取り戻した4thアルバム。2000年発表。
本作は『アンチクライスト・スーパースター』、『メカニカル・アニマルズ』と併せて3部作を成し、その第1部にあたるものになります。インタビュー等に目を通してみると、このアルバムで演じられているキャラクターは「アダム・カットマン」なる人物だそう。そしてこのアルバムでは、デス・ヴァリーとホーリー・ウッドという、世の中を象徴する2つのメタファーが登場。デス・ヴァリーは恵まれないもの、望まれないものを象徴し、ホーリー・ウッドはより輝かしい世界、完璧な世界を象徴しています。マンソン演じるところの主人公はデス・ヴァリー側の人間であり、ホーリー・ウッドに受け入れられることを夢見ていますが、アチラ側の住人は彼を必要とはしておらず、受け入れません。そこで主人公は人生において一生懸命努力し、ホーリー・ウッドに受け入れてもらおうとします。ようやっとのことでその輝かしい世界にたどり着いたとき、彼は周囲にいる人間たちこそが自分をデス・ヴァリーに陥れた人たちだと気付くのです。主人公に「自分は世の中には必要ない」と感じさせていたのは、彼らだったのです。そのことに気付いたとき、彼は怒りに駆られ、革命を起こすことを決意。闘争宣言を掲げ、ホーリー・ウッドの破壊と転覆を試みます。ところが最終的にはホーリー・ウッドはその革命すら商品として取り上げ、世の中で売りさばきます。と、ここまでが本作の内容。

このあと『メカニカル・アニマルズ』内で、ホーリー・ウッド側の人間に捕まり魂を抜かれてしまった主人公(オメガ)の空虚感と苦しみが表現されます。彼はそこで自分が「敵だ」と思って闘い続けてきたものに、自分自身がなってしまったことに気付くのです。これが第2部の内容。そしてそんな自分を止めるにはもはや自分自身を破壊するしかないことに気付き、これが最終的に『アンチクライスト・スーパースター』で描かれる破壊の世界になります。そして3部作は終了。後付けにしてもとにかく筋は通ってるし、音楽業界で生きていく人間を見事に表現していると思いますし、唸らされます。

サウンド面ではプロデューサーにデイヴ・サーディを起用。ヘルメット等のプロデュースで知られる彼ですが、マンソンは彼を「僕の意図を初めて理解してくれた」と評価。その甲斐あってか、ここではただ単に音を重くしたり、音を重ねただけではなく、音の編みこみによって生まれる独特のヘヴィネスが感じ取れます。今までにない乾いた耳触りも、今作の世界観にマッチしていると思います。それに前作あたりから目立つようになったアコースティックな楽曲が今作でも光ります。M-12などいつになく流麗なメロディで初めて聴いたときにはチョット驚きました。さらに日本盤のボーナストラックに収録されているM-10のアコースティック・ヴァージョンも聴き逃せません。その歌声、かつてない生々しさ満点で鳥肌立ってしまいました。やるなマンソン。

『アンチクライスト・スーパースター』と比べてみると、今作で表現されている感情の放出の方が、アチラのモノより、よりリアルに受け取ることができますので、僕としては『アンチクライスト〜』は少し機械的・平板的すぎたかなと、そう思います。ということで、僕は3部作の中ではこの作品が1番好きです。1枚通して聴くとスンゴイ疲れますが(笑)

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□Title … THE FIGHT SONG 〜 RARE TRACKS
□Number …
01.the fight song( live ) / 02.the love song(remix version) / 03.disposable teens(remix version)
04.the fight song(slip knot remix)/ 05.diamond & pollen
06.working class hero / 07.five to one / 08.astonishing panorama of the endtimes

□Comment …
4thアルバムからリカットされたシングル「ファイトソング」、ヨーロッパでは2枚に分けて発売されましたが、これは日本独自編集盤。輸入盤には未収録であったM-1が売りでしょうか。

M-2、3のリミキサーは、アルバムでもプログラムを手がけていたボン・ハリス(ニッツァー・エブ)。前者は沈み込むようなミドルテンポのビートに原曲のギターリフとサビのシャウトを組み合わせた構成、そして後者はデジタルなイントロから一転してこれまたダヴィなビートとザクザクギターリフが炸裂するという、どちらかというと両方ともインスト的な要素が強いリミックスに仕上がってます。

M-5、6、7はアルバムの先行シングルであった「ディスポーサブル・ティーンズ」の日本盤、輸入盤に収録済み。M-6はジョン・レノンのカヴァーであり、M-7はドアーズのカヴァーになっています。僕はどちらのアーティストにも馴染みが薄いので、ここでオリジナルとの比較をすることはできませんが、いずれもマンソン印の楽曲に仕上がっています。アルバムプロモーションのインタヴューでもジョン・レノンへの言及をしたり、アルバム収録曲の中でもレノンの名を出したりと、マンソンはレノンに何がしかのシンパシーを感じているようです。それに以前インタヴューでジム・モリソンの本に影響を受けたとも言っているので、そういうところから今回のカヴァーが行われたのでしょう。

M-8はライヴ盤『ラストツアー〜』に新曲として収録されていたものと同一です。そしてM-4はスリップノットのドラマー、ジョーイによる“ファイト・ソング”のリミックス。前評判が上々だったので期待したんですが、いかんせん肩透かしでした(笑)。起伏がなさすぎますし、マンソンの歌声があまりマッチしていません。チョット残念。

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□Title … THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE
□Number …
01.thaeter / 02.this is new shit / 03.mOBSCENE / 04.doll-dagga buzz-buzz ziggety-zag
05.use your fist not your mouth / 06.the golden age of grotesque / 07.(s)AINT / 08.ka-boom ka-boom 09.slutgarden / 10.spade / 11.para-noir / 12.the bright young things / 13.better of two evils
14.vodevil / 15.obsequey(the death of art) / 16.tainted love / 17.baboon rape party / 18.paranoiac
※16,17,18曲目は、日本盤のみのボーナストラック。

[ボーナスDVD]
1.doppleherz

□Comment …
2003年に発表された5thアルバム。初回限定でDVDとの2枚組(もちろん値段はその分高い)。ベーシストでもありギタリストでもありメインのソングライターでもあったトゥイギー・ラミレズがアルバム制作の初期段階で脱退するという事件が発生。そのためラミレズは作品にはノータッチ。彼の代わりにバンドに入ったのは、もともと本作のプロデューサであった元KMFDMのTim Skold(ティム・スコルド)。

前作まで続いた3部作が終焉し、次はどんなコンセプト/テーマでくるのかという点が注目されたわけですが、特にコレ!といったコンセプトは設けられていないようです。ただし作品を作る上で1930年代のハリウッドやワイマル共和国の文化にインスパイアされたとのこと。その頃の文化が法律や倫理を無視する無邪気さを持ちながら、その無邪気さの中に猥褻さを含んでおり、その2つのイメージにマンソンが惹かれたというのが、その理由のようです。なるほど、無邪気かつ猥褻というのはかつてのマンソンを思い起こさせるじゃありませんか。考えてみると、ここ数作のマンソンは、猥褻だけれども無邪気さがなかったかなという気もします。前作などではあまりに生真面目すぎて「マンソンもすっかり大人」な感じがしたもんです。ということで、本作ではその「無邪気さ」がカムバック。M-3の安っぽい女性コーラスに代表されるような、おどけた感じが照れくさくも懐かしい。一方で宗教色や暴力性は減少してますね。疾走感のある曲はほとんどありませんし。

これまでの作品と端的に違うのはやはりリズムでしょう。マンソン自身、インタビューで『ビート作りには凄く時間をかけたし、それが全体の重要な位置を占めてたのは間違いないよ』と言っています。聴くと分りますが、明らかにヒップホップ的なリズム(それから歌い方)が耳につきます。そんなリズムにポップなメロディが乗ってハードなギターが絡んでくると、21世紀に入って台頭してきたニューメタル(もしくはラップメタル:いずれも死語ですか)みたいな匂いもしてきます。M-2などは“ランチボックス”以来のマンソン流暗黒ラップと言ってもいいんじゃないでしょうか。そしてこのリズムを持ち込んだのは新メンバーのティム・スコルド。『今度のアルバムで聴くことができるリズムの新しい要素は、ティムが主に持ち込んだんだ』とはマンソンの談。ときにエレクトロニクスを感じさせるカチカチしたドラムは耳に心地いよいんですが、1曲の中でもう少しメリハリあっても良かったと思います。

確かに曲ごとのメロディは聴きやすいし、歌詞も今までと比べると分りやすいから、聴いてても疲れません。がしかし、今までにも言われていることですが、やはり楽曲の幅が狭い。トゥイギーが抜けて、本作ではマンソンとギタリストのジョニー5(現在脱退)、それからティム・スコルドが中心になって作曲が行われたようですが、この点は変化がないように感じられます。むしろトゥイギーがいた頃の方が僕は好きかもしれません(もちろん今作も好きなんですが)。論理的な思考とセンセーショナルな言動、そして奇抜なルックスを兼ね備えたマンソンに何が足りないのかと言ったら、間違いなく優秀なソングライターでしょう――なんてことを感じてしまう。さらに、もともとこの人言葉が大好きな人だと思うんですが、それとヒップホップ的なリズムが災いしてか、1つのフレーズに歌詞がつめこまれている感があります。僕も含めた英語の達者でないファンの人がライヴで一緒に歌うには苦戦を強いられそうです。

ハイクオリティかつハイテンション、さらに全編通じて飽きさせない絶妙な構成を持った『アンチクライスト・スーパースター』の完成度にはやはり遠く及びませんが、このストレートさ加減・分りやすさは歓迎です。ちなみに僕が1番好きなのはM-12。開き直りとも取れる歌詞が痛快です―-「まったくなんのためにもならないけど/良くないものすべてを兼ね備えてる/なんの役にも立たないけど/悪いものはすべて取りそろえてる/自分たちが何者で何を言いたいかはわかってる/誰が聞いていようと気にしない/売るために反抗を装ってるわけじゃない/そいつがオレたちにピッタリだからさ/オレたちは若くて前途有望な者たち」。

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□Title … THIS IS THE NEW SHIT
□Number …
01.this is the new shit(album version) / 02.mOBSCENE‐sauerkraut remix(rammstein mix)
03.mOBSCENE‐remix by flint & youth(overnight mix) / 04.tainted love‐re-tainted interpretation
05.this is the new shit‐goldfrapp mix / 6.mind of a lunatic

[Enhanced portion]
01.mOBSCENE(video) / 02.this is the new shit(video)
03.making of mOBSCENE(with japanese translation subtitles)

□Comment …
アルバム『ザ・ゴールデンエイジ・オブ・グロテスク』に伴うツアーでの来日に先駆けてリリースされた来日記念盤。タイトル曲のリミックスと“モブシーン”のリミックスを中心に全6曲を収録。さらにPCデータとして、タイトル曲と“モブシーン”のクリップおよびそのメイキング映像を収録。2003年リリース。

タイトル曲“ディス・イズ・ザ・ニュー・シット”は、アルバムの冒頭を飾っていたヒップホップ色濃厚なリズムとクリアなギターが印象的な楽曲でしたが、これをリミックスしたのはGoldfrapp(ゴールドフラップ)。僕は未聴ながら、ヴォーカルのアリソン・ゴールドフラップのヴィジュアルイメージは1920年代のデカダンスな文化をイメージしたものだそうだし、自身のクリップの中で見せるキャバレー文化といい、音は違えど水面下でマンソンと共通する部分は多いよう。そんな彼らのリミックス作品は、単調なビートの中でエロティックな女性ヴォーカルが浮遊し(アリソンの声かな?)、ときおりマンソンのシャウトが浮かび上がってくる、どこかスカスカした印象。特に終わり際はなんとなくデヴィット・リンチの映画音楽(アンジェロ・バダラメンティとか)を思わせる耽美さアンドジャズテイスト。少しだけダニー・セイバーがリミックスした“ザ・ホリブル・ピープル”を思い出しました。

“モブシーン”のリミックスを行ったのはドイツのインダストリアルバンド(と言っていいと思うんだけど)、Rammsitein(ラムシュタイン)と、プロディジーのキース・フリントのバンドであるFlint(フリント)。ラムシュタインは「火吹き」や巨大な男性シンボル型ホースからの放水といった過激なライヴパフォーマンスで有名ですね(笑)。彼らのことだからてっきりガツンガツンのハンマービートとスラッシーなギターで畳み掛けてくると思いきや、テケテケシンセ音&ポスポスビートのチープな構成。そこにエフェクトかけた低音ヴォーカルを加味。しかし彼ら独特の、B級ホラー映画で連続殺人鬼が追いかけてくるみたいな、モヤモヤした切迫感は健在。でもやっぱガツンガツンなリミックスで来て欲しかったな〜。笑えるくらいにガチガチでも良いと思う。

フリントは僕は未聴ですが、プロディジーとは一味違う活きのいいバンドサウンドを鳴らしてるみたいですね。彼らが行ったのはほとんどカヴァー(!)。ギターやドラムだけでなくキースのヴォーカルも重なってます。結果的にマンソンとのツインヴォーカル。荒いギターも手伝って、オリジナルにはなかったバンド的なスピード感が満点。このやり方は正解でしょう。かっくいい(カッコイイ)です。

最後に特筆すべきは、やはりエンハンストの映像面。特に“モブシーン”のクリップはエロティックかつファッショナブルで鮮烈。初期に持っていた『サーカスの怪人』的なイメージが優雅に復活です。クリップの初めと終わりに登場する象や、グロテスクなメイクをしつつも美しいラインダンサー、頭に鳥かごをはめた女性、そしてマンソンの頭部模型(リアル!)を抱えた少女等、こいつはさぞかし強固なコンセプトがあるんだろうな〜なんて思いながらメイキング映像を見たら、思わず笑ってしまった、だってマンソンは冒頭でこんなことを言っていたから――「人によっては『スナップショット的な描写の意味が分らない』と言うだろう。だったら俺は言う。『だから?』 脚本だって? つまんねえよ、そんなの。いいじゃん思いつきで」だって。「何だ思いつきかよ!」って思わずツッコミを入れたくなりますが、何ともいやはや、頼もしいじゃないですか(笑)。それにホントに思いつきかどうか、分んないしね(マジで)。あ、それからタイトル曲のクリップの中で、おそらく良識的でないという理由で「Shit」の「S」が消されているんだけど、そのせいでマンソンのシャウトが「This is the new hit!」になっているのには面食らいました。解説にも書いてあるけれど、これは狙ったことなんでしょうか。

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□Title … EAT ME, DRINK ME
□Number …
01.if i was your vampire / 02.putting holes in happiness / 03.the red carpet grave
04.they said that hell's not hot / 05.just a car crash away
06.heart-shaped glasses(when the heart guides the hand) / 07.evidence / 08.are you the rabbit?
09.mutilation is the most sincere form of flattery / 10.you and me and the devil makes3
11.eat me, drink me
12.heart-shaped glasses(when the heart guides the hand)- inhuman remix by Jade E Puget
13.heart-shaped glasses(when the heart guides the hand)- space cowboy remix
14.putting holes in happiness(accoustic version)
※12-14曲目は、日本盤ボーナストラック。

□Comment …
10周年記念ということで出されたという、ベスト盤『レスト・ウィ・フォーゲット』。それ以降、絵画や映画や、なんか別のアートに関心を示していたマンソンだが、4年ぶりに出したのが、本作。2007年リリース。『ホーリーウッド』で三部作が終わってからこっち、どことなくアートワークに拘りが感じられなくなった感があるが、本作も例外ではない(ベスト盤は良かった気がする)。血みどろの部屋の窓際で、憂い顔のマンソンが口元に手を当てて立っている写真。その画像を切り裂くようによく分からない十文字の亀裂が走っているが、これはどういう意味だろう?

05年10月に、人並みに結婚したマンソンであったが、06年末に残念ながら破局。その過程、そこからの復活において、本作が産み落とされたようであるが、ソレがなければアルバムは作っていなかったのか? 音楽に関心がないようなことを言っていたマンソンが再び音楽界にカムバックした理由は、しごく個人的な事柄に関して複雑に絡まってしまった心情を、解きほぐすためだった、ということになる。そこにかつてのようなコンセプチュアルな匂いは感じられない。世間の良識に唾を吐きまくっていた彼が今作で相手にしたのは自分自身だった。しごく「パーソナル」な作品だ。

ホントに作品ごとに作風が変わる人だ。作成過程、その原動力となったモノにも原因があるのだろうが、これまでのどのアルバムにも似ていない。湿り具合は名盤『アンチクライスト・スーパースター』に負けず劣らずであるが、鬱々としていながらも、猟奇性・暴力性が噴火寸前のマグマのようにたぎっていたあの作品とは、根っこが違う。もはやスピード感のある曲は皆無。暴力的な曲もない。宗教色もない。あるのは、蜜月期の終わりにあったと思われる捻くれた怒りや、後悔、悲しみといった、沈んだ感情。M-7が分かりやすいかもしれない―“わかってた オレたちの愛は 自動車事故の末に生まれたのさ オレたちの愛は 自動車事故の末 自動車事故の末に”。なんてストレート。マンソンの歌とは思えない。ちょっと女々しい。

解説にもあるように、全編で豪快にギターソロが押し出されている(M-2の冒頭は耳を疑った)。耽美的なそれは、ときに野暮ったいのだけれど、いつになくドラマチックな、そう情感たっぷりな空気を感じさせる。どうも全体的にモッサリしているが、やっぱり1番聴けるのは、シングルでもあるM-6なんだと思う、出来がいいし(PVで見せる新恋人との絡みはリアルすぎて物議を醸した。事実エロい)。初回は何だかひどくしみったれて感じられ、パンチに欠ける気がして、「そろそろマンソンも翳りが〜」とか思ったが、歌詞カード見ながら数回聴くと、素直に耳に染みてきて、意外にいい「歌」ものアルバム(曲はほとんどマンソンとティム・スコルドの作)。今までアルバムは冗長な感じがあったが、これ本編は全11曲。いつになくスッキリとして風通しもいい。あとボーナストラックのリミックスもいいね。好き。でも元々音楽的にどうこうって人じゃないだけに(失礼)、また頭のキレを感じさせる壮大な盤を作って欲しいな。これはちょっとセラピー的な異色アルバムだったってことで。実際異色(よくよくクレジットを見ると、すべてのパフォーマンスはマンソンとティムで行っているようで、とするとこれはソロ的な作品なのかもしれない)。

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□Title … THE HIGH END OF LOW
□Number …
[DISC1]
01.dovour / 02.pretty as a($) / 03.leave a scar / 04.four rusted horses
05.arma-godd**n-motherf**kin-geddon / 06.blank and white / 07.running to the edge of the world
08.i want to kill you like they do in the movies / 09.wow / 10.wight spider / 11.unkillable monster
12.we're from AMERICA / 13.i have to look up just to see hell / 14.into the fire / 15.15

[DISC2]
01.arma-godd**n-motherf**kin-geddon(teddy bears remix)/ 02.leave a scar(alternate version)
03.running to the edge of the world(alternate version)/ 04.wight spider(alternate version)
05.four rusted horses(opening titles version)/ 06.i have to look up just to see hell(alternate version)
07.into the fire(alternate version)

□Comment …
ふいに音楽から遠ざかっても、不思議はない人だと思っているので、こうやって前作から2年という、まあ常識的なインターバルで作品を出されると、少しだけ驚く。2009年リリース。初回限定2CD。

アルバムについてのインタビューをいっさい目にしていないので、どんな心持だったかは分からないのですが。1番大きいのは、ベーシスト兼ギタリスト兼ソングライターである、トゥイギー・ラミレズの復帰。前々作での脱退以降ラミレズは、ジョーディ・ホワイトの名で、Nine inch nailsに参加したり、A Perfect Circleに参加したり、自身のバンドでリリースをしたりと、まるでストレス発散のように多方面で働いていたわけですが、ここに来て、再加入。その一方で、トゥイギーと入れ替わりにバンドに入っていたティム・スコルドは、今アルバム製作時には、バンドを離れているよう。確かに彼の加入後のマンソンのサウンドは、それまでと違ったカラーが大きく打ち出されていた。『ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・グロテスク』ではエレクトロニックなビートや直線的なディストーションギターを盛り込み、メインストリームに沿ったようなサウンドを、続く『イート・ミー,ドリンク・ミー』では、マンソンの心情を慮ってか、情念垂れ流し的な、いわば演歌的なアルバムを、それぞれ作り出してきた。それらは、カラーの違いを楽しめた一方で、サウンドが平板である、バンド感に欠けるという大方の指摘も尤もであり、事実私もそう感じていた。

トゥイギーの再加入がどれだけの効果を及ぼしたのか分からないが、本作ではバンドサウンドがカムバックしている。おどけたような空気を多少盛り込みつつ、である点が、私の感覚的には、『ホーリー・ウッド』と『ザ・ゴールデン〜』の中間あたりに位置している。内容的には、良識・常識にたてつくというよりは、自身の内側を見つめている側面が強いように思える。M-12などはマンソンらしいシニカルな歌詞であるが、たとえばM-11の歌詞―“オレがこんなふうに終わるなんて おまえは決して言わなかった noとは オレがこんなふうに終わるなんておまえは決して言わなかった no...”―に出てくる“オレ”と“おまえ”は、どちらも自分のことを言っているようにも取れる。マリリン・マンソンというキャラクターと、それを演じるブライアン・ワーナーという一個人。だとすると“終わり”って・・・? そう考えると、俄然面白い。でもそんな歌詞でありながら、曲は陽性であるのだ、これまでにまったくなかった調子で。なんだこの組み合わせ。そしてM-7、“憎しみだけじゃ このすべてを灰に変えることができないときもある 二人がひとつになって 他のみんなに敵対し 翼がちぎれんばかりに頑張って かならずやそいつをぺしゃんこに潰してやるのさ”なんて、聴き方によっちゃこれ真っ当なラヴソングじゃね?とか思うんだけど、どうなんでしょうかね。あんま書くと長いのでこの辺で。

あんまPOPじゃないし、ミドルテンポが主だし、3部作の頃のようなカオティックなパッションは感じないけれど、マンソンのファンはとりあえず買っても損はない。DISC2はM-1が断トツ出来がいいので、これは必聴。

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