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■Titles■
□83年 … WITH SYMPATHY □85年 … 12" SINGLES
□86年 … TWITCH □88年 … THE LAND OF RAPE AND HONEY
□89年 … THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE □90年 … IN CASE YOU DIDN'T FEEL LIKE SHOWING UP(CD)
□90年 … IN CASE YOU DIDN'T FEEL LIKE SHOWING UP(VHS) □92年 … ΚΕΦΑΛΗΞΘ
□93年 … MINISTRY BOX □96年 … FILTH PIG
□99年 … DARK SIDE OF THE SPOON □00年 … TAPE OF WRATH(VHS)
□01年 … GRATEST FITS □02年 … SPHINCTOUR
□02年 … SPHINCTOUR(VHS/DVD) □03年 … ANIMOSITISOMINA
□03年 … ANIMOSITISOMINA(DVD-Audio) □04年 … HOUSES OF THE MOLE
□05年 … RANTOLOGY □06年 … RIO GRANDE BLOOD
□07年 … RIO GRANDE DUB
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□Title … TWITCH
□Number …
01.just like you / 02.we believe / 03.all day remix / 04.the angel / 05.over the shoulder
06.my possession / 07.where are you now? - crash and burn - twitch(version�供�
08.over the shoulder(12"version) / 09.isle of man(version�供�

□Comment …
86年の発表作品。通算すると2ndアルバムになりますが、実質的にはこれが1stと考えても良いかと思います。1981年あたりから、アメリカはシカゴで「ミニストリー」という名で活動していたAlein Jourgensen(アル・ジュールゲンセン)ですが、83年にはメジャー・レーベルのARISTA(アリスタ)と契約、『WITH SYMPATHY』というタイトルで1stアルバムを発表します。しかしこれは後の路線とは一線を画すノスタルジックでダンサブルな大衆受けのするエレクトリック・ポップであり、あまり印象深いものではありません。このアルバムリリースの後、一度アルは古巣のWAX TRAX!(ワックス・トラックス)というインディー・レーベルへ戻り、何枚かのシングルを発表。そしてこの後再びメジャー・レーベルのSIRE(サイアー)/ Warner Brothersと契約、プロデューサーに後にナイン・インチ・ネイルズとも仕事をするエイドリアン・シャーウッドを向かえ、本作を完成させます。

音楽評論家の小野島大氏の言葉を借りれば「ここにはハウスもテクノもヒップホップもエレクトロニクス・ボディもニュー・ビートもジャンクも、すべてがある」。「エレクトロニクス・ボディ」や「ニュー・ビート」という概念は僕には良く分かりませんが、要するにいろんな要素が「ゴッタ煮」状態なんですね。ヒップホップにも通じる個性的なリズムがダブ的に処理されていて、そこにさまざまサンプリング音がぶち込まれ、時にはノイズがかまされます。 しかし不思議と「音の洪水」というイメージはあまりなく、隙間の多いリズムに象徴されるように、簡素なイメージがあります。そして凄いのはあらゆる旋律がポップだということ。ポップといっても歌謡曲的なポップさではなくて、耳なじみが良いという意味ですが。リズムもシンセ音もボーカルラインもサンプリング音も、ありとあらゆる点がポップ。しかもそれぞれが単体で奏でる旋律がポップなだけではなくて、混然一体になってもなおポップ。これは凄いことですよ。類まれなサウンドセンス。ジャンクという言葉で形容するには(良い意味で)あまりに耳なじみが良すぎます。

このアルバムは多少以前の路線を引きずっている感があり、たまにノスタルジックな旋律さえ顔を覗かせますが、ここで展開されたサウンドはかなり革新的なものであったようで、現在でも『ΚΕΦΑΛΗΞΘ(詩篇69)』と並ぶミニストリーの代表作として評価は高いままです。と言うよりも、80年代後半以降、ダンスミュージックが試みてきた他ジャンルとのクロスオーヴァーが、 すでにここでは1つの完成形として提示されている言う点から、むしろ後年になってから再評価の熱が高まっているようです。

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□Title … THE LAND OF RAPE AND HONEY
□Number …
01.stigmata / 02.the missing / 03.deity / 04.golden dawn / 05.destruction / 06.hizbollah
07.the land of rape and honey / 08.you know what you are / 09.i prefer / 10.flashback / 11.abortive

□Comment …
通算3枚目のアルバム。88年発表。前作『トゥイッチ』以降、正式にメンバー加入を果たしたPaul Barker(ポール・バーカー)と共に、しばらくはサイド・プロジェクト(LEAD INTO GOLD, REVOLTING COCKS, 1000 HOMO DJS, PAILHEAD等:ちなみPAILHEADはFUGAZIのイアン・マッケイとのプロジェクト!)に精を出していたミニストリーですが、88年暮れに本作を投下。

ここらあたりから彼らのサウンドはより機械的になり、前作までに多少あった有機的な部分は次第に影を潜めていきます。本作での最大の特徴は後にメディアによって「インダストリアル・ロック(もしくはインダストリアル・メタル)」と形容されることになる、非常に暴力的でありながら機能的であるサウンドです。このインダストリアル・ロックと形容される音楽の起源については さまざまな意見があるようですが、ミニストリーがその立役者であることは間違いなく、音楽評論家の保科好宏氏によればインダストリアル・メタルの起源は他でもないこの作品であるというのが定説だそう。具体的な定義をするのは難しいのですが、誤解を承知で言ってしまうと、ここで行われているのは「テクノ・ミュージックへのギターの導入」です。今作では数曲を除いてまだ若干添えもの的な使い方がされていますが、それでもこのギターによって、サウンドが前作よりはるかに暴力性を増していることは事実です。当時テクノで“ご法度・禁じ手”だとされていたギターの導入を行ったのがこのミニストリーであり、その結果として生まれたのが、この斬新なマシンミュージックだったわけです(そういう意味では本作も記念碑的作品なのかもしれません)。

もちろんサウンドは前作にも増してノイジーになったわけですが、やはりメロディはポップ。頭の中で追えるんですよね、旋律が。この辺のセンスはホント素晴らしい。特にM-1〜3およびM-10などで聴ける性急なビートと激しいながらもPOPな叫びはいつ聴いても扇動的で、興奮させられます。しかしヴォーカルは曲によっては電気的処理が激しすぎ&叫んでいるもんだから、何を言っているのかほとんど聴き取れません。彼らの歌詞に焦点が向けられることがほとんどないのもその辺のことが原因かもしれませんが、どうなんでしょう、メッセージ性を持たせることを拒否しているのか、それとも他の思惑があるのか…。サウンドだけで十分満腹ですが、じっくり歌詞を読んでみたい気がするのも確かです。

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□Title … THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE
□Number …
01.thieves / 02.burning inside / 03.never believe / 04.cannibal song
05.breath / 06.so what / 07.test / 08.faith collapsing / 09.dream song

□Comment …
通算4作目のアルバム。89年発表。中身は前作で展開して見せたサウンドをさらに押し進めたものとなっています。ビートはよりマシーナリーに、ギターはよりハードコアに。

前作ではギターを導入したとは言え、何となく音が薄い印象を受けたのですが、今作では明らかにギターの比重がアップ。音が厚くなりました。M-1でいきなりぶちかまされる速すぎるスラッシーなギター。人力では不可能な気もするこのギターの速度に面食らった人も多いようです。その後M-2、3とギターを前面に押し出したスピーディでアグレッシヴな曲が続きますが、他にもM-4やM-8では彼らが前から持っていた特徴のひとつであるミドルテンポの陰鬱なナンバーが披露されています。M-6は8分以上の長い曲ですが、いつ止むとも知れない不穏なベースラインとミニマルなリズムに、ハードなギターが挿入される瞬間がカタルシスです。ライヴでは盛り上がるでしょう。M-9はタイトルどおりドリーミィなナンバーで彼らにしては珍しい感じです。アンビエントなバックトラックに流れる何となく東洋的な旋律のヴォーカルが印象的で、映画のBGMにでも使用できそう。

MEGADETH(メガデス)が来日コンサートの客入れ時に本作の曲を使用したことから、ミニストリーの人気は一気にハードロック/へヴィ・メタルファンの間で高まったと言う話があるそうですが、なるほど本作のギターはスラッシュ・メタルなどにも通じるものがあるのかもしれません。

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□Title … IN CASE YOU DIDN'T FEEL LIKE SHOWING UP(CD)
□Number …
01.the missing / 02.deity / 03.so what / 04.burning inside / 05.thieves / 06.stigmata

□Comment …
90年発表のライヴアルバム。89〜90年にかけて行われた全米ツアーの音を収録。

ミニストリーはいくら重厚な音を鳴らしているとはいえ基本的には二人組みなわけで、その辺のことから「結局スタジオアルバムでしか活躍できないんじゃん?」みたいに思われるかもしれませんが、ライヴではなんと驚くなかれ、5人のギタリストにツインドラムで、ここにさらにヴォーカル等を加え、総勢9名以上の人間がステージ上に登り、スタジオアルバムの音を見事に再現。無機質なマシンビートや分厚いギターの壁にライヴ特有の熱気やグルーヴが加わって、スタジオアルバムとはまた違った形の音塊を発射。リスナーは極上のカタルシスが得られます。

にしてもスタジオアルバム同様にSEの使い方が上手い。曲の隙間に上手いこともってきて独特のノリを生み出しています。しかし『トゥイッチ』の頃から変わらないこういった要素も、作品を経るにつれて徐々に失われていっているような気がして残念なのですが…。

収録曲はいずれも『ザ・ランド・オブ〜』と『ザ・マインド・イズ〜』からのみで、収録時間も40分足らずと短いのですが、十二分に聴き応えのある1枚です。同名のライヴビデオとあわせて見れば興奮倍増間違いなしでしょう。

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□Title … IN CASE YOU DIDN'T FEEL LIKE SHOWING UP(VHS)
□Number …
01.breath / 02.the missing / 03.deity / 04.so what / 05.burning inside
06.thieves / 07.stigmata / 08.the land of rape and honey

□Comment …
90年発表のライヴビデオで、89〜90年にかけて行われた全米ツアーの様子が収められています。また、タイトルを見れば分かるように、基本的には上の作品と同じ曲目を収録していますが、こちらの方が若干曲数が多いです(1曲目の“ブリーズ”と最終曲の“ザ・ランド・オブ〜”)。

これまでの作品を聴いていると音がひどくマシーナリーなので、いったいライヴはどういう雰囲気なのかと期待と不安を感じながら見てみると…実に「ライヴ!」って感じのライヴです。上にも書いたようにステージ上には何人いるのか良く分からないくらいに人がいますし、ステージ前面には金網が張られています。そして両サイドにはかがり火がたかれ、ドラムセット後方には場面によってスクリーンが登場します。5本のギターが構築する分厚い壁にツインドラムが叩き出す狂騒的なリズム。カウボーイハットのようなものを被ってギターを弾きながら、観客をアジテートするかのように叫ぶアル・ジュールゲンセン。そんなライヴを受け入れるファンのテンションも、演出かと思うくらいに尋常じゃない。曲によってはステージによじ登って金網の前で踊り狂ってますし、場合によっては火だるまになってます(これはプロモの映像かな?)。

そんなアグレッシヴなライヴの映像に断片的に挿入される映像は、ミニストリーの持っている知的な側面を感じさせます。機械的な映像、たとえば工場の製造工程だったり、ショベルカーであったり溶鉱炉であったり、爆破のシーンであったり、ロボットが人間(アル)の首を絞める映像であったり、そういった彼らの音楽性を映像的に表現したような要素は、突っ込んだ見方をすれば解説に書かれているように「機械化する世界への警鐘」とも取れるわけです。そして最後の“The land of rape and honey”の前に登場し演説を行うジェロ・ビアフラ。彼が行っている演説は「自由の国アメリカ」が実は「ファシズム国家」であることを皮肉っている内容だそう。この演説に続いて演奏されるのが「The land of rape and honey」、つまり「レイプと蜜の土地」。んー深いですね。
極上の興奮とカタルシスをもたらす過激なライヴ映像が見れるという点でも、 ミニストリーの持つメッセージ性を見れるという点でも、とにかく貴重な1本。ちなみに再生時間は約60分。

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□Title … ΚΕΦΑΛΗΞΘ
□Number …
01.n.w.o. / 02.just one fix / 03.t.v.�� / 04.hero / 05.jesus built my hot rod
06.scarecrow / 07.psalm69 / 08.corrosion / 09.grace

□Comment …
92年に発表された通算5枚目のスタジオアルバムにして、『トゥイッチ』と並ぶミニストリーの代表作。邦題は『詩篇69』。

基本的な路線は今までと同じなのですが、音から感じられるテンションが断然違います。よりシリアスになったと言いますか。狂気に拍車がかかったと言いますか。冒頭から叩きつけられる金属的なビートと始終鳴り止まない電気的な叫び。そしてザクザクと脳の中を直進していくストレートなディストーションギター。圧巻です。さらに凄いのはこれだけノイジーなのにPOPであること。メロディを感じ取れること。ただやかましいだけのレコードを作るならある程度は誰でもできるでしょう。けれどそこにメロディを融合させるのは誰にでもできることではありません。その辺がミニストリーの才能であり、またそれゆえに彼らが人気を得たことは間違いないでしょう。

そして目立つのは所々に挟まれているM-3やM-7などのような凝った構成の曲。M-3はタイトルどおりテレビのチャンネルをガチガチとひねっている場面を想像させるような(ってこう書いても伝わらないと思いますけど、ホントそんな感じなのです:笑)、しつこいくらいにやかましいサウンドで、M-9は神々しい出だしから始まったと思ったら次に一転、唐突にノイジーなギターが絡んでくるといった構成。こういった凝ったサウンドセンスは『トゥイッチ』の頃から見られましたが、このハードエッジなサウンドでそういったセンスを見せてくれるとまた新鮮に響きます。

この作品はナイン・インチ・ネイルズ(NIN)の『BROKEN』と並びインダストリアル・ロックの雛形かと思いますし、正直「インダストリアル・ロック」という枠の中でできることはこのアルバムで極められてしまったんじゃないかと、そんな気さえするほどの名盤です。「より早く、より強く、より硬く、よりうるさく」という彼らのテーマが見事にここに表現されています。ミニストリーの作品の中でこれ以降のモノを一番初めに聴いて「何だ、たいしたことねえなあミニストリー」と思ってしまった方、こっちを聴いてやってください。しかし排他的思考促進型ハイパーフルメタルミュージックゆえ思春期に聴くのは止めましょう。ちなみに聴くときはスピーカーではなくヘッドフォンで聴くのがベターかと思います。

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□Title … MINISTRY BOX
□Number …
[CD1]
01.over the shoulder(12"version) / 02.isle of man(version �供� / 03.twitch(version�供�
04.stigmata(remix) / 05.tonight we murder

[CD2]
01.burning inside(12"remix) / 02.thieves(12"remix) / 03.smothered hope
04.jesus built my hotrod(redline/whiteline version)

[CD3]
01.n.w.o.(extended dance mix) / 02.fucked / 03.just one fix(12"edit)
04.quick fix(remix of‘just one fix')

□Comment …
93年にドイツでのみ発売された3枚組みのボックスセット。『トゥイッチ』、『ザ・ランド・オブ・レイプ・アンド・ハニー』、『ザ・マインド・イズ・ア・テリブル・シング・トゥ・テイスト』、そして『詩篇69』、これらのアルバムからカットされたシングルに収められていた曲が収録されています。アルバム未収録曲を多数収録。

リミックス曲は基本的にオリジナルより尺が長く、そしてより暴力性が増しているように思います。DISC1の“stigmata(汚名)”などヴォーカルがハウリング起こしてキィィーっていってます。狂気です。M-5の“トゥナイト〜”は ギターが入っているものの、どちらかというと初期の楽曲に近い感じですね。 独特のリズムと暗いベースラインに乗って「トゥナァイトォウィィマァァダァア〜」と繰り返し歌われるとなんとも怪奇的で不気味です。

DISC2のM-3は何かミニストリーっぽくないなあと思ったらこれはスキニー・パピーのカヴァー。オリジナルは未聴です。M-2はどこが原曲と違うのか良く分からないのですが、他の曲はいかにもリミックスって感じで僕はアルバム収録の原曲より好きだったりします。特に“ジーザス〜”のリミックスは抜群にカッコいい。車のエンジン音(?)をサンプリングして「発車」→「爆走」→「エンスト」→「再発車」→「また爆走」という状況を描いたかのような、見事な出来ばえ。これで終わりか?と思ったところで再びノイジーなギターが疾走するところはたまらなくカタルシスです。お気に入りの1曲。

DISC3のリミックス曲もまた秀逸。M-1、3ともとにかくイントロで引っ張る引っ張る。特にM-3はノイズとリズムを生かしたキレた仕上がり。イントロにあたる部分が3分強もあるというハンパじゃないイカしっぷりです。M-2は、ほぼノイズオンリーのインストゥルメンタルで、インダストリアルユニットとしての面目躍如。M-4は実験的なバックトラックに載せて、「語り」が展開されるといった構成。ちなみに語り手は「裸のランチ」の作者として有名なウィリアム・S・バロウズ(彼はM-3でも語りを担当しています)。

この作品、入手は困難かもしれませんが、ミニストリーファンになってしまった人にはマストアイテムでしょう。

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□Title … FILTH PIG
□Number …
01.reload / 02.filth pig / 03.lava / 04.crumbs / 05.useless / 06.dead guy
07.game show / 08.the fall / 09.lay lady lay / 10.brick windows

□Comment …
96年に発表された通算6枚目のスタジオアルバム。前作の成功で「キング・オブ・インダストリアル」的な立ち位置を獲得したミニストリーですが、さすがは問題児、この作品では激しく賛否両論を巻き起こすことになります。というか「否定」の意見の方が圧倒的に多かったようですが。

まず一聴して思うのは、曲のノリや音自体が生っぽいということ。特にドラムは、前作までと比べると圧倒的に「生」です。ギターの響きにも、何となく「バンド」を感じさせる部分があります。今までの「人間性」を無視したようなマシーナリーな楽曲を期待していると期待はずれに終わるでしょう。そして曲調はスロー。M-1こそ今までの彼らの楽曲を「生音」にしたかのようなスピード感がありますが、それ以外には全体的に沈み込むような楽曲がほとんどです。今までのアルバムにも収録されていたスローなへヴィーナンバーを生音にした感じといえば分かりやすいでしょうか。それに楽曲の作り方自体が何となく変わった気がするんですよねー。先に「バンド」という言葉を使いましたが、まさにその言葉に象徴されるように、「バンド」として鳴らすことを前提としているような曲作りが行われている気がします。今までのような「スタジオワーク」って感じがしないんですよね。サンプリング音がほとんど聴こえないことも、その印象に関係あるでしょう。今までの作品では、曲の隙間にジャストフィットで入ってきたあの絶妙なサンプリング音が、今作ではまったくと言っていいほど聴けません。ピアノの音が聴けるのにはビックリですが。

過去の栄光を気にせず、やりたいことをやりたいときにやる。その結果としてこのアルバムが生まれたのかもしれません。しかしその思い切り具合も凄い。前作の路線を着実に踏襲すればそれなりのモノを作ることはできたはずだし、商業的にももっと大きく成功しただろうに、わざわざ路線変更を感じさせるアルバムを投下したことには恐れ入ります。

ミニストリーらしいカラー(猟奇的な部分とか)はあるんですが、いかんせん楽曲がPOPでないこととスローなナンバーが大半を占めていることから、多くの人には取っつきにくいアルバムでしょう。正直言うとファンでなければ無理して聴くことはない作品かもしれません。つーかこのジャケットの頭破裂してる人、トム・ハンクスに似てると思うのは僕だけかな。

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□Title … DARK SIDE OF THE SPOON
□Number …
01.supermanic soul / 02.whip or the chain / 03.bad blood / 04.eureka pile
05.step / 06.nursing home / 07.kaif / 08.vex and soilence / 09.10/10 / 10.happy dust

□Comment …
99年に発表された7枚目のスタジオアルバム。これまた前作同様に、評価は賛否両論に分かれたように思います。「あんまり煮詰めてないのに取り合えず出した感じ」という意見あり、他方では「楽曲ごとの焦点が定まって風通しが良くなった」という意見あり。僕自身がどっちか?っていう話なら僕は当然ファンなんで後者の意見を支持します(笑)。

全体的な印象としてはやはり前作を踏襲してます。生音重視で、有機的なグルーヴが全編に漂っています。そんでもって相変わらず「モッサリ」してる…これがチト悲しい。M-1こそ『詩篇69』の頃を思わせるブルドーザ的勢いが感じられるものの、アルバムが進むにつれてドンドン勢いが失われていく気がします。お得意のあの地べたを這いずり回るようなグルーヴが多すぎる気がするんですよねー…。たまーに挿入されるくらいならいいんだけど、全編そんな感じになると「んー…」って気になってしまいます。

しかし新しい試みとしてサックスを鳴らしてみたり、アジア風のコーラスを入れてみたりと相も変わらず変化を求める姿勢が感じられます。M-3は大ヒットした映画「マトリックス」のサウンドトラックにも収録されていたので、バンドとしての知名度は日本でも意外に高いかもしれません。でもこのアルバムはやっぱりチョット取っつきにくいので、ミニストリー入門編として買うのは避けた方がよろしいかと。

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□Title … TAPES OF WRATH
□Contents…
01.over the shoulder / 02.stigmata / 03.flashback / 04.burning inside / 05.the land of rape and honey
06.jesus built my hotrod / 07.n.w.o. / 08.just one fix / 09.lay lady lay / 10.reload / 11.bad blood
12.crakin'up / 13.do you think i'm sexy

□Comment …
ミニストリーとしては初のビデオクリップ集。2000年発売。これまでに作られてきた主要なビデオクリップ(全てではないと思います)が収められています。

当然ながらインダストリアル路線を走り始めてからのクリップがほとんど。 作風が一貫していないのは監督の違いによるところも大きいのでしょうが、 どこに向かうのか分からない彼らのサウンドスタイルと一致しているようにも思えます。冒頭の“オーヴァー・ザ・ショルダー”などは、よくよく見るとNINの初期のクリップ(たとえば“ヘッド・ライク・ア・ホール”など)と共通している要素が見られて興味深かったりします。こちらのクリップの最後ではタマゴが延々と回り続けるのですが、NINのクリップでは中身がからっぽの頭部模型がグルグル回ってたりします。そのほかにも“フラッシュバック”などで見られる光を使った早回しの映像も、似てますね。当時はこういう手法が流行ってたのかな。それとも監督が同じとか(こちらはPeter Christopherson)。

収録されているクリップで僕が一番好きなのは“ジャスト・ワン・フィックス”。曲自体も好きなのですが、このクリップはなかなか社会派で印象的。 麻薬に依存した少年たちを象徴するかのように、ショットガンで打ち砕かれていく「control」、「history」、「image」そして「society」や「language」、「reality」の文字。メッセージ性強いです。それにアルが妙にクールでかっこいい。

それから“リロード”も面白いですね。ケネディ大統領暗殺事件をパロディみたく仕上げています。アルはサングラスにひげ面で大統領夫人に扮してるし(笑)。見所です。最後の2曲はサイドプロジェクトであるREVOLTING COKSの曲。クリップはミニストリーとは一味も二味も違う路線です。“クラッキン・アップ”はCGで描かれたカラフルな空間の中でみなさん楽しげな演奏です。最終曲はロッド・スチュアートのカヴァーですが、パブでセクシー姉ちゃんがいきなりゾンビに変身するオフザケ路線です。でも結構気合入ったゾンビで、グロテスク度高し(確かホラー映画界で割りと有名な方が特殊メイクを担当したはず)。心して見ましょう。再生時間は約70分。ちなみにミニストリーがWarner Brothersからリリースした作品はこれが最後。

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□Title … ANIMOSITISOMINA
□Numbers …
01.animosity / 02.unsung / 03.piss / 04.lockbox / 05.broken
06.the light pours out of me / 07.shove / 08.impossible / 09.stolen / 10.leper

□Comment …
2003年冒頭、約4年振りに発表された8枚目のスタジオアルバム。タイトルはanimosity(敵意、憎しみ)を前後から書いた造語。だから上から読んでも『ANIMOSITISOMINA』、下から読んでも『ANIMOSITISOMINA』。ジャケットには動物の死骸のような映像が使われていまして、これまた物議を醸し出しそうな…(好きだよなあこういうの)。

『フィルス・ピッグ』以来、生音路線を突き進んでいた彼らですが、この作品もまた生音重視。だけども今までとは違います。M-1を聴いたときに「オッ」と思ったのが事実。「アァァァァァーニィモシィティィィィィー!!!」というノイズ交じりの叫びに“stigmata(汚名)”を思い出させられたり、生音に変化してからの作品の中ではいつになくストレート。そしてシンプル。灼熱の砂漠を爆走する戦車のごとき勢いです。『詩篇69』の頃のスナイパーみたいな引き締まった鋭さはないけれど、代わりに巨大なハンマーでボッコボッコ叩き潰すみたいな重厚さがあって、それが心地よいですね。こういった勢いのある楽曲の方が彼らには絶対に似合ってると思います。この路線でオリジナリティ獲得できるとは思わないけど、でもどうせ行くならコッチだよなあと、そう思う。

それに楽曲を聴いてて思うのはなーんか渋みが出てきたってことですか。曲によってアルの声がオッサンくさかったり(笑)。M-6はMAGAZINEというバンドのカヴァーなんですが、こんなに抑えて歌うアルは妙に新鮮。

ちなみにこの作品では初めて歌詞が掲載されています。今まではまったく歌詞カードのようなものは付してこなかった彼らが、いったいこれはどういう心境の変化でしょうか。

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□Title … HOUSES OF THE MOLE
□Number …
01.no “W” / 02.waiting / 03.worthless / 04.wrong / 05.warp city
06.wtv / 07.world / 08.wkyj / 09.worm / 23.psalm 23 / 69.walrus

□Comment …
前作『アニモシティシモニア』から、わずか1年4ヶ月(早い!)でリリースされた9thアルバム。2004年リリース。「バンドに興味がなくなった」とかなんとかで、2nd(というか正確には3rd)『ザ・ランド・オブ・レイプ・アンド・ハニー』から10年以上もパートナーであったポール・バーカーがなんと前作のツアーで脱退。ここまできたらずっと連れ添えよ!とも思うのだが、思えばミニストリーがインダストリアル・ロック(メタル)の地平を開拓したのは、ポール加入後であった。とすると、それはポールの影響も大きかったのかもしれない。だとすると彼は、近作での「脱インダストリアル」なサウンドに耐え切れなくなったのだろうか。なんて。

何はともあれ、ミニストリー=アル・ジュールゲンセンには、そのパートナーの脱退がプラスに作用したようで、随所で目にするように、「ポールの脱退でギアが入ったんだ」とはアルの言。さあそしてギアが入ってできあがってきたのは、これが久方ぶりの会心作。往年の輝きを求める僕のようなファンには嬉しい仕上がりです。打ち込み主体の爆走するリズムに、スラッシ−な尖がったギター。電気的処理満点のアルの暴力的なヴォーカル。そしてお久しぶりのサンプリング音。それらが混ぜん一体となって襲ってくるさまは、まさに「ミニストリーサウンド」。解説にもあるように、曲タイトルに目を向けると、なんとなく名盤『詩篇69』を彷彿とさせるものが多い。M-1やM-6、それからM-23などだ。M-6などは構造的にも『詩篇69』の“t.v.�供匹塙鷸�している。まあこれはあまりにもあからさまなので、解説にもあるようにきっと“t.v.”シリーズの別ヴァージョンという感じなのだろう。この“wtv”を沸点として、全編でインダストリアル路線がカムバックしているのだが、以前ほどメカメカしておらず(機械的でなく)、バンド感が残されているところが、近作でのミニストリーを感じさせ、今作に単なる回帰とは違うものを感じさせる。

ポールの脱退の他にも、アルの尻を叩いたのがこの制作当時の世界情勢(というか米国の在り方ですか)のようだ。その証拠に、CDケースから盤を外すと、なんと爆弾とドッキングされたブッシュ大統領の顔写真が出現!いうまでもなく彼はアメリカ大統領。賛否両論のイラク政策を推し進めた人物の1人でしょう。で、もちろんアルは反対派。歌詞(前作に引き続き、今作も歌詞を掲載)にはかなりストレートなものもある――M-1では、“コケにされた気がするわけを/俺が教えてやるよ/パウエルにチェイニ−にブッシュ/奴らは戯れ言を繰り返してるだけだ”。 M-4では、“いつだって お前は間違ってる/何をのぼせている? 神の名のもとに/無用の戦いで人を殺す権利があるなんて/お前はまるで獲物を狙う強姦魔だ/民主主義”。ミニストリーにこういう歌詞を歌われると、頼もしさを感じるのは僕だけだろうか。しかもサンプリングの中には、ブッシュ大統領の演説を使っているものもあるくらいだ。アル・ジュールゲンセンに、かなり「ギアが入った」のは間違いない。やはりアルは、こういう作品を作ろうと思えば作れる人なのだ。一時期僕は、アルの創作力の枯渇を疑ったが、それはなかったということだ(スンマセン)。しかし、しかしやはり、『詩篇69』に小野島大さんがコメントしたような「全盛期のハルク・ホーガンの肉体のように気高く美しい」といった趣(おもむき)はない…。そこまで求めるのは酷なのか。

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□Title … RANTOLOGY
□Number …
01.no w redux / 02.the great satan / 03.wrong update mix / 04.n.w.o. update mix
05.stigmata update mix / 06.waiting / 07.warp city alt mix / 08.jesus built my hotrod update mix
09.bad blood alternative mix / 10.animosity / 11.unsung alternative mix / 12.bloodlines
13.psalm 69 live in paris / 14.thieves live in seatle / 15.the fall live in london

□Comment …
ミニストリー25周年を記念しての盤。記念盤といってしまっていいのだろか。2005年リリース。アル・ジュールゲンセン自身が、これまでの音源よりピックアップしたものをリミックス、再アレンジしたものと、未発表曲(M-2の“the great satan”と、M-12の“bloodlines”。ちなみに前者は、2006年発売のアルバム『リオ・グランデ・ブラッド』に収められた。後者はビデオゲーム用の曲らしい)、そしてライヴ音源(これは多分ライヴ盤『スフィンクツアー』に収録されているものだと思う)が収められている。ミックス、レコーディング、マスターと全部アルが自分で行ったようで、アル・ジュールゲンセン=ミニストリーの復活を知らせる盤でもある。ブックレットには、ミニストリーのここまでの軌跡を簡潔にまとめた文章つき(英語だけど)。

『詩篇69』以降アチコチさまよったミニストリーでしたが、前作あたりから再び軌道修正したようで、この盤はかつてのフルメタルなイメージを蘇らせてくれます。ミニストリーのリミックス自体が、本作のようにまとめてリリースされることが少ないので、必然的にこうやって新たなリミックスを聴くのも久しぶりということになり、ひどく興奮させられました。ベスト、というのは言い過ぎかもしれないけれど、代表曲・POPな曲が沢山入っているので、聴いていて非常にバランスがよろしいです。ミニストリーの作品にありがちな、中だるみがないっていうかね。

reduxと、update mixと、alternative(alt) mix、これらがどう違うのか分かりませんが、全体的にオリジナルよりもよくなっている曲が多い。M-1やM-11は、冒頭にお得意の宗教色濃いサンプリング音を新たに付け加え、緊張感満点の仕上がり。“psalm 69”にも似たテイスト。M-2も、ちょっと(ちょっとだけ)安っぽいけど、それでもやっぱり重厚で、カッコいい。次のアルバムにも期待を抱かせてくれた。“n.w.o.”や“jesus built my hotrod”といった曲のリミックスは、上で紹介している「BOX」に入っているものと、あまり変わっていないものが多くて、そこは残念だった。むしろこのリミックスだったら、「BOX」に入っているやつの方が、良いと思う。僕が1番気に入ったのは、M-7“warp city alt mix”だ。M-3の“wrong update mix”もそうなんだけど、生っぽい歪んだギターが駆け巡る様がたまらん。特にM-7は、性急なビートがアッチコッチ駆け回ってる中に、ギターが入りこんでくるもんだから、もう〜たまらんくカタルシス。しかもこの後に続くのが、“jesus built my hotrod”ってんだから、この流れはヤバイ。マシンビートにザクザクギターが炸裂する。しかもそれでPOPってのがすげーよ。だからノイジーなんだけど、ノイジーに感じない。やっぱ才能だね。

というわけで、ベストが駄目なら裏ベストと呼ぼうじゃないか、コレは。ヘタにベストを買うくらいなら、コチラを買った方がいいんじゃないかと思う(日本盤は出てませんが)。リミックスを通じて、ミニストリーのなんたるかってもんが、少しでも知れるような気がするし。そいから、前作収録の曲タイトルがほとんどぬかりなく大文字の“W”から始まっているのは、アレはGeorge H.W.Bushの“W”を意味していたらしい。やるね、アル・ジュールゲンセン。でも、ジャケットデザインがダサいところが、ちょっと嫌だよ(笑)。なんでデカイくちびるなんだ。

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□Title … RIO GRANDE BLOOD
□Number …
01.rio grande blood / 02.senor peligro / 03.gangreen / 04.fear(is big business)
05.lieslieslies / 06.the great satan / 07.yellow cake / 08.palestina / 09.ass clown
10.khyber pass / 11.lieslieslies jungle mixxx featuring DJ soulslinger
※11曲目は、日本盤のみのボーナストラック。

□Comment …
あろうことか、ミニストリーが、アル・ジュールゲンセンが、ここにきて勢いづいている。デビューしてから25年以上経って、これはなかなかに・・・驚かされる。前作からさほど間を空けずにドロップされた本作を聴く限り、よほど血がたぎっているようだ。2006年リリース。

前作で長年つれそったポール・バーカーが脱退したわけだが、元々はアルのソロプロジェクトだったわけで、今作でもプロデュースからヴォーカルやらギターやらプログラムやらで八面六臂の大活躍である。メンバーはいつも流動的だと思うのだが、今作に参加しているのはプロング(『ルード・アウェイクニング』だけ所有しているが、なかなかにいいアルバムだ)絡みで、トミー・ヴィクターとポール・レイヴン。トミーはプロングのフロントマンである。ミニストリーはアルのワンマンバンドだから、てっきり彼らは演奏で参加しているだけかと思いきや、そうではない。今作ではなんと上記の二人が曲作りに協力しているようで、この変化、まさに新生ミニストリーといった感がある。

アルの尻を叩いているのは、心に火をつけているのは、相も変わらず米国ブッシュ大統領の立ち振る舞いのようである。ジャケットではブッシュの顔をコラージュして、彼を悪魔的に見せている(ドラム缶、つまり石油の象徴から、神のふりして飛び出しているが、不気味すぎる)し、裏面では銃を片手にほくそ笑む、これまた残酷さを感じさせるブッシュ大統領が拝める。彼の演説をサンプリングして曲中で巧みに使用している点も前作に通じる。そしてそして歌詞がだいぶキツイ。M-1では“金が欲しいんだ/お前の金が欲しい/原油が欲しい/政府の金だ”、“金の為に戦争をした/勝利あるのみだ 勝利/原油で手を打とう 原油/”。M-10では“ビン・ラディンはどこだ/ビン・ラディンはどこだ/多分逃げている/多分隠れている/カイバル峠に住んでいると言う人もいる/ブッシュの牧場に居ると言う人もいる”と歌っている。海の向こうのことだからショッキング度合いが薄いと思う人は、日本に置き換えて考えてみればいい。ありえねーよ? この直接性・攻撃性。アルの創作意欲は、どうやら「怒り」によってかき立てられるようだ。

ということで、おそらく、かつてないほどのアグレッシヴさを見せる本作だが、惜しいのは楽曲にいまいちキレがないこと。アルが1人で作った曲が断然POPであることを考えると、共作も原因なのかなあ。ドリルみたいなバスドラムとか、痙攣的なギターの音など、金属感は申し分ない(そして前作同様に、やはりどこか生っぽい部分が残っている)。だが、いまいちPOPさにおいて弱い。やっぱりうるさく作ろうと思えばある程度作れちゃうと思うから、問題なのは楽曲なのよね。前作と比較するなら、前作の方が好きかなあ、と思う。

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□Title … RIO GRANDE DUB
□Number …
01.rio grande blood - rio grande dub ya mix / 02.senor peligro - La Zona Peligrosa mix
03.gangreen - kiss me goodnight mix / 04.fear is big business - weapons of mass deception mix
05.lies lies lies - cognitive dissonance mix / 06.the great satan - what would satan do?mix
07.yellow cake - hexaflouride mix / 08.palestina - 72nd virgin mix
09.ass clown - Osama McDonald mix / 10.khyber pass - TX Bush ranch mix
11.lies lies lies - known unknown lies mix

□Comment …
『Rio Grande Blood』に対するリミックス盤ですね。2007年リリース。「アルバムに対するリミックス盤」という形で、きちんとパッケージされてるのって、コレが初めてじゃないですかね? シングル曲に対するリミックスはしばしばあったようだけど。違ってたらゴメンなさい。

まー特筆すべきことも、ないんですが(笑)。リミックスを担当したのは、Clayton Worbeck、John Bechdelという人物のようですが、ええ、まったく知りませんね。もうまったく。なんだアルはノータッチなのかしら? 詳しく知らないのだけど。タイトルにダブとかついているもんだから、てっきりですね、名盤『トゥウィッチ』のような、ギターを前面に出さず、空間処理に重きを置いた音になっているかと思いきや、どうも違ったという(笑)。割とベタな空気が漂っているというか、オリジナルの音がああいう感じの音をリミックスするならこうだろうなという、予想範囲内の音になっていますね。特にエクストリームなこともやってないし。ほぼ全編、エレクトロなシンセ音などを入れつつ、ゴリゴリしたギターリフを出したり引いたり、っていう感じですか。リズムも割りと平板。もっと大胆に変えてしまえば面白かったのに。

M-1やM-5、M-6、M-11などはオリジナルの直線的なノリをそのまま採用しているので、聴いていても分かりやすくカタルシスを得られるのですが、それ以外は、個人的には、どうも…という感じかな。ゴリゴリなリミックスをやるにしても、やっぱり僕が勝手に裏ベストと呼んでいる『Rantology』に入っているような、あんな感じだと好きになったんだろうけれど。アレはアルのセンスに依るところが大きいのかしら。さすがだわ。でもオリジナル『Rio Grande Blood』よりも僕はこっちのが好き。単純に聴きやすいのよね。

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