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■シルバー事件 再想(再走) − シルバー事件25区
□match maker−''01:underground theater -------------------- story ''02,''03,


開始早々、
地域調整課(地調)の中堅職員ツキ・シンカイと
新人職員のオオサトが、25区海浜公園で話し合っている。
その内容は、ドレドレ・・・聞いてみよう。

ツキ:
 『だから俺はね
 オマエの昼飯の食べ方を見て
 一抹の不安を覚えたわけなんだよ』


オオサト:
 『何でですか?』

ツキ:
 『オマエ 昨日 食堂で
 Bセットを食べてただろ』


オオサト:
 『?
 食べましたけど・・・』


ツキ:
 『あれ 味噌汁もついてるよな』

オオサト:
 『Aセットだってついてますよ』

ツキ:
 『・・・とにかく
 味噌汁がついてるよな
 それでオマエおかずとご飯だけ食って
 最後は味噌汁だけを飲み干したじゃねぇか!』


オオサト:
 『ああ そのことですか
 小さい頃から習慣なんで』


ツキ:
 『それがダメなんだよ!
 あれは味噌汁も含めてBセットなんだからさぁ
 味噌汁も全体の流れに乗せて食べないと
 セットとしての意義が薄れるだろ?』


オオサト:
 『でも自分はそういう食べ方なんですよ』

ツキ:
 『だったら変えろ
 俺たちの仕事は全体の流れを作る
 仕事なんだよ
 そういうところから気を配るのが大事なの』


オオサト:
 『・・・以後 気をつけます』

ツキ:
 『あと あれだ
 先週 オマエ自分のデスクで
 モンブラン食べてただろ あれもな・・・』


と先輩のツキが後輩のオオサトに
とっても細かいダメ出しをしているようだ。
これだけでもこの『match maker』というパートは
他のパートに比べていささか饒舌であることがわかる。
加えて、HPの人物紹介で分かることだが、
この新人職員のオオサトの出自には
ある重大な秘密が隠されているという。
それが何なのかはまだこの段階では
当然明らかにされないが、
この“オオサトに対するツキの過剰な指導”、
といった演出は、
のちにきっと明かされるオオサトに関する秘密への
伏線になるのではないかと、僕は疑っている。
どういう意味かって?
・・・分かんないよ! なんとなくさ。勘。

ま、それはいいや。

ツキとオオサトの今回の仕事はというと、
彼らがやってきたのはタワーマンションである。
時間的には、凶犯課が捜査(“#01:new world order”参照)
してから数日後であるようだ。
なぜかマンション前でツキに凶犯課のIDを渡すオオサト。
地調のテクニカルスタッフが作ったもののようだ。
まだこの段階では、
凶犯課と地調の関係性がよく分からないため、
このIDの意味がプレイヤーには把握できないが、
いずれ分かることとなる。

今回の捜査の連絡は、
凶犯課のシロヤブという刑事の名前で
済ませてあると云うオオサト。

凶犯課の名義で捜査するってこと?
まだ分からない。先へ進もう。

ん? オオサトが云うには、
このあとは、マンション内で
潜水夫および生き残った配達屋との
接触が行われるという。
「配達屋」の意味はまあ分かる。
凶犯課と激突したあの殺人鬼たちだろう。
しかし潜水夫という言葉は聞きなれない。
いや、一度だけこれまでに聞いたことがある。
テキストにはしていないが、
“#01:new world order”において、
終盤にコウサカがその言葉を口にしている。
ハトバに対して、
潜水夫には会いましたか?と。
その潜水夫・・・か。しかし果して意味は?
そして配達屋と接触するという地調の仕事とは?

とりあえず先日凶犯課のシロヤブとクロヤナギらが
捜査した部屋を目指すツキ&オオサト。
ドアボーイに対して凶犯課のIDを見せ、
身元確認の関門を突破。
続いてドアボーイに凶犯課の人間を名乗るツキ。
シロヤブという人間の名前で
捜査を申し込んだと言って、
確かにそれは嘘ではないのだが、
結果的にドアボーイをダマくらかして、
マンション内に入る二人。

ってことはさ、地調は凶犯課とは
別物らしいってことが、ここから薄々分かってくる。
そしてどうやら、地調はこうやって
コソコソと、それこそ隠密に仕事をする機関なんだなと・・・。
偽造カードとか作ったり、偽称したり。
なぜマンション内に入る必要があるのかってのは、
地調の本来の仕事に関係あるわけだが、
まあそれはおいおい明らかになっていく。
あ、つーか「もしも」だよ?
ここでドアボーイが直に凶犯課に電話して、
捜査の申し込みについて確認とかしたらどうすんだろね?
凶犯課は、「いえ、シロヤブはそちらのマンションに対して
捜査の申し込みは今回してませんが」
とか云うだろうしね、応答として。
そんな事態になったらドアボーイは調整(殺害)、ですか。
そうだな、そうに違いない。怖い機関だ。地調は。

ちなみにこのタワーマンションの管理人、
例のシロヤブ・クロヤナギ組と共に配達屋の群れに
遭遇して銃撃戦に巻き込まれた彼、
事件以来臥せっているようです・・・無理もない。

凶犯課が捜査した部屋、
つまり75045室、つまりユズキ・ミルの部屋、
つまりモリシマトキオが*01:NAGARE”において
その死を目撃した「女神」の部屋へ、
入り込むツキとオオサトの二人。

さて、なんで地調がこの部屋に調査に来たかであるが・・・、
どうやらこの部屋に住む女性、つまりは
ユズキミルが調整リストの対象外であったにも関わらず、
配達屋の手で調整(殺害)されたしまったことが理由であるようだ。
なぜそんなことが起こったのか、
その原因を今回調査しに来た、というわけらしい。
ここからまた薄々分かるのは、
その調整とやらをコントロールしているのが、
どうやら地調という機関であるということだ。
調整リストを作り、もしくはどこからか受け取り、
そのリストに基づいた調整を配達屋に行わせる。
そんな機関。まさに「地域」を「調整」する「課」である。

しかし何かの原因でそのリスト対象外の
ユズキミルが殺されてしまった・・・
(また、もしかしたら、いやおそらく、
このマンションで女神以前に起きた
9件の自殺とやらも、配達屋の手による
調整だったのだろう。それらがリスト対象外
だったかどうかは分からないが。
加えて#01:new world orderにおいて
ハトバが口にした言葉から、この25区では発足以来、
異常な数の自殺が起きていることが分かる。
それらもまた、調整の結果なのかもしれない・・・?)、
しかもその後、捜査にやってきた
凶犯課のシロヤブ・クロヤナギ組と
この地域の配達屋ほぼ全員が激突し、
大半が処分されてしまった・・・
実際に大半の「処分」を行ったのは、
コウサカの作った「特捜部隊」だと思うのだが、
オオサトの口から行われる事件の説明には、
そういった言葉は出てこない。
まだ特捜の存在は、地調には明らかではないのか。
それとも口にされていないだけで、
把握はされているのだろうか。とりあえず謎である。

そして今回の事件はなぜか「きな臭い」ということか、
このタワーマンションの一件に関しては、
凶犯課により情報の封じ込めが行われており、
メディアには感づかれていないはずだというオオサト。
同時に地調も工作に動いているという。
しかし『25スポーツ』(略して5スポ)というスポーツ新聞が
まったく事件の真相とは違う切り口で
今回の事件を取り上げており、それがいささかの心配らしい。
どんな切り口かって? 
ではせっかくなので、簡単に記させてください。

配達屋が調整に使う武器は、使用時に鋭い金属音がする。
今回の事件現場となったタワーマンションにおいては、
前々からその金属音が頻発していたということで、
5スポではその金属音を、
以前から自分たちが追跡取材していた
『銀色の宇宙人』が、
出現の際に発する音と結び付けているのである。
つまりタワーマンションでは
UFOが離発着しているのではないか、ということだ。
さらに5スポではその銀色宇宙人の愛称募集中!!
ちなみに取材・文はミキジマ・ハツオという人物。

なんとも荒唐無稽だが、面白い。
案外今の都市伝説の裏にも、こういった(地調のような)
行政絡みの真相があるのかもしれない、なんて思う。
加えて、この5スポ、ツキは愛読者である。
雪男やUFOなど、不可思議なものが好きというこのキャラクター、
あとできちんと生きてくる。うまい伏線だ。
さらに云えばこの5スポ、
あとで何かきっと事件と絡んでくるに違いない、
と勝手に僕は思っている。勝手。

ツキは捜査の前に、今回の一件で
凶犯課に自分たちの存在がバレるかもしれないと
心配しているが、これはどうなんだ。
配達屋や潜水夫のことはもう凶犯課に
知られていると思うんだよね
(なぜなら、この先でクロヤナギが
そういった言葉を使うし、
それを周囲も不思議がらないからである)。
でも「地調」という組織については
知られているのかどうか、分からないけれど。
でも知られてないとしたら、すごくね?
犯罪者を即時抹消する組織「凶犯課」が、
地域を調整するとかいって
バンバンに殺害を行っている
「地域調整課」のことを知らないなんて、ありえる?
どれだけ隠密なんだよ地調って。
凶犯課と地調はまったく別の成り立ちってこと?
辿り辿れば起源はどこにあるのだろう。
両組織は誰が作ったのだろう。謎だなあ。
相反しているよね、やってることが。
地調にとっては、「調整」現場に捜査をしに出てくる
凶犯課は、目の上のたんこぶではないかな?
逆に凶犯課にとっては、地調の動きは
目の上のたんこぶではないかな? 
だって調整という名目の殺人してんだよ。
でも行政機関。
そんな組織が25区には共存しているのであるが、
これで両組織を作ったのが同一人物とは思えない。
それぞれに違う思惑を持った黒幕がきっといるはずである。
・・・とにかく、ここでは地調と凶犯課は完全に別腹である、
これが分かれば、まあいいか。

 『あいつら 
 こっちの領域にしゃしゃり出てきたら
 ブッ潰してやる・・・』


とは凶犯課についてのツキの言葉であるが、
大分ツキは凶犯課との間に確執があるようだ。
これから明らかになるのだろうか。楽しみだ。

さて、部屋の捜査であるが、
捜査中に分かることは、オオサトが
デスバレー・ボムという
ゴリゴリなパンクバンドのファンであるということ。
被害者ユズキの部屋でインディーズ時代のレアな音源を
発見して一人うかれる、阿呆な姿を見せるオオサト。
対してツキは占いの本(『魂[ソウル]別占い』)を何気に読み、
オオサトに対して今日の運勢を告げる――魂(ソウル)不足だそうだ。

 『やっぱりな
 味噌汁だけ飲むような奴は
 やっぱり魂(ソウル)が足らねぇんだよ』


と、ソウルが何かも知らないくせに云うツキである。

ツキが自身の星座である獅子座のページを見ようとしたとき、
そこからハラリと携帯番号のメモが落ちる・・・。
凶犯課がこれを見逃すはずがない。
とすると、凶犯課の捜査の後に挟まれた・・・?と勘ぐるツキ。
ノートPCで逆探知の準備をし、電話をかけると、
女性の声が、こう告げる。

 『・・・次に舞台へ出てきたのはあなた?
 ・・・他にも誰かいるわね
 新しいキャストが次々と登場して
 舞台を彩っていく
 そして まだまだ出てくるわ
 25区の綻びの中から
 私はまだ舞台袖で観ている
 ことしかできないけど
 凄く胸が高鳴っている・・・
 あなたにも聞こえる?
 開演のベルは鳴り芝居は進んでいる
 これは幕を降ろすための公演
 幕が降りた時に新しく始まるのよ
 何もかもが・・・
 脚本を読み解いて
 演出家を見極めて
 すべては主役が
 リードしてくれるはず
 主役の名はカムイ・・・

 
 カムイが日常ヲ殺ス』

カムイという名前に驚くツキとオオサト。
二人ともその名前は知っているようだ。
逆探知は失敗に終わる。
なんと受信ポイントが25区全域に散らばっていた・・・。
このメッセージ・・・
これは制作者サイドからプレイヤーへの挑戦か。
負けねえぞ!!

いや、それよりも、今の電話の相手の女性であるが、
ツキは心当たりがあるようである。
心中で一人の女性の名を思い浮かべる。

 『(サクラちゃん・・・・・・?
 いや まさか・・・・・・)』

サクラ。
ということはツキもサクラを知っているということか。
接点はどこにあったのか。
それはツキと凶犯課の確執に関係があるのかもしれない。
とりあえずこの時点では、サクラを知っていそうな人物は、
コウサカおよびツキということになるが、
電話の相手が実際にサクラだったとして、
さらに彼女がもし特捜の人間であったとしたら、
『カムイが日常ヲ殺ス』
という言葉を口にすることには一応納得できる
(なぜ上記のような謎めいた表現をするのかは
分からないが)。
なぜなら、それ(日常を殺すこと)は、
(おそらく)特捜の任務だから。
ということは、だ。
地調の任務は、調整をしつつ
日常を維持することであるわけだから、
それはつまり「日常を生かす」ことになるわけで、
特捜と地調の思惑は相対するものであることになる。
そうすると、凶犯課の立ち居地はどこだ?
日常を維持(生かす)?
日常を壊す(殺す)?
それとも中立?
それはこの段階では不明瞭である。
地調の動きは隠密であるが、
彼らは殺人ですら行っているのに、
それはどうやら犯罪としては
認識されていないようである。
しかし今回、タワーマンションでの事件で、
凶犯課が捜査に乗り出し、
地調(というか配達屋)、そして特捜とぶつかった。
これまで凶犯課は地調の動き、
地調という存在を知らなくても、
そういった調整を行っている奴らがいるということは
薄々感づいていたはずだと思う。
地調の仕事は果たして公的に犯罪なのか・・・?
もしそうであるなら、
凶犯課は地調の動きを放っておくことはできない。
今回のタワーマンションでの原因不明の
配達屋の暴走によって、ついに凶犯課は
地調の領域に踏み込んでいくきっかけを掴んだわけだ。
いずれにせよ、
コウサカの指揮する特捜部隊 → 日常を殺す
ツキの所属する地域調整課 → 日常を生かす
という理念で動いているのはハッキリしたが、
凶犯課が?である。それがハッキリしないことには、
物語の構造が把握しにくいことこの上ない。

サクラ?の電話の直後
イツキという男のモノローグが挿入される。
この段階ではまったくこの男の説明はない。
彼は誰かに電話しているようにも見えるが・・・?
そして彼は云う、

 『・・・ツキ
 ・・・これも因果か』


すいません。まったく意味分かりません(笑)。
特捜の人間なのかな。イツキも。
そして過去にツキと面識があり、
そこで何かあった。そして今また
関わることになり・・・みたいな。
ええい。分からぬわ!!

電話の件は課に戻ってから検討するとして、
次に潜水夫カモグチと接触するツキとオオサト。
陰気なオッサンである。
カモグチに先日の事件がどういった
経緯で引き起こされたのかを尋ねてみる。
しかしカモグチは報告書に書いたとおりだと云う。
すなわち「原因不明」。
それで「ハイそうですか」というわけにはいかない。
しかしカモグチは本当に分からないという。
なぜ配達屋たちが暴走したのか。
なぜあんな行動に出たのか。
そしてツキの言葉から分かることがある、
潜水夫というのは、
配達屋連中を監視するのが仕事なのだ。
束ね役なのだ。
地調のコンピュータでも
何万回もシュミレーションしたが、
人為的な操作がない限り、
ああいった事態は起こりえないというオオサト。
問い詰められて、ポツリポツリと話し始めるカモグチ。

しばらく前からマンションに
妙な圧迫感が漂っていたという。
誰かがこの場にやってきたという。
空気の流れが違うのだという。
とてつもなく強烈な圧力。
その圧迫感をカモグチが感じてから二三日後、
配達屋が暴走した・・・。
カモグチには止められなかった。
そして地調のシステムでも制御不能だった。

 『何かが狂ったんだ!
 誰かが 誰かが
 積み上げたレンガを引き抜いて
 それで それで・・・
 分からない!
 俺には何も分からない!』


とりあえず課の方で話を聞こうということで、
オオサトにカモグチのエスコートを促すツキ。
ところが!
何を間違ったかオオサトは発砲
その場でカモグチを調整してしまう。
明らかなミスである。手順の把握ミス。

 『あああー!
 おいおいおいおいおい!
 何やってんだよ!
 何撃ってんだよ!
 連行だろ?
 こいつは連行すんだろ?
 昨日 説明したよな?
 俺 説明したよな?
 ・・・オマエ トチ狂ったこと
 してんじゃねえぇよ!』


怒るツキである。
そしてまた、味噌汁だけ別に飲んでる奴は
これだからダメなんだと、グチをこぼす。

とにかくこれからこの部屋に配達屋が
来るということで、カモグチの死体を隠すオオサト。
それを怒りに震えながら見守るツキ。

やってきたのは、先日は別件で内偵があったために、
事件に遭遇せず生き残った配達屋、イイジマとサカシタ。
ちなみにやってくるときに「郵便です・・・」って
云ってチャイム押すのが何か笑えた。さすが配達屋。

カモグチは地調へ云ったというツキの説明を
怪しむイイジマとサカシタの二人。
というのも二人は、ここへ来る前に、
ある電話を受けたという。男の声で。
「これから会う人物に注意しろ
 消されるぞ」、
そう云われたという。
誰だ? 先のイツキ・・・だろうか。
何のために、かは分からないが。

とりあえず先日の件について何か知らないかと
二人を地調へ連れて行こうとすると、
そこでカモグチの死体が隠し場所から
こぼれ出る・・・。
すかさずサカシタを調整するオオサト。
残ったイイジマは、電話でただならぬ悪寒を感じたこと、
そして何かが始まるだろうということ、
ツキもじきに死ぬかもしれないこと、などを口にする。

・・・・・・

ツキは得意のナイフを一閃、イイジマの首を飛ばす
その後、飄々としているオオサトを
ツキが叱っていると、イイジマの電話が鳴る・・・。
留守電にしておくと、正体不明の人物からメッセージが――

 『もう二人とも死んだか?
 じゃあこの電話を聞いている奴に
 言っておく
 25区はもう終わりだ
 そしてオマエらの命脈も尽きた
 追い込む側から追い込まれる側へ
 回ることになる
 覚悟しとけよ』


これは誰だろう? イイジマが云っていた
電話の相手と同じだろうか? それとも・・・?
後に清掃課職員が現われたときにこう云う、
イイジマの首が笑っていたと・・・。
ちなみに清掃課というのは、
調整後の現場をクリーニングし、
元の状態に戻すのが仕事である、
そこのマエジマという職員はツキと同期。

地域調整課課長室――
今回の一件について
ツキとキリュウ・テツオが話している。
キリュウは地調の課長。
ツキを地調に引き入れた人物でもあるそうだ。
ツルツルのスキンヘッドで恰幅がよろしいオッサンである。
キリュウは云う、
今回の一件は凶犯課にも気付かれていないと。
すげえなあ。人が三人死んで、だよ?
警察っていうか凶犯課に気付かれないってすごいなあ。
清掃課さまさまだな。それだけじゃないか。
しかし当初の目的を遂行できなかった
ツキを叱責するキリュウ。
しかしやはりそこにもどこか愛情が滲んでいる。
ツキはどんな経緯で地調に入ってきたのだろう。
気になるな。
続けてキリュウは、
オオサトの扱いにも気をつけるようにツキに釘を刺す。
 『あいつはただの職員じゃないんだ
 充分にケアしろ』
と。
気になるな。
そしてキリュウもまた、
カモグチの感じた圧迫感、
それからイイジマの携帯に来た謎の電話、
これらをカムイと結びつけて考え始めているようだ。

カムイ。

この件を引き続き追うことを希望するツキ。
どうやら、彼はカムイと何か因縁があるようだ。
カムイ=25区のシステムを不安定にさせる要素
ということで、地調にとってもカムイは厄介な存在らしい。
調整の対象である。

キリュウはこう口にする、

 『カムイが日常ヲ殺スか
 ふん そんなことやらせるかよ
 この日常は誰にも殺させない
 俺たちが
 25区の黒子が阻止する
 そうだな ツキ?』


「はい」と応えるツキ。

キリュウ:
 『つまり俺たちの仕事はこれだ

 日常ヲ生カス



最後に、ここでようやく25区の構造の
一端を示すと思われる文章が、プレイヤーに提示される
(長々引用ですいません・・・)。


 『国家経済行政特別自治区24計画
 より生まれた管理社会
 カントウ24区をモデルケースに、
 総務省が主導となって様々な
 システム的補強を行い、
 情報と流通を徹底的に監視する
 カントウ25区が作り出された
 表向きは区の行政機構が
 25区の運営を行っているが、
 水面下では、郵政事業が
 総務省の力を背景に業務の領域を拡大し、
 区民を統制、警察をも上回る
 治安保全権限と実質的な支配力を持っていた
 配達屋と呼ばれる郵便局員たちは
 25区内に発生するトラブルを
 隠密に処理し、その配達員たちを
 各地区に派遣された班長、
 通称潜水夫が取りまとめる・・・
 調整という名の殺人まで許可されている
 配達屋と潜水夫の活動だが、
 事後の状況を秘匿・復旧させる
 25区行政機構の非公式部署清掃課
 との連携により表沙汰になることはなかった
 その清掃課と同様に
 25区行政機構には
 もう一つの非公式部署が存在していた
 
 地域調整課

 配達屋と潜水夫の統括、
 また配達屋も潜水夫も処理できない案件の
 解決など、25区管理における
 現場レベルの最高位機関として設置された
 その職員は課長・キリュウテツオ
 によって選び抜かれた
 エキスパート達で構成されている

 実行力による抑制・・・
 25区では、単純にして
 強力な手法によって
 破綻することなく日々が営まれていた
 ・・・今までは・・・』

 
どうやら地調は、
凶犯課よりもビッグな存在であるようだ。
なんてったって、区を管理する側なんだから。
そして殺人も許されている。
だとしたら凶犯課って何?
誰が何のために設置したんだろう。
郵政事業が区民を統括ってのも、
またスゴい話だ・・・。

まだまだ25区にも謎が多いが、
そんな徹底管理による25区の日常も、
どうやら変わり始めるようである。
カムイという存在によって・・・。

この第一話はこんな言葉で結ばれる。

 『毎日の景色が変わり始める』


地下劇場の開幕である。


''02:quiet cradleへ続く・・・


2006/04/03
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